STRAWBS のレビュー

STRAWBS / Hero and Heroine

1974,UK

プログレ度がますます上昇したSTRAWBSの1974年7thアルバムHero and Heroine。

前作を発表後のツアーを最後にデイヴ・カズンズ(Vo/G)、デイヴ・ランバート(Vo/G)以外のメンバーが脱退。リズム隊と鍵盤奏者を新たに加入させるわけなんですが、キーボードは何と元オリジナルRENAISSANCEのジョン・ホウクン(Key)。
曲調や場面に応じてアコースティック・ピアノ、エレピ、オルガン、メロトロン、シンセ、と言った具合に持ち前の上品なトーンとフレージングで大活躍しております。(ちなみに脱退した鍵盤のブルー・ウィーバーは、様々なセッションをこなした後に何とBEE GEESに加入し大成功!)

メロトロン大洪水の序盤、端整なピアノの中盤、教会風クワイヤの終盤とのっけからドラマティックに迫る組曲#1。
程良くくすんだエレピの伴奏に乗ったAOR風なボーカル・パートから、突如クラシカルなオルガン・ソロで感動的に盛り上げる#2。
キャッチーなロックン・ロールに叙情シンフォニックなメロトロン・パートが挿入された#3。
コーラス・ハーモニーの美を気品あるピアノとメロトロンでさらに増幅する#4。
メロトロンによる大仰でシンフォニックなメイン・リフに埃っぽいフォークのボーカル・パートが融合したプログレ・チューン#5。
#5からメドレーで繋がった叙情フォーク#6。
ピアノのオブリガードが印象的な優しいフォーク・バラード#7。
シンセのリフあしらったアメリカン・ハード・ロックな#7。
#9のギターとピアノによる重厚なリフレインが引き継がれ、クワイヤで感動的にフィナーレを飾る#10。

トータル・コンセプト作らしいドラマティックなアルバム構成の充実作。
#3や#5のような本来相容れない要素を巧みに(無理やり?)ドッキンングしてしまうセンスはSTRAWBSならでは。くっつけたは良いが、素材がそのままで融合しきっていない中途半端さも逆に味があって大好きですね。

Track List

1. Autumn: Heroine's Theme/Deep Summer's Sleep/The Winter Long
2. Sad Young Man
3. Just Love
4. Shine On Silver Sun
5. Hero and Heroine
6. Midnight Sun
7. Out in the Cold
8. Round and Round
9. Lay a Little Light on Me
10. Hero's Theme

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カテゴリー: STRAWBS

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