BAROCK PROJECT のレビュー

BAROCK PROJECT / Skyline

2015,ITALY

イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドBAROCK PROJECTの4thアルバムSkyline。

爽やかな多声コーラスで幕を開ける#1。5拍子をベースにメロディアスな歌メロを乗せ、ブラスやストリングスを要所で効果的に使用し明朗かつ希望的に展開するFLOWER KINGS風シンフォニック・ロック。
オルガン中心でELPを彷彿とさせつつ、シンセが入る部分ではELPはELPでもEMERSON LAKE & POWELLのようなポップ性も伺わせながら弾むようなリズムで爽快に進行。非常にテクニカルでありながらそうとは感じさせないメロディとアレンジの妙が際立つクラシカルなインストゥルメンタル・チューン#2。
乾いたウェスタン風フォークを軸に、端正なクラシカル・パートやヘヴィなパート、シンフォニックなインスト・パートを内包する10分超の大作#3。NEW TROLLSのヴィットリオ・デ・スカルツィ(Vo/Fl)をゲストに招き、ヘヴィネスとクラシカルが融合したアレンジをバックにフルートのソロをフィーチュア。
ミステリアスなムードを演出するシンセの小技が効いたドラマティックな#4。
クールなフォーク・パートとクラシカルなパートが表裏一体となった#5。清涼感あるコンテンポラリーなパートからクラシカルな叙情への展開が意外性を伴いハッとさせられる。
語りかけるようなジェントルなボーカルをピアノ、アコギ、ストリングス・セクションが支える気品あるバラード小品#6。
洒落たジャジーなコード進行がフックとなった、ファンキーな中に少々ペーソスを効かせた#7。
STYXのような産業ロック的キャッチーさを持った歌メロやスリリングなプログレ・ハード風インスト・パートを内包。ストリングスによるクラシカルなデコレーションを施したスケールの大きな#8。
クラシカルでメランコリックなバラード#9。
中期GENESISや初期FLOWER KINGSのような突き抜ける爽快感を持ったイントロが印象的なシンフォニック・ロック#10。晩夏を思わせる寂寥感が心地良い余韻となっている。

全編に良質な歌メロが散りばめられており、テクニカルで壮麗な器楽要素が満載でありながら散漫にならずに芯の通った作品となっている。その歌メロもイタリア的な甘いものからクラシカル、コンテンポラリーなどバラエティに富んでおり、中心人物ルカ・ザッビーニ(Key/B)の音楽的素養の高さが伺える。
アルバム・タイトルから連想したと思しきシュールなジャケット・アートは、GENESISの作品でお馴染みのポール・ホワイトヘッドによるものでちょっと古臭いタッチが微妙。洗練された音楽性からはヒュー・サイムとかの芸風が合っている気がする。

Track List

1. Gold
2. Overture
3. Skyline
4. Roadkill
5. The Silence of Our Wake
6. The Sound of Dreams
7. Spinning Away
8. Tired
9. A Winter's Night
10. The Longest Sigh

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