ハード・ロック のレビュー

UFO / Phenomenon

1974,UK

英国のハード・ロックバンドUFOの1974年3rd。

失踪したオリジナル・メンバーのミック・ボルトンに代わり、今作からギターがドイツ人のマイケル・シェンカー(ex.SCORPIONS)に。フォーキーな味わいの#2、#7やオーソドックスなロック・チューン#6、ブルーズのカヴァー#8と雑多な楽曲群が混在している所に試行錯誤の後も見られますが、フィル・モグ(Vo)のヴィブラートや歌いまわし、マイケルの艶のあるギター・サウンドは既に独特の個性を感じさせます。端整なインストゥルメンタル#9にはマイケル独特のヨーロッパ的翳りのあるマイナー・メロディも。そんな中異彩を放つのが、後々UFO及びマイケル自身の代表曲となる名曲#3,#5。これらの曲で見せた叙情性とハード・ロック的様式美が、UFOを他とは一線を画す存在たらしめます。独特な構図が印象的なジャケット・アートはヒプノシス。

Track List

1. Too Young to Know
2. Crystal Light
3. Doctor Doctor
4. Space Child
5. Rock Bottom
6. Oh My
7. Time on My Hand
8. Built for Comfort
9. Lipstick Traces
10. Queen of the Deep

UFO / Phenomenon のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

DEEP PURPLE / Burn

1974,UK

イアン・ギラン、ロジャー・グローバーをクビにして、ほぼ無名の新人デヴィッド・カヴァーデイル(Vo)と元TRAPEZEのグレン・ヒューズ(B/Vo)を加えての第三期DEEP PURPLEの1作目となる1974年9thアルバムBurn。

男らしいディープ・ヴォイスのデヴィッドにハイトーンのグレンと、#1からいきなり新加入スーパー・ボーカリスト2名の個性が爆発。ロールしまくるイアン・ペイス(Dr)、ハード・ロック史に残るソロを聴かせるリッチー・ブラックモア(G)、ジョン・ロード(Key)らオリジナル・メンバーも大いに触発されテンションの高いプレイを披露。カッコ良いリフとクラシカルなソロを完備した様式美ハード・ロックの名曲となりました。
ファンキーな#2。
2人が交互にボーカルを取るロックン・ロール・ナンバー#3。
ブルージーな#4。
イアン・ペイスのドラムがリードする#5。など、その他の楽曲は2人の個性を活かしたPOPなボーカル・ナンバーが並び、ソフィスティケイトされたブルーズ・ロックに到達した感のある第二期とはまた異なる方向性を打ち出すことに成功しています。
リッチー、デヴィッド双方とにとって後のキャリアでも重要なレパートリーとなるブルーズ・ナンバー#7。ジョン・ロードがシンセを駆使した実験色の強い#8。なども含め、バラエティ豊かなアルバム構成となっています。

Track List

1. Burn
2. Might Just Take Your Life
3. Lay Down, Stay Down
4. Sail Away
5. You Fool No One
6. What's Going on Here
7. Mistreated
8. "A" 200

DEEP PURPLE / Burn のレビューを見る

カテゴリー: DEEP PURPLE

タグ: ,

フォローもよろしくお願いします!

DEEP PURPLE / Stormbringer

1974,UK

リッチー・ブラックモア(G)在籍最終作となった第三期DEEP PURPLEの1974年作Stormbringer。

第二期を彷彿させるストレートなハード・ロック・ナンバー#1、#5にかつての面影を残しつつも、若き才能に溢れるデヴィッド・カヴァーデイル(Vo)とグレン・ヒューズ(B/Vo)の発言権が増した為か、これまでに無かった要素がますます増加。
二人がボーカルを分け合うファンキーな#2。二人とジョン・ロード(Key)の作曲によるAOR風バラード#3。これもリッチー抜きで作曲された、クラビネットのファンンキーなバッキングと二人のリード・シンガーのソウルフルな歌唱が楽しめる#4では、リッチーが珍しくメジャー・スケールでソロをプレイ。バッキング・ギターではほとんど聴こえない控えめなプレイに徹した反面、ソロではプロの意地を見せたんでしょうか。
リッチーが作曲にからんだ#6、#7はリフを中心とし、ファンクな要素との融合を狙ったこの時期ならではの興味深いナンバー。
ブルーズ・ロックの#8もツイン・ボーカルが新鮮です。
ラストの#9はデヴィッドのディープ・ヴォイスが活きた美しいバラード・ナンバー。うっすらとしたメロトロンがさらに叙情味を加えています。

リッチーが後のRAINBOWで頻発させるテイストのプロトタイプと言える#1での中近東音階によるギター・ソロや#8でのスライド・ギターによる美しいハーモニー。音色やフレージングが未だワンパターン気味ながら、#1のイントロや#3中間部のちょっとしたオーケストレーション、#6のソロなどでのジョン・ロードによるシンセ導入。といった部分に従来からのメンバーによる新機軸も感じられますが、バンド・サウンドとして昇華されるまでには至りませんでした。
しかしその中途半端な感じがもたらしたバラエティ感により、印象に残るアルバムとしてバンドの歴史に刻まれたのも事実です。

Track List

1. Stormbringer
2. Love Don't Mean a Thing
3. Holy Man
4. Hold On
5. Lady Double Dealer
6. You Can't Do It Right
7. Highball Shooter
8. Gypsy
9. Soldier of Fortune

DEEP PURPLE / Stormbringer のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

BLACK SABBATH / Sabbath Bloody Sabbath

1974,UK

BLACK SABBATHの5thアルバムSabbath Bloody Sabbath。

ヘヴィでいながらメロディアスでもあるトニー・アイオミ(G)らしいリフが牽引する#1。中間部の英国っぽいメランコリックなパートと、後のヘヴィに移行するパートのギャップが、ドラマティックさを醸し出しています。
印象的なリフとワウを絡めたバッキングから染み出す邪悪なムードと、一転してポップな後半インスト・パートの対比が面白い#2。
もはや単なる息抜きどころでは無い本気度を感じさせる、アコギ中心の美しすぎるインストゥルメンタル#3。
ブルーズ・ロックの出自を感じさせるシンプルなシャッフル・ナンバーから、突如シンセをフィーチャーしたシンフォニック・パートが登場して度肝を抜く#4ではリック・ウェイクマン(Key)がゲスト参加しています。
コンパクトにまとまったリフ、トレモロを掛けたバッキング、ドラマティックなギター・ソロと様々なアイディアが盛り込まれた#5。
フィルターが効きまくったズ太いアナログシンセのリフがリードする#6。
ポップで軽快なリフからフルートを絡めた叙情的なパートへの展開が新鮮な#7。
アコギの叙情アルペジオから、これまたポップなリフを経てストリングスまで動員しメロディアスかつ壮大に盛り上がる#8。

4thで完成させた従来のおどろおどろしいヘヴィ・ロックに、シンセやストリングスを効果的に導入したドラマティックな要素を加え、音楽性の広がりを見せたアルバム。
しっとりとした質感のサウンド処理と相まって、プログレッシブ&シンフォニックなBLACK SABBATHが味わえます。

Track List

1. Sabbath Bloody Sabbath
2. A National Acrobat
3. Fluff
4. Sabbra Cadabra
5. Killing Yourself to Live
6. Who Are You
7. Looking for Today
8. Spiral Architect

BLACK SABBATH / Sabbath Bloody Sabbath のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

GARY MOORE / Back on the Streets

1975,UK

クレイジーな早弾きとメロディアスなフレージングでお馴染みのゲイリー・ムーア(G)の1stソロ・アルバムBack On The Streets。

イントロの超高速16分音符が往復ビンタ並みの破壊力を持つTHIN LIZZY風ハード・ロックな#1。
THIN LIZZYの楽曲を盟友フィル・ライノットとのツイン・ボーカルでスローにアレンジした#2。
曲中にドイツ国歌のメロをさりげなく挿入し皮肉ったハード・ロックな#3。
と、THIN LIZZYの名盤Black Roseと同時期の作品だけあって、ここまではTHIN LIZZYにも通ずるカッコ良いハード・ロック路線。
そして突如インストゥル・メンタルのジャズ・ロック#4。
バックのメンツもそれまでの3曲がLIZZYのメンバーで固められていたのとはうって変わり、ジョン・モール(B)、ドン・エイリー(Key)というCOLUSSEUM II繋がりに、サイモン・フィリップス(Dr)を加えたスゴ腕なメンツがドラマティックかつ壮大でテクニカルなジャズ・ロックを展開。
ゲイリー自身は多分ジェフ・ベックみたいな事をやりたかっただけだと思うが、そこら辺のハード・ロックの100倍は熱いゲイリーのプレイが、ジャズとかロックとかのジャンル云々を超越してキッズのハートを鷲掴みに。
そして続くアップ・テンポな#5とゲイリーのコンテンポラリーなセンスを表現する#6、ファンキーな#7もこのメンツ。
#5ではドンとゲイリーのバトルが手に汗握ります。
#6のアーミングによるヴィブラートはゲイリー独特の繊細なタッチ。
そしてこのアルバムのもうひとつのハイライトがラストの#8。
抑えたトーンで泣きまくるゲイリーの名演中の名演。
ちょっとしたグリッサンド・ノイズとかタメとか超ロング・トーンとか、派手な早弾きの対極にあるエモーショナルな味わいもまた素晴らしい。バックのマンドリンも良いですね。

Track List

1. Back On The Streets
2. Don't Believe A Word
3. Fanatical Fascists
4. Flight Of The Snow Moose
5. Hurricane
6. Song For Donna
7. What Would You Rather Bee Or A Wasp
8. Parisienne Walkways

GARY MOORE / Back on the Streets のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

RAINBOW / Ritchie Blackmore’s Rainbow

1975,UK

元々はDEEP PURPLEのツアーの合間にリッチー・ブラックモア(G)がアメリカのバンドELFのメンバーをバックに制作したソロ・アルバムですが、RAINBOWの実質的な1975年1st。

DEEP PURPLE在籍最後のスタジオ・アルバムとなったStormbringerのレコーディング時に、QUATERMASSの#3をカヴァーする事を提案したリッチーのアイディアがメンバーから却下された事でリッチーの気持ちがDEEP PURPLE脱退に傾いた、というのが歴史上の通説です。が、本当はデイビッド・カヴァデールやグレン・ヒューズらが台頭しDEEP PURPLE内で求心力を失いつつあったリッチーがダダをコネただけなような気がしますね。

得意のキー=Gによるリフとクラシカルなアルペジオ、ロニー・ジャイムズ・ディオ(Vo)の堂々とした歌唱が後の様式美RAINBOWのプロトタイプとも言える#1。DEEP PURPLE時代の譜割がキレイなフレーズから一転して、フィーリング重視の独特なタイム感のソロが印象的です。
前述の曰く付きの#3はヘヴィ・サイケ風のオリジナルに比べると軽いキャッチーな仕上がり。#7にしてもそうですが、こういうリラックスしたロックン・ロールも”ソロ・アルバム”ならではな感じです。
叙情的な#4ではリッチーのボトルネック奏法によるメロウなソロが楽しめます。うっすらと叙情を醸し出すメロトロン風なストリングスもナイスです。
メロウな#6はロニーの抑揚の効いた歌唱がクラシカルな世界を気高く表現。

ロニーは、幅広く歌いこなす力量と、リッチーと共作した中世志向ハード・ロック#8のソングライティングで、完全にリッチーの信頼を獲得。次作から吹き荒れるリッチーの粛清の嵐を生き延び、ハード・ロック界随一のシンガーとして我々ファンに素晴らしい音楽を届けてくれることになります。

Track List

1. Man on the Silver Mountain
2. Self Portrait
3. Black Sheep of the Family
4. Catch the Rainbow
5. Snake Charmer
6. The Temple of the King
7. If You Don't Like Rock 'n' Roll
8. Sixteenth Century Greensleeves
9. Still I'm Sad

RAINBOW / Ritchie Blackmore’s Rainbow のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

RAINBOW / Rising

1975,UK

リッチー・ブラックモア(G)がDEEP PURPLEを脱退して結成したRAINBOWの1976年2ndアルバムRising。

前作がバック・バンドにELFを従えたソロ・アルバム風なテイストだったので、バンドとしては本作が実質1枚目と言えるでしょう。ロニー・ジェイムス・ディオ(Vo)以外のメンバーは全員解雇され、コージー・パウエル(Dr)、トニー・カレイ(Key)、ジミー・ベイン(B)という歴代最高のメンツが揃い、様式美ハード・ロックの古典ともなった名曲・名演が収録されています。

トニーのポルタメントを効かせたモーグによるミステリアスでスペイシーなイントロからドラマティックにギターのリフが切れ込んでくる#1。
ロニーの圧倒的な歌唱とコージーの独特のタイム感を持ったフィルインが単なるブルーズ・ロックをRAINBOW流ハード・ロックに昇華させた#2。
RAINBOWがやるシャッフル・ナンバーの典型ともなった#3。
キャッチーでストレートなハード・ロックにコージーのドラミングが映える#4。
そしてアナログB面となる#5、#6はセットで壮大な叙事詩となっています。
独特のシンコペーションがカッコ良いコージーによる怒涛のドラミングで幕を開ける#5はオリエンタルなムードを挿入し壮大な世界を描ききったRAINBOW流様式美の1つの頂点。
続く#6はジミーのナイスなオブリガード、コージーのツ-バスがドライブ感抜群にボトムを支え、トニーのアグレッシブなシンセ・ソロからギターとのクラシカルなハーモニーを経てリッチーのソロへ、そして再びクラシカルなハーモニーで絶頂を極める王道のハード・ロック。

DEEP PURPLE時代と比較してより緻密になったアレンジとそれでいて個性を発揮できるスゴ腕のミュージシャン、独特の世界観を表現可能なロニーの歌唱力を得てリッチーの目指したハード・ロックが完成した歴史に残る名盤です。

Track List

1. Tarot Woman
2. Run With the Wolf
3. Starstruck
4. Do You Close Your Eyes
5. Stargazer
6. Light in the Black

RAINBOW / Rising のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

BLACK SABBATH / Sabotage

1975,UK

BLACK SABBATHの1975年6thアルバムSabotage。

ヘヴィで邪悪なブギ#1、お約束のアコースティックな小曲#2、ビル・ワードのトップ・シンバル連打がこれぞ暗黒ハード・ロック”な#3、と畳み掛けるアルバム序盤の流れが完璧。
特に#3。突然3連になって場面転換し、中間部以降はアコースティックに展開する予測不能な所がSABBATHの魅力。
続く#4も素晴らしい。ムーディ且つヘヴィな導入部とキャッチーなサビの落差が良い感じです。
”リフ・マスター”トニー・アイオミの生々しいピッキング・ノイズがヘヴィ感を増強する#5も、一瞬叙情パートがあったかと思うとキャッチーなサビが登場する佳曲。
#6は妖しく壮大なクワイヤがトニーのギター・リフと神がかり的絶妙のマッチングを見せるインスト。この構成力は凄いですね。
ラストの#8もドラマティックに展開。引き摺るようなリフとドリーミーなほど美しいアコースティック・パートの落差が印象的。

初期のようなおどろおどろしさは減退している分、ドラマ性は大いに向上。アルバムごとに音楽的進化を感じ取れる部分もSABBATHのおもしろさです。

Track List

1. Hole in the Sky
2. Don't Start (Too Late)
3. Symptom of the Universe
4. Megalomania
5. Thrill of It All
6. Supertzar
7. Am I Going Insane (Radio)
8. The Writ

BLACK SABBATH / Sabotage のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

LED ZEPPELIN / Physical Graffiti

1975,UK

LED ZEPPELINの1976年6thアルバムPhysical Graffiti。
新作用マテリアルに3rdあたりからのアウトテイクを加えたアナログ2枚組。

ジョン・ポール・ジョーンズ(B/Key)のクラビネットがファンキーなニュアンスを加えた#1,#5。
メロディアスな叙情ハード・ロック#2。
ジョン・ボーナム(Dr)のビッグなドラム・サウンドが心地良いブルーズ・ロック#3,#15。
オリエンタルなムードのリフにロバート・プラント(Vo)の妖しいメロディの歌唱とストリングス・パートが絡みつく大作#6、
ミステリアスなシンセのイントロからヘヴィなリフによるダークなヴァースが続き、タイトル通りの暗闇に光射すかのような神々しい開放パートでクライマックスを迎える#7。
オクターブの単音リフがImmigrant Songの兄弟のような#12。
ジミー・ペイジ(G)の変態特殊チューニングによるものと思われる清涼感溢れるアコギのインストゥルメンタル#8。
トレモロをかけたギターがレイドバックしたムードを醸し出すサーフ・ロックに、ハード・ロックなパートを挿入したドラマティックな#9。
ホンキートンク・ピアノが良い味の、場末のバーみたいな雰囲気が楽しい#13。
飛行機の飛んでいくノイズが3rdのアウトテイクである事を伺わせるアコースティック・ナンバー#14。

バラエティに富んだ多彩な楽曲が収録されており、ZEPPELINの幅広い音楽性が味わえます。

Track List

1. Custard Pie
2. The Rover
3. In My Time of Dying
4. Houses of the Holy
5. Trampled Under Foot
6. Kashmir
7. In the Light
8. Bron-Yr-Aur
9. Down by the Seaside
10. Ten Years Gone
11. Night Flight
12. The Wanton Song
13. Boogie with Stu
14. Black Country Woman
15. Sick Again

LED ZEPPELIN / Physical Graffiti のレビューを見る

カテゴリー: LED ZEPPELIN

タグ:

フォローもよろしくお願いします!

THIN LIZZY / Jailbreak

1976,IRELAND

アイルランドのハード・ロック・バンドTHIN LIZZYの1976年6th。

メンバー全員のキャラが強烈でビジュアルなつかみもOK。ハードなエッジとキャッチーなメロディが同居する独特の世界におなじみツイン・リード・ギターの美しいハーモニーが花を添える完全にオリジナルなスタイルを持っている。#6,#8は彼らの代表曲として有名。後世のバンド達がライブでよくカヴァーしている。

Track List

1. Jailbreak
2. Angel from the Coast
3. Running Back
4. Romeo and the Lonely Girl
5. Warriors
6. The Boys Are Back in Town
7. Fight or Fall
8. Cowboy Song
9. Emerald

THIN LIZZY / Jailbreak のレビューを見る

カテゴリー: THIN LIZZY

タグ:

フォローもよろしくお願いします!

DEEP PURPLE / Made in Europe

1976,UK

リッチー・ブラックモア最後のステージとなったパリ公演の模様を収録した鬼気迫るライブ。

Track List

1. Burn
2. Mistreated
3. Lady Double Dealer
4. You Fool No One
5. Stormbringer

DEEP PURPLE / Made in Europe のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

BLACK SABBATH / Technical Ecstasy

1976,UK

BLACK SABBTHの7thアルバムTechnical Ecstasy。

適度な疾走感とキャッチーさを持った、SABBATH流ロックンロール・ナンバー#1。
オルガンやピアノが絶妙なサジ加減で彩を加えた、ヘヴィな中にも叙情性が宿るドラマティックな#2。
ビル・ワード(Dr)が歌う異色の#3。バラードというほど湿っぽくならず、どこかほのぼのとしたムードが漂う英国ロックらしい裏名曲。
メジャーな調性で広がりあるサウンドを聴かせるロックンロール・タイプの#4。中間部でマイナーになる部分では叙情性も。
リフがリードするブルーズ・ロック#5。
ホンキートンク・ピアノも交えた典型的なロックン・ロールの#6。それでもオジーの独特の声とのっぺりした歌唱、トニー・アイオミ(G)のコリコリしたピッキング・ノイズのギター・ソロがあれば、やっぱりSABBATH以外の何者でもない。
ストリングス・セクションとアコギの物悲しいアルペジオによるメランコリックなバラード#7。
ヘヴィなメイン・リフをはじめ様々なリフが目まぐるしく登場し、ヘヴィネスから叙情へ場面転換していく初期タイプの名曲#8。

オカルティックなおどろおどろしさや全く違う要素を無理やりくっ付けたかのようなプログレッシブで変態的な曲展開といった初期の特徴はもはや無く、よりストレートで構築性のある楽曲にスタイルが変化。その結果、BLACK SABBATHらしさという点では少々物足りなさもありますが、キャッチーな#1や#8の後半で垣間見せるメジャーなキャッチーさは、後のオジー・オズボーン(Vo)のソロ期にも通ずるテイストで興味深いものがあります。

Track List

1. Back Street Kids
2. You Won't Change Me
3. It's Allright
4. Gypsy
5. All Moving Parts (Stand Still)
6. Rock'n'Roll Doctor
7. She's Gone
8. Dirty Women

BLACK SABBATH / Technical Ecstasy のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

LED ZEPPELIN / Presence

1976,UK

LED ZEPPELINの1976年7thアルバムPresence。

創作面での煮詰まり、ロバート・プラントの交通事故などが影響したのか突如キ-ボードを一切排除。数週間でレコーディングされたという、ソリッドな質感が全体を貫くギター・アルバム。
ギターのオーバー・ダビングによるオーケストレーションの極致にして叙事詩的な#1はドラマティックなZEP節満載。だが他の曲はギター・オリエンテッドで確かにカッコ良いが地味な印象。
#2,#8ではストラトによるアーミングも聴かれる他、ジャキジャキしたカッティングの曲が多いのもソリッドな質感の理由かも。
長大な泣きのブルーズ#7がジミー時代の終焉を告げているかのように聴こえる。

Track List

1. Achilles Last Stand
2. For Your Life
3. Royal Orleans
4. Nobody's Fault but Mine
5. Candy Store Rock
6. Hots on for Nowhere
7. Tea for One

LED ZEPPELIN / Presence のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

RAINBOW / On Stage

1977,UK

1976年の日本公演、ヨーロッパ・ツアーからの音源で構成されたRAINBOWのライブ・アルバムOn Stage。

様式美ハード・ロックを極めた後のスタジオ・バージョンよりもライブならではのカッコ良さが際立つ#1を含め、黄金メンバーの演奏が楽しめます。

Track List

1. Kill the King
2. Medley: Man on the Silver Mountain / Blues / Starstruck
3. Catch the Rainbow
4. Mistreated
5. Sixteenth Century Greensleeves
6. Still I'm Sad

RAINBOW / On Stage のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

UFO / Lights Out

1977,UK

英国のハード・ロック・バンドUFOの1977年作。

ポール・レイモンド(Key/G)が加入。全体的によりハード・ロックっぽくなりドラマティックな構成力も増強。美しい#3ではマイケル・シェンカー(G)ならではのメロディアスなソロが聴けます。最大の聴き所はハモンドのグリッサンドが印象的なドライブ感満点のカッコ良いハード・ロック・チューン#4やプログレッシブかつドラマティックな#8でしょう。ポールのもたらした要素がバンドを数段レベル・アップさせると共にマイケルを大いに刺激、神レベルの魂全開激情プレイが炸裂しております。

Track List

1. Too Hot to Handle
2. Just Another Suicide
3. Try Me
4. Lights Out
5. Gettin' Ready
6. Alone Again Or
7. Electric Phase
8. Love to Love

UFO / Lights Out のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

FOREIGNER / Double Vision

1978,UK,USA

元SPOOKY TOOTHのミック・ジョーンズ(G)と元KING CRIMSONのイアン・マクドナルド(G/Key/Reeds)がオーディションで集めた英米混合メンバーによって結成されたハード・ロックバンドFOREIGNERの2ndアルバムDouble Vision。

軽快なハード・ロック チューン#1。
キャッチーなサビと単音リフ、作曲されたスリリングでメロディアスなギター・ソロが印象的な#2。
ルー・グラム(Vo)の歌唱力が光るバラード#3。
アコギのフォーキーなタッチにシンセのカウンター・フレーズや美しいコーラス・ハーモニーが溶け込んだPOPな#4。
ブルーズ・ロックな意匠にキャッチーなサビで意表をつく#5。
ハードエッジなギター・リフに絡むSAXが個性的なハード・ロック#6。
シンセによるオーケストレーションが醸し出すミステリアスなムード中にも、英国的な翳りを忘れないインストゥルメンタル・ナンバー#7。
イアンのマイルドなサックス・ソロがレイドバックしたムードにぴったりな#8。
ギターの単音リフにかぶさるシンセ・ストリングスが緊張感をもたらすメロディアスなハード・ロック#9。
淡々と抑えたムードを構成する各パートのアレンジが絶妙な哀愁チューン#10。

等々、幅広い曲想とそれを一聴したキャッチーさの中に、奥深い音楽性を忍ばせた職人肌なメロディアス・ハード・ロックが楽しめます。
ストリングス・アレンジにTOTOのデヴィッド・ペイチの名前がクレジットされているのも見逃せません。

Track List

1. Hot Blooded
2. Blue Morning, Blue Day
3. You're All I Am
4. Back Where You Belong
5. Love Has Taken Its Toll
6. Double Vision
7. Tramontane
8. I Have Waited So Long
9. Lonely Children
10. Spellbinder

FOREIGNER / Double Vision のレビューを見る

カテゴリー: FOREIGNER

タグ: ,

フォローもよろしくお願いします!

TOTO / Toto

1978,USA

アメリカ西海岸のスタジオ・ミュージシャンが結成したハード・ロック・バンド1978年1st。

鍵盤奏者がピアノ中心のデビッド・ペイチとシンセ中心のスティーブ・ポーカロの2名体制。後に「TOTOホルン」などと呼ばれることになる独特の音色でも有名です。リズムの仕掛けがプログレッシブでドラマティックに盛り上がる名刺代わりのインスト#1からつかみはOK!ライブではエフェクトかけまくりでモコモコなサウンドのスティーブ・ルカサー(G)もスタジオ盤では最高のサウンド。基本HRなんだけど、確かな経験とテクに基づく計算されつくしたアレンジと変拍子やジャジーな雰囲気をもさりげなく溶け込ませる独特のセンスがオシャレ且つカッコ良い。AOR路線の#3,#5もいいけど、やっぱりロックな#2,#6,#9が好きですね。

Track List

1. Child's Anthem
2. I'll Supply the Love
3. Georgy Porgy
4. Manuela Run
5. You Are the Flower
6. Girl Goodbye
7. Takin' It Back
8. Rockmaker
9. Hold the Line
10. Angela

TOTO / Toto のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

RAINBOW / Long Live Rock ‘n’ Roll

1978,UK

パリの古城でレコーディングしたというRAINBOWの1978年3rdアルバムLong Live Rock ‘n’ Roll。

脱退したジミー・ベイン(B)、トニー・カレイ(Key)に代わりボブ・デイズリー(B)、デヴィッド・ストーン(Key)が加入したものの、既にレコーディング済の素材にはリッチー・ブラックモア(G)がプレイしたベース・トラックもあったとか。

得意のシャッフル・ナンバー#1。オープニングにぴったりな勢いある楽曲なんですが、後の曲が超強力なので凡庸に感じますね。RAINBOWらしいメロディが印象的な#2は、単音リフの休符がもたらす音空間にコージーのドラミングが引き立つコンパクトなナンバー。
どっしりしたミディアム・スロウなテンポにロニーのパワフルかつ伸びやかな歌唱が映える#3。
続く#4はアナログA面のハイライト。
ストリング・セクションを加え中近東フレーズを使用したミステリアスなバビロン風ハード・ロック。トーン、フレージング共に素晴らしいリッチーのメロディアスなソロが聴けます。
そしてB面ハイライトは、いきなりの#5。
先にライブ盤On Stageにて披露されていたライブ・バージョンをさらにドラマティックに構成し直した、様式美ハード・ロックの名曲中の名曲。イントロと中間部に配されたクラシカルなハーモニー・フレーズ、ドライブ感満点のカッコ良いリフ、コージー・パウエル(Dr)のシンコーペーションにツーバス、ロニー・ジェイムス・ディオ(Vo)の歌う中世ファンタジーが一点の曇りも無く完璧に融合。#4とともに後世のHR/HMバンドのフォーミュラとなりました。
ブルージーなリフをベースに、ロニーのコブシの効いた歌唱が乗った#6。
RAINBOW流ロックン・ロール#7。
ラストはストラトのクリーン・トーン、リコーダー、フルート、ストリングス・カルテットを絡めたバッキングに、ロニーの抑えた美しいボーカルが加わり中世風叙情を紡ぐ感動的な#8。

RisingのB面のようなエピカルな大作は無くなりましたが、コンパクトな楽曲でもドラマティックな様式美ハード・ロックが可能な事を証明した名盤です。

Track List

1. Long Live Rock 'N' Roll
2. Lady of the Lake
3. L.A. Connection
4. Gates of Babylon
5. Kill the King
6. Shed (Subtle)
7. Sensitive to Light
8. Rainbow Eyes

RAINBOW / Long Live Rock ‘n’ Roll のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

UFO / Obsession

1978,UK

英国のハード・ロック・バンドUFOの8th。

控え目でメロディアスなポール・レイモンド(Key/G)のオルガンが効いた、軽快なロックン・ロールにドラマティックなマイケル・シェンカー(G)のギター・ソロを配した#1、ソリッドなハード・ロック#2、素朴なリコーダーにヨーロッパの叙情が薫るマイケル作のインストゥルメンタル小品#3(後にソロ・デビュー作で歌入りのTales of Misteryとしてリメイク)、ハード・ロック然としたリフが牽引する#6、とマイケルがソング・ライティングに絡んだ楽曲では従来のUFOらしいテイストが。
その反面、ストリング・セクションを贅沢に配したドラマティックな#5や、ストリングス、チェンバロ、ハープを加えたポジティブなムードの中にクラシカルなテイストをまぶした#11といったバラードで新機軸を打ち出したり、フィル・モグ(Vo)、ピート・ウェイ(B)による楽曲に冴えが感じられなかったりと、アメリカ市場を意識し過ぎたのかスリリングさや叙情性が大きく後退し、どうも迷いのようなものが感じられる作品に。リリース後数ヶ月するとマイケルはバンドを脱退します。

意味不明なジャケット・アートは勿論ヒプノシス。芸術性よりもインパクト重視で、自己のパロディに陥り始めた頃の作品ですね。

Track List

1. Only You Can Rock Me
2. Pack It Up (And Go)
3. Arbory Hill
4. Ain't No Baby
5. Lookin' Out For No 1
6. Hot 'N' Ready
7. Cherry
8. You Don't Fool Me
9. Lookin' Out For No. 1 (Reprise)
10. One More For The Rodeo
11. Born To Lose

UFO / Obsession のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

RUSH / Permanent Waves

1979,CANADA

カナダの3人組プログレ・ハード・ロック・バンドRUSHの1979年作Permanent Waves。

ポップでありながら変拍子、劇的な場面転換を共存させ得る独自な手法は他の追随を許さず、21世紀の今聴いても充分に刺激的でカッコ良い。

Track List

1. The Spirit of Radio
2. Freewill
3. Jacob's Ladder
4. Entre Nous
5. Different Strings
6. Natural Science
I: Tide Pools
II: Hyperspace
III: Permanent Waves

RUSH / Permanent Waves のレビューを見る

フォローもよろしくお願いします!

Search

Twitter

Facebook

TOP