IT BITES のレビュー

IT BITES / Map of the Past

2012,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドIT BITES再結成第2弾にして通算5thアルバムMap of the Pastは、バンドのキャリア初のコンセプト・アルバム。タイトル曲自体は昨年からライブで披露していたようなので、当時から構想はあったのかもしれません。

ラジオのチューニング・ノイズ~足踏オルガン風の素朴な伴奏から壮大なオーケストレーションに移行する序曲#1。
静・動の起伏、テンポの変化、鮮烈なシンセ・ソロなど、5分弱のコンパクトな中においしい要素が詰まった#2。
トリッキーなスネアの裏打ちが効いたポップかつプレグレッシブな#3。コーラスやカラフルなシンセが織り成す胸キュンなサビのアレンジがIT BITESらしい。
ジェントルなバラード#4。壮大な中間部での移動遊園地風(?)ペーソスのあるキラキラ・シンセのオブリガードがまたもやIT BITESというかジョン・ベック(Key)の真骨頂。
洒落ていながらキャッチーでアップ・テンポな#5。前作ではあえて前任者フランシス・ダナリーに似せていたかのような部分もあったジョン・ミッチェル(G/Vo)も、歌唱やスリリングなギター・ソロで個性を十分に打ち出しています。
ポルタメントがたっぷりかかった転調しまくりなシンセ・ソロが聴き所なミディアム・テンポの#6。
シタールの味付けが印象に残るポップ・チューン#7。オルガン・ソロがGENESIS風のコード進行。
シンフォニックなオーケストレーションを配した#8。屈折したムードがこれまたガブリエル期GENESIS風。
ブ厚いシンセがリードするイントロからボーカルにエフェクトを掛けたミステリアスな序盤、快活な7拍子へのリズム・チェンジ、ジョン・ベックお得意の浮遊シンセを交えたサビ前から壮大なサビへのドラマティックな移行、等々、場面転換の妙が光る#9。
アルバムを静かに締めくくるバラード#10と#11。

相変わらずの音色センスとさりげないが存在感のあるシンセを操るジョン・ベックを中心にして、ポップかつキャッチーながら、英国的屈折と翳りを適度に配合したIT BITESらしいサウンドは健在。特に#7~#9あたりの英国度は高く、アルバム最大のハイライトとなっています。

Track List

1. Man in the Photograph
2. Wallflower
3. Map of the Past
4. Clocks
5. Flag
6. The Big Machine
7. Cartoon Graveyard
8. Send No Flowers
9. Meadow and the Stream
10. The Last Escape
11. Exit Song

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