FREQUENCY DRIFT のレビュー

FREQUENCY DRIFT / Letters To Maro

2018,GERMANY

幽玄なハープをフィーチュアしたドイツのプログレ/ポストロック・バンドFREQUENCY DRIFTの7thアルバム。

ドリーミーと情念の二面性を歌唱とアレンジで対比させた#1。
伸びやかで優美な歌唱と幽玄なハープのソロが耳を離さない#2。ゴシックなムードの中、エキゾチックな管楽器の音色がアクセントに。
コンテンポラリーなポップ性にハープや7拍子がもたらす幻想性や多層美声コーラスの清涼感を併せ持った本アルバムのベスト・トラック#3。
トリッキーなリズムで起伏を演出した#4。
抑えた美声から少々ラフな歌い回しまで様々な表情を見せる#5。
シンセによるシンフォニックなサウンドスケープ、ウィスパーなコーラスにゆったりとしたメロディが乗る#6。
オペラ風というかクラシカルというか、とにかく荘厳なメロディが強烈なフックとなった#7。中盤の弦をフィーチュアした幻想的なインスト・パートから一転してなだれ込む怒涛の終盤の数字のカウントアップがドラマティックな高揚感をもたらす。
ミュージカル風パートや格調高い美メロなど変幻自在の歌唱がバックのサウンドスケープにマッチした芸術度の高い#8。
性急なマリンバのリフがリード、静と動のアレンジに合わせたエモーショナルな歌唱が魅力的な#9。
印象的なメロディを軸に静謐から激情まで幅広く描き出す展開に引き込まれる#10。
神秘的な中に清涼感を含むサウンドスケープでアルバムを締めくくるインスト・チューン#11。

前作までどこか浮いた印象のあった中途半端にヘヴィなギターを大幅に削除したことが奏功。バンドの突出した個性であるハープを主軸にシンセやメロトロン、弦のサウンドで醸し出すダークでメランコリックなムードが増量している。
またもや交代となった看板女性シンガー。今作のIrini Alexia(Vo)はエンジェリック度は低いながらも前任者達の美声を継承しながら、ミュージカル風歌唱によるシアトリカルなアプローチがバンド・サウンドとの親和性が高く作品の世界観に深みを加えている。
起承転結が巧みなアレンジの向上と併せてドラマティック度が大幅にアップ。女性ボーカル メランコリック路線のトップに躍り出た。

Track List

1. Dear Maro (6:22)
2. Underground (5:02)
3. Electricity (4:52)
4. Deprivation (3:35)
5. Neon (6:09)
6. Izanami (5:09)
7. Nine (6:10)
8. Escalator (4:26)
9. Sleep Paralysis (6:03)
10. Who's Master? (9:16)
11. Ghosts When It Rains (3:05)

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