CHRISTINA のレビュー

CHRISTINA / The Light

2015,UK

英国のシンフォ・バンドMAGENTAの女性ボーカリスト クリスチーナのソロ・アルバム The Light。

くぐもったエレピの渋いカラーが支配するブルース風ナンバー#1。
ピアノのアルペジオとチェロのピチカートが滴り落ちる水の雫のようなムードを作り、繊細な管弦セクションがシンフォニックな彩りを加える、神秘性とコンテンポラリーな要素を融合した#2。
クリスチーナの伸びやかな歌声を活かしたオーソドックスな叙情ナンバー#3。
ピアノと管弦セクションをバックに切々と歌う気品溢れる#4。
クラシカルなマイナー・メロディが際立つ、どこかRENAISSANCEを彷彿とさせる#5。モジュレーションをかけたレトロなギター、ストリングス、ブラスなどを適所にピンポイントで使用するアレンジのセンスが素晴らしい。
サビの仄かな叙情が心に染み入る、リラックスした穏やかなフォーク風ナンバー#6。
ピアノをバックした語りかけるようなバラード#7。厳かなチェロも効いている。
スキャトが印象に残るムーディなAOR風ナンバー#8。
雄大なアレンジが施された、タイトル通りポジティブで希望的ムードに溢れる#9。

乳がんの治療から復帰したクリスチーナを祝福するかのように、MAGENTAやKOMPENDIUMなどで良作を連発する才人ロブ・リード(Key/G/B)、同じくMAGENTAの同僚クリス・フライ(G)をはじめ、IT BITESのジョン・ミッチェル(G)、元IQ、元FROSTのアンディ・エドワーズ(Dr)、THE TANGENTのアンディ・ティリソン(Key)、プログレ界で幅広い人脈を持つ売れっ子テオ・トラヴィス(Sax/Fl)など錚々たるメンツが集結。

クリスチーナの個性的な歌声やロブ・リードによるものと思われるアレンジがもたらすムードは、やはりMAGENTA直系の高品質。ただし、MAGENTAの楽曲をエピカルに彩る大仰でドラマティックな展開や時にハードな部分はここには無く、ひたすらクリスチーナの歌唱に焦点を当てた内容となっている。
MAGENTAの名作Seven収録のAngerがそうであったように、バックがシンプルであるほどこの人の地声が持つ叙情が活きるようだ。
ともすれば内省的で地味にも映るが、絶妙に異なるカラーを持たせた楽曲のバラエティもあり飽きさせない。このあたりはロブ・リードの面目躍如といったところ。

Track List

1. Full Stop
2. Stay
3. Legend In The Making
4. Disappeared
5. When The Darkness Falls
6. The Anger In Your Words
7. The Same Old Road
8. Last Breath
9. The Light

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