KING CRIMSON のレビュー

KING CRIMSON / Starless and Bible Black

1974,UK

KING CRIMSONのスタジオ6thアルバム Starless and Bible Black。

ドライブ感満点の疾走パートと変態リズムのボーカル・パートを併せ持つ#1。
ジョン・ウェットン(B)のジェントルな歌唱にメロトロンの叙情が重なる序盤、ジェイミー譲りのパーカッションを聴かせるビル・ブラッフォード(Dr)、ロバート・フリップのメタリックな質感のギターがせめぎ合う#2。
お互いに手の内を探り合うようなインプロビゼーションが途中でブツ切れとなる#3。
ライブ部分のイントロにスタジオ録音のパートが巧く溶け合い、この時期ならではのクールなヨーロピアン叙情を醸し出す#4。
デヴィッド・クロス(Vln)のヴァイオリン、ロバート・フリップのメロトロン、ジョン・ウェットンのベースによる、東洋的なムードを感じさせるメロディの典雅なインスト#5。
妖しくも美しいメロトロン、ファンキーな薫り漂うベース、美しいハーモニーのボーカルというバラバラな要素が混沌の中から徐々に絡み合い出し、ようやくイイ感じになってきたところで突然ブツ切れとなる#6。
リズム・セクションがリードする中、ノイジーなギターと不協和音を奏でるメロトロンにより暗黒風味に着地した#7。
ギターによるメカニカルかつミニマルなリフが執拗に反復されながら、やがてヘヴィに発展する#8。

前作のツアー中にジェイミー・ミューアが失踪し脱退、4人編成に。
完成度の高いスタジオ録音部分である#1と#2及び#4のボーカルイン以降を除いてライブ・レコーディングされた本作は、実験的なインプロビゼーションによるライブ・バンドとしてのミュージシャンシップの高さを見せ付ける衝撃的な内容。

Track List

1. The Great Deceiver
2. Lament
3. We'll Let You Know
4. The Night Watch
5. Trio
6. The Mincer
7. Starless And Bible Black
8. Fracture

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