TAIKA のレビュー

TAIKA / Aware

2014,日本

日本のプログレッシブ・ロック・バンドTAIKAの3rdアルバム Aware。

6/8拍子での高橋在也(Pf)のピアノに絡む妙(Vo/Accordion)のアコーディオンというイントロからTAIKAらしさ満点の#1。
Dani(B)のベースが提示する7拍子パターンがリードするミステリアスな#2。曲調が徐々に激しさを増し、それに呼応して谷本朋翼(Dr)がスネアを入れてくるアレンジがカッコ良い。
ベースのハーモニクスと緩い感じのアコーディオンに煌びやかさを少々抑えたピアノのアルペジオが印象的な、TAIKAには珍しい明るい希望的なサビを持つ#3。勿論、7拍子に超絶ベース・ソロとTAIKAの器楽的な魅力も。
ゆったりとした3拍子でトライバルなタム回しがリードする前半から大きなスケールに展開する#4。
6/8拍子の典型的なTAIKAチューン#5。歌メロを継承しながら軽やかに発展させていくピアノ・ソロとそれに続くアコーディオン、静かなパートでの場面転換など多彩なフックで聴き手を引き込む。
寂寥感と優しさが同居したボーカル、柔らかいタッチのピアノ、和音も駆使したベース・ソロが珍しい4拍子に乗るTAIKA風バラード#6。
ダークな序盤から明るさと躍動感へとドラマティックに移行していく#7。2012年の皆既日食にインスパイアされた楽曲だそうで、なるほど納得。
高速5拍子を軸に展開する#8。ボーカルとシンクロしたドラム、間奏前のジャジーなリズム・チェンジ、ファズ・ベースの超絶攻撃的ソロなど聴き所満載のプログレッシブ・チューン。
間奏のオーバーダブしたスキャットや捻った歌メロなど、神秘的なイメージの#9。
ピアノが提示したモチーフにユニゾンで被せていくアコーディオン、静と動のドラマティックな対比、ピアノ・ソロのバックで徐々に手数を増していくリズム隊等々、理想的なTAIKA典型チューンの#10。

シンプルな楽器編成とムードから受ける第一印象を色でたとえると鈍色(にびいろ)といった感じのTAIKAではあるが、変拍子をさらりと聴かせてしまう高度なアレンジ、#8や#10に代表されるスタイリッシュな独特のグルーヴ感、繊細な妙のボーカルなど各要素が絶妙な配合で華を添え、このメンバーのTAIKAとしてでしか出し得ない独自の世界を醸成している。もはや孤高といっても差し支えないだろう。

妙によるライナー・ノーツはこちら

Track List

1. Alive
2. Gate of Abyss
3. 白き光芒
4. Red Ground
5. 風の標
6. Color to Remind ~ 水底の世界II ~
7. eclipse
8. Immortal Fate
9. Deep into the drowse
10. 渡り鳥

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