RENAISSANCE のレビュー

RENAISSANCE / Tuscany

2000,UK

再結成RENAISSANCEの第一弾アルバム2000年作Tuscany。

RENAISSANCEといってもジェーン・レルフの時代とアニー・ハズラム(Vo)の時代があるわけですが、この再結成はアニー期のもの。アニー、珠玉のメロディ・メイカー マイケル・ダンフォード(G)、テレンス・サリヴァン(Dr)のオリジナル・メンバーに、ミッキー・シモンズ(Key)を加えた4人を核に、ゲストでオリジナル・メンバーのジョン・タウト(Key)とアニーの昔の恋人ロイ・ウッド(B)らも参加。唯一ジョン・キャンプの不参加が残念です。

霧のように敷き詰められたパッド系シンセの中、アニーのクリスタルなスキャットが響くオープニングが感動的な#1。ピチカートを印象的に使用した本編の品のあるアレンジも良い感じです。
装飾音のタッチがジョン・タウトっぽいピアノだな、と思ってたらやっぱりジョン・タウトが弾いていた#2。リリカルなピアノと繊細なアコギのアルペジオに、一瞬ですがNovellaの頃のようなマジックを感じましたよ。
ミッキー・シモンズも負けじと良い仕事をしている#3は、彼とアニーによる叙情的で神秘的なコラボレーション。
仄かにエキゾチックな叙情を湛えたフォークから、キャチーにして壮大なサビに展開する#4。
希望的な美しいメロディにアニーの透明感ある歌声が良く合う#5。
アニーの中音域を中心とした優しい歌唱をフィーチュアしたバラード#6。
軽快なアップテンポのポップなナンバー#7。
ジョン・タウトのシンフォニックなキーボードとアニーのボーカルによる厳かなコラボレーション作#8。
アニーが大好きだというブラジルのサンバを取り入れた異色作#9。
起伏のある展開とRENAISSANCEらしいフックを織り込みながら、現代的シンセ・サウンドでモダンに仕上がったドラマティックな#10は70年代の彼らとはまた違った新鮮な魅力に溢れた佳曲。個人的にはこれが一番好きですね。

注目のアニーの歌唱は、中音域で震え気味な所に若干の衰えも感じますが、ハイトーンでのハリとクリスタル度は往年のそれを彷彿させる素晴らしさ。
サウンド面では、カギを握っていたジョン・タウトのフルタイム参戦がならなかった影響か、さすがにクラシカルで神秘的な往年のムードは望むべくもありませんが、マイケル・ダンフォードの紡ぎ出す気品を感じさせるメロディは相変わらず。
全体的には、大作度とオーケストラ度が低くなったA Song for All SeasonsやAzure D’orの頃のコンパクトでキャッチーな路線に近いものがありますね。

Track List

1. Lady From Tuscany
2. Pearls Of Wisdom
3. Eva's Pond
4. Dear Landseer
5. In The Sunshine
6. In My Life
7. The Race
8. Dolphins Prayer
9. Life In Brazil
10. One Thousand Roses

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