CATHEDRAL のレビュー

CATHEDRAL / The Last Spire

2013,UK

既に解散を表明していたCATHEDRALのラスト・アルバム。

嵐、カラスの鳴き声、鐘の音にノイズを加えた不気味極まりないオープニングSEの#1。
超スローなヘヴィ・リフをベースにしたドゥーム・メタルを軸に、女性コーラスや何とも煮え切らない微妙なアコギ・ソロなどの静、テンポアップしての躍動パートによる動を配したCATHEDRALらしい12分超の大作#2。
ギャズ・ジェニングス(G)が次々と繰り出すリフがリードするオーソドックスなCATHEDRALチューンの#3。突如現れるヴィブラフォンのパートが絶妙のアクセントに。
ハイハットのカウントに乗った単音リフのイントロが熱いミディアム・スローの#4。ディレイを掛けたサビがフックとなり印象に残る。
重遅ドゥーム・メタルに幽玄なアコギ・パートと躍動パートを挿入した9分超の#5。
重遅ドゥームにチェロを絡めた前半、適当に弾いているとしか思えないシンセに掠れたメロトロン、更には妖しい女性コーラスも絡む変態プログレ・チューンと化す後半からなる#6。この、まとまりは無いがやりたいことを目いっぱい放り込んだ感じが、懸命にオリジナリティを模索していた70年代B級バンドのようなムードで良い。
#8のイントロSE的な#7。
叙情アコギからのメロウなツイン・リード、儚げなメロトロンなどの静寂パートを挿入した#8。

弦を微妙にベンドしての音程の不安定感により不穏で禍々しい空気を醸成する、ギャズ・ジェニングスの引き摺るようなヘヴィ・リフとブライアン・ディクソン(Dr)の重いグルーヴがアルバム全体をリードし、最初期のようなドゥーム・メタル感が満載。
そこに、70年代ロック・マニアでもあるリー・ドリアン(Vo)の嗜好を反映した、ここ数作共通のアプローチである70年代グルーヴをブレンド。キャリアの集大成とも言える内容になっている。

Track List

1. Entrance to Hell
2. Pallbearer
3. Cathedral of the Damned
4. Tower of Silence
5. Infestation of Grey Death
6. An Observation
7. The Last Laugh
8. This Body, Thy Tomb

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