陰陽座 のレビュー

陰陽座 / 臥龍點睛

2005,JAPAN

妖怪ヘヴィ・メタルを標榜する陰陽座の6thアルバム臥龍點睛。

瞬火(B/Vo)のボーカルで始まるオーソドックスなハード・ロック#1。
招鬼(G)と狩姦(G)によるハーモナイズ・ソロをフィーチュアした#2。
オールド・スクールなリフがリードする#3。
と、序盤のここまでがアレンジ、プロダクション共々アッサリし過ぎでいつものドラマ性に欠けますね。バスドラのビーターのアタック音が妙に浮いてる感じでどうも気になります。

TVアニメの主題歌にもなった、黒猫(Vo)の瑞々しい歌唱が染み渡るメロディアスでカッコ良いハード・ロック#4。
クリーン・ギターのアルペジオに瞬火と黒猫のツイン・ボーカルで物語を紡ぐ#5。
ブルータルなリフと男性陣によるデス・ヴォイスでゴリゴリ押し捲り、サビでは黒猫の伸びやかな歌唱でアクセントを付ける#6。
イントロがBON JOVIのRun Awayみたいなコード進行の#7。瞬火と可憐な黒猫の歌唱がムード歌謡のような陰陽座ならではのテイストを醸し出しています。
と中盤戦は徐々に持ち直し、黒猫が作曲したメロディック・スピード・メタル・チューン#8でひとつの頂点を極めます。メタル・クイーン然としたサビの黒猫の熱唱と、斗羅(Dr)のツーバスなど典型的スピード・メタルの楽曲展開及びアレンジがカッコ良すぎる、本アルバム最初のハイライト。

#9~#11は源義経の悲劇を描いた組曲。
義経が兄・頼朝の為にとその天才的な才能を奮い、戦勝を重ねる姿を描いた勇壮な#9。徐々に義経の存在が疎ましくなり、彼を排除しようとする頼朝の策謀をお馴染み和風リフを軸にプログレッシブでダークなムードで表現したドラマティックな13分超の大作#10。自然な場面転換、必然性のある台詞パートなど、陰陽座のプログレッシブ・チューンの最高傑作と言っても良いでしょう。そして、義経と生き別れた静御前の哀切を黒猫が艶やかな歌声で紡ぐバラード#11。
#12は黒猫のチャーミングな歌唱が萌え萌えな、お約束のパーティ・ソング。

前年秋にシングルとして3ヶ月連続でリリースされた壮大なスケールの歴史絵巻#9,#10,#11が本作の最大のハイライトであることは間違いないが、先にシングルで全部揃えた者の立場からすると12曲中3曲が既に聴き馴染みの楽曲というのは少々ガッカリ。この組曲やTV主題歌の存在もあってアルバムとしてはどこかチグハグな印象(特に序盤が低調)。#4や#8のような傑作があるだけに惜しい。

Track List

1. 靂
2. 龍の雲を得る如し
3. 彷徨える
4. 甲賀忍法帖
5. 不知火
6. 鬼ころし
7. 月花
8. 蛟龍の巫女
9. 組曲「義経」 悪忌判官
10. 組曲「義経」 夢魔炎上
11. 組曲「義経」 来世邂逅
12. 我が屍を越えてゆけ

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