JOHN PETRUCCI のレビュー

JOHN PETRUCCI / Terminal Velocity

2020,USA

DREAM THEATERのギタリスト ジョン・ペトルーシ(G)の2ndソロ・アルバム。
2020年に全世界を襲った新型コロナ・ウィルスCOVID-19の影響はDREAM THEATERにも例外なく及び、アルバムDisance Over Timeのツアーが5月の日本を含む各地で中止に。ロックダウン(都市封鎖)等で空いた時間で新たに作曲したり過去のマテリアル等をまとめて制作。かつての盟友マイク・ポートノイ(Dr)、ジョンとはG3ツアーで共演しておりマイクともFLYING COLORSでバンド・メイトであるデイヴ・ラルー(B)をレコーディングに招いている。

神秘的なSEから北米プログレ・ハードの香り漂うリフに突入。快活なアップテンポと伸びやかなギターが心地よいオープニング・チューン#1。
ジョン曰くイタリアン・マフィア風のオープニングからタテ乗りでスリリングに展開する#2。リズム隊とシンクロする場面はDREAM THEATERを彷彿させるタイトさ。
タイトル通りポジティブなムードに溢れたハード・ロック。軽やかなロールや微妙なハイハットで彩を加えるドラミングもやはり相性の良さは抜群。メジャー・コードでここまで弾きまくって爽快感を与えるのも本家DREAM THEATERではあまり無いので新鮮。
いきなり強烈なシュレッドで幕を開け、雄大なソロ・パートやアル・ディ・メオラ風スタッカートを聴かせるアコギ・ソロを中間部に配し、緊張感あるモチーフを軸に展開する#4。
レイドバックしたブルーズで意外な表情を見せつつ終盤はシュレッドで爆発する#5。
DREAM THEATER風ダークでメタリックなリフにミステリアスなメロディが乗るプログ・メタル#6。
RUSHのようなスケールの大きなイントロを配し、テーマ・メロディの滑らかなトーン・コントロールが見事な#7。
スタジアムでのオーディエンスとの一体感を想起させるビッグなリフでリードするアメリカン・アリーナ・ロック#8。
7弦ギターを使用したヘヴィなリフでゴリゴリと進行、2本のギターによるハーモニーから激情ソロへの転換に鳥肌が立つ#9。

全編ギターだらけのインストゥルメンタルだが、メカニカルなプログ・リフ、エモーショナルなトーン・コントロール、整然としつつも速さが尋常でないシュレッドなど、様々な表情を見せつつも全てがジョン・ペトルーシ印という驚異の個性とキャッチーなメロディでリスナーの耳を釘付けにする。

Track List

1.Terminal Velocity
2.The Oddfather
3.Happy Song
4.Gemini
5.Out of the Blue
6.Glassy-Eyed Zombies
7.The Way Things Fall
8.Snake in My Boot
9.Temple of Circadia

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