EUROPE のレビュー

EUROPE / Bag of Bones

2012,SWEDEN

スウェーデンのロック・バンドEUROPEの9thアルバムBag of Bones。
2004年の再結成からだと4作目。

イントロのワウを掛けたリフで予感させた通りのベーシックなブルーズ・ロック#1。ジョン・ノーラム(G)のギター・ソロはゲイリー・ムーア・フレーズも飛び出すエネルギッシュなフレージング。平凡な楽曲の中で鮮烈な印象を残している。
中近東メロディのフック入りミディアム・テンポのブルーズ・ロック#2。
緊張感ある攻撃的なイントロからフリジアン・メジャーを使った浮遊感のあるボーカル・パートを経てビッグなサビに至る#3。シタール風な音をまぶした中近東風な中間部トリップ・パートから抑えの効いたギター・ソロへ移行するインスト・パートを含め、アルバム中で最もアイディアが詰まった楽曲。
アコギのアルペジオとスライド・ギターをバックにしたシブい序盤、うっすら聴こえるトレモロを掛けた70年代風なエレピがトリップ感をもたらす#4。
ピアノが提示するリフがギターに引き継がれヘヴィに展開する#6。ヘヴィになってからのダーティなオルガンが良い感じ。
冒頭のオルガンのグリッサンドがカッコ良い。サビがメロディアスな#7。
LED ZEPPELINのフレーバーを感じさせるアコースティック・チューン#8。
定番リフに乗せた#9。ダイナミックなサビがWHITESNAKEのよう。
ハード・ロックンロールの#10。オルガンのチープなサイケ調オブリガードが良い。終盤のシンセ・ブラスのヒットは蛇足か。
メロウなバラードの#11。

寄る年波かそれともルーツへの回帰か、ブルージーなリフを軸にしたオーソドックスでオールドスクルールな楽曲が中心。ヘアバンドと揶揄されつつもMTVを席巻したかつてのEUROPEはもはや存在しない。

しかしさすがEUROPE。キャッチーなサビや円熟味を増したジョーイ・テンペスト(Vo)の歌唱にEUROPEらしい個性は健在。ツボを心得た起伏ある展開で、ここぞという場面で炸裂させる早弾きが効果的なジョン・ノーラムのギター・ソロ。主にオルガンをプレイ、グリッサンドやレズリーの回転数チェンジなどロック・オルガンの基本に忠実なプレイが好感なミック・ミカエリ(Key)など。脇を固めるプレイヤーも自然体でロックしている姿勢に今のバンドの良好な状態が伺えます。

Track List

1. Riches to Rags
2. Not Supposed to Sing the Blues
3. Firebox
4. Bag of Bones
5. Requiem
6. My Woman My Friend
7. Demon Head
8. Drink And A Smile
9. Doghouse
10. Mercy You Mercy Me
11. Bring It All Home

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カテゴリー: EUROPE

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