KING CRIMSON のレビュー

KING CRIMSON / The Construkction of Light

2000,UK/USA

いくつかのプロジェクトによる実験を経て、ロバート・フリップ(G)、エイドリアン・ブリュー(G/Vo)、トレイ・ガン(B)、パット・マステロット(Dr)の4人編成にて制作されたKING CRIMSONの12thアルバムThe Construkction of Light。

ヘヴィなリフをプレイする左CHと、80年代CRIMSON風なクリーン・トーンのアルペジオの右CHという2本のギターで編み込まれた#1。リフは伝統的なブルーズ・ロックのそれだが、リズムはアクセントをずらしたインダストリアルな薫り漂うヘヴィなもので、本来オーガニックな音楽であるブルーズの対極にあるような精緻なアレンジが英国的というかロバート・フリップ的な皮肉のよう。
こちらも80年代CRIMSONの手法に則った、クリーンな2本のギターによるポリリズム・アンサンブルの#2~#3。
SEを交えたノイジーなリズム、トレイ・ガンが操るスティックのヴィブラートのイントロが印象的な#4。白玉のハーモニーを奏でるメタリックなギターの質感がRed期を彷彿させます。
Fractureの現代版とでも言えそうな#5。精密機械のようなフルピッキングによるシーケンス・フレーズの緊張感とメロウなアルペジオ・パートの起伏を軸に、中間部ではシーケンス・フレーズが歪みを増したトーンで凶暴かつクールに登場。凄みと畏怖すら覚える演奏です。
ブルーズ・ロックのリフをモチーフに、実は周到に計算された荒っぽさを付加した#6。ピアノ音の不思議なソロはギター・シンセと思われます。
1984年のアルバムThree of a Perfect Pairのパート3以来となる、太陽と戦慄パート4を銘打たれた#7~9。メタリックなリフという楽曲の基本はそのままに、メカニカルなシーケンスをディストーション・トーンで演奏しているのが今回の特長。パート3での軽さに対し今回は本体のヘヴィネスの延長上にあり、時代ごとにバンドのサウンド志向を反映しているのが面白い。
#7~9の流れを継承しつつストリングスの装飾でメランコリックにコード進行する#10。

ヘヴィなリズムと時に怜悧で時に重厚なメタリックさで統一されたインスト中心のアルバム。時代のムードを巧みに取り入れながら自らの遺産を再構築、アップデートしていく様は、まさにロバート・フリップの独裁とセンスの賜物と言わざるを得ないでしょう。

Track List

1. ProzaKc Blues
2. The ConstruKction Of Light
3. Into the Frying Pan
4. FraKctured
5. The World's My Oyster Soup Kitchen Floor Wax Museum
6. Lark's Tongues In Aspic-Part IV
7. Lark's Tongues In Aspic-Part IV
8. Lark's Tongues In Aspic-Part IV
9. Lark's Tongues In Aspic-Part IV
10. Coda: I Have a Dream
11. Project X: Heaven And Earth

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カテゴリー: KING CRIMSON

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