LE ORME のレビュー

LE ORME / Felona e Sorona

1973,ITALY

イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドLE ORMEの1973年5thは、フェローナとソローナという2つの惑星の物語を綴ったコンセプト・アルバム。
各曲が曲間無く繋げられ、アルバムとしての統一感があります。

元々4人組ビート・ポップ・バンドでスタートしたというLE ORMEですが、3rdの頃からトニ・パリュウカ(Key)を中心としたキーボード・トリオ編成になり音楽性も変化。ツアーで訪れた英国で、プログレッシブ・ロックの影響を持ち帰ったのかもしれません。

手数の多いドラムをバックにオルガン、シンセ、メロトロン(ソリーナ?)を駆使してシンフォニックに暗い叙情を紡ぎ出す#1。
イタリアン・レストランのBGMでかかっていてもおかしくない位、地中海情緒溢れる穏やかなムードの歌唱パートを持つ#2。かつてはシングル曲中心に活動していた名残を感じさせます。
雫のようなピアノが美しい#3からメドレーで妖しいムードの中盤を経て、スリリングな変拍子のシンセ・ソロからメロディアスな終盤へと起伏ある展開を見せるプログレッシブな#4。
切々としたボーカルが叙情を紡ぐ#5。
#5のムードを引き継いだ、5拍子の歌唱パートを持つ#6。
暗がりから一条の光が射すかのごとく、ポジティブなムードのメロディがエレキ・ギター、ピアノによって静かに継承される#7。
地中海風フォークにシンセのシンフォニックな味付けを施した明るいムードの#8は、終盤に#5の物悲しいフレーズがリプライズで挿入されています。
そして#8終盤のムードを引き継ぎながら、ブ厚いシンセが不安を煽るようなメロディを放射してクライマックスを迎える#9。

決してテクニカルではありませんが、独特の歌心を感じさせる歌唱パートと、叙情やスリル等様々な情景を描き出すシンセやオルガンを駆使したドラマティックなインスト・パートが融合した、独特のサウンドを聴かせます。

Track List

1. Sopesi Nell 'Incredible
2. Felona
3. Solitudine Di Chi Protegge Il Mondo
4. Equilibrio
5. Sorona
6. Attesa Inerte
7. Ritratto un Mattino
8. All 'Infuori del Tempo
9. Ritorno Al Nulla

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