PAIN OF SALVATION のレビュー

PAIN OF SALVATION / The Perfect Element, part I

2000,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・メタル・バンド PAIN OF SALVATIONの2000年3rdアルバム The Perfect Element, part I 。
児童虐待や青年時代の葛藤などをテーマとしたコンセプト・アルバム。

ヘヴィでダーク、怒りを感じさせるヴァースから、突然超メロディアス&メロウなサビに展開する#1。時にソウルフルなシャウトを交え、明暗を描く#2。終盤、印象的なボーカル・メロディがピアノでリフレインされ、聴き手の心に深く染み渡ります。
#2のラストからクロスフェードする悲しみに満ちたアルペジオのリフをベースに、苦悩を映した慟哭のサビに展開する#3。
ハンマーノイズの要素を強調することで寂寥感を表現したエレピによるリフが印象的な#4。
ストリング・セクションがバンド・サウンドに溶け込んだ後半がメロディアスで美しい。タッピングによるメカニカルな変拍子リフと、メロウなボーカル・パートでのオーガニックな情感を対比させた#5。疾走パターンに変化したリズム隊をバックに#3のサビがリプライズで登場し、テーマの関連性を示唆します。
時折ヘヴィな装飾を盛り込んだ、ピアノをバックにした繊細なバラードの前半から、5拍子でのエキゾチックなリフでリズム・コンシャスな後半に展開する#6。終盤にはストリングスとクワイヤで感動的なメロディがリフレインされます。
アコギやフレットレス・ベース、ピアノによる伴奏に清廉なボーカルが乗るメロウな#7。
チョーキングでシタールのような効果を出すギターが奏でるエスニックなメロディが深遠なムードと相まって、神秘性とトリップ感を生むヘヴィな叙事詩的ナンバー#8。
#4のリフ(今回はギターでプレイ)とサビがリプライズ、キャッチーとも言えるメロディアスなプログレッシブ・メタルに仕上った#9。
7拍子のクリーンなアルペジオによる静かな前半から、#6終盤で提示されたメロディがリプライズし盛り上がりを見せる後半に移行する#10。
パッド系シンセの白玉をバックに、ギターがルバートで切ないメロディを奏でるインスト小品#11。
7拍子のリフから始まり、重層的に様々なパートが織り込まれて壮大なフィナーレを飾る#12。

アルバム全体を覆うダークな色彩、ダニエル・ギルデンロウ(G/Vo)による様々に声を使い分けてのボーカル、意表を突いた楽曲展開によって重いテーマを見事に表現。数種の印象的なテーマ・メロディを楽曲間でリプライズさせるアルバム構成の妙、必然性ある自然な変拍子、楽曲展開やインストゥルメンタル・パートにおけるコード進行などにインテリジェンスを感じさせます。

Track List

1. Used
2. In the Flesh
3. Ashes
4. Morning on Earth
5. Idioglossia
6. Her Voices
7. Dedication
8. King of Loss
9. Reconciliation
10. Song for the Innocent
11. Falling
12. The Perfect Element

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