RIVERSIDE のレビュー

RIVERSIDE / Love, Fear and The Time Machine

2015,POLAND

ポーランドの薄暗プログレ/シンフォ・バンドRIVERSIDEの6thアルバムLove, Fear and The Time Machine。
ジャケットアートはお馴染みのトラヴィス・スミス。

オリエンタルなエキゾティックさを感じさせるモーダルなメロディによる新機軸#1。
クリーンなギターのアルペジオがリードし、浮遊感あるまろやかなシンセがアクセントとなる#2。終盤の叙情リフレインがシンプルながらもグッと来る。
リフレインとAメロに若干邪悪な音使いを絡めてフックとしながらも、全体としてはメランコリックなメロディで流れるように展開するキャッチーな#3。アコギとシンセによる幽玄なアウトロに何となく70年代B級プログレ臭が(良い意味で)あり秀逸。
7拍子の引っ掛かりと終盤のギターやシンセによる叙情的なシンフォ・パートが印象的な#4。
クールな7拍子と不条理系ヘヴィ・リフを巧みに融合させた#5。荒涼としたアンビエントから炭火のように暖かいメランコリックなメロディへの展開が見事。
オルガンとベースのみをバックに切々と歌われる、ダークでメランコリックなバラード#6。
リズミックなベースのリフがリード、トレモロをかけたギターやシンセがヴィンテージ風なフックとなり、コンテンポラリーなサビと対比している#7。
アコギのアルペジオがまどろみフォーク風の序盤から、OPETH風暗黒インスト・パートの後半に移行する劇的な#8。
終盤に叙情リフレインを配したアコギ・フォーク#9。
ミニマルなアルペジオとオルガンの白玉という相反する要素を持つクールなフォーク#10。

HM/HR系バンドにありがちな、リフありき→歌メロ後付けの楽曲制作パターンとは真逆のまずは歌メロありきと思えるメロディアスな楽曲が並ぶ。
一方インスト・パートは、テーマを変容させながらこれでもかと繰り返すことで聴き手の心に深い印象を残す手法を確立。
メロディとムードを優先する叙情的な方向性は、ダークなプログレの最先端を行くスティーヴン・ウィルソンに近いものがあるが、歌唱もジェントルかつクールで決してウェットに耽溺しない絶妙なバランス感覚はRIVERSIDE独自のものといえる。

Track List

1. Lost (Why Should I Be Frightened By a Hat?)
2. Under the Pillow
3. #Addicted
4. Caterpillar and the Barbed Wire
5. Saturate Me
6. Afloat
7. Discard Your Fear
8. Towards the Blue Horizon
9. Time Travellers
10. Found (The Unexpected Flaw of Searching)

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