LATTE E MIELE のレビュー

LATTE E MIELE / Papillon

1973,ITALY

イタリアの3人組プログレッシブ・ロック・バンドLATTE E MIELEの2ndアルバムPapillon。

オルガンの緊張感あるリフがELPのTurkusを彷彿させるオープンニング#1から#8までがアルバム・タイトルになっているPapillon組曲。題材は映画でもお馴染みの脱獄劇『パピヨン』。

管のアンサンブルで提示されるテーマ・メロディを叙情的なアコギのイントロとボーカルが引き継ぎ、やがてクラッシクやジャズのテイストを織り込んだインスト・パートに展開していく#2。
オルガンを中心にピアノやメロトロンを加え躍動感あるインスト・パートを繰り広げる#3。ティンパニや混声合唱団がシンフォニックな彩を加えています。
ピアノの伴奏にオーボエやメロトロン、シンセが絡む叙情的な序盤から、ドラマティックに盛り上がるメロディアスな#4。まろやかなボーカル・メロディにイタリア語の響きが良くマッチしています。
休符を巧みに場面転換とし、メロトロンの刻みやヴァイオリンの乱舞が目まぐるしく展開する#5。
ピアノをバックに沈痛な表情を見せる#6。
ギターのヘヴィなリフ、管とメロトロンによる壮大なファンファーレ、パーカッシブなオルガンがリードするマーチのようなパート、とシンフォニックに展開する#7。
メジャーに変換されたメイン・メロディを提示し、ハッピ-エンドを印象付ける#8。
#4,#5,#7あたりの映像的なタッチはまるで映画のサウンド・トラックのようです。
クラシカルなテーマをジャジーなピアノやメロトロンで発展させた#9。
#10~#12はクラシカルなテイストの組曲。
ピアノの静かでクラシカルなパートから、オルガンがリードするELPタイプのロック・アンサンブルに移行する#10。
#10のメロディをヴァイオリンで継承しヴィバルディの四季のメロディを挿入しながら、ジャズ・ロック的なスリリングなアンサンブルでまとめた#11。フランジング効果を掛けたドラム・ソロやメロトロンの白玉をバックにした洒落たピアノのソロなどメンバーのセンスと技も聴き所です。
12弦アコギのアルペジオによる瑞々しいイントロから、アコギのカッティングとメロトロンに乗せたジェントルなボーカル・パートに移行し、やがてオーケストラを交えてシンフォニックに盛り上がる爽やかでポジティブなムードの#12。
ピアノ、ベースと一体になってのアンサンブルの中、ジャジーなギターが主役の#13。

3人という制約の中、オーケストラや勿論オーバーダブも加えてスケール感を創出。
生々しくスリリングなジャズ・ロック的アンサンブルとクラシカルな要素を自然に融合させたELPのミニチュア版的な音楽性に、イタリアらしいおおらかさやメランコリックな叙情性を加味した独自のプログレッシブ・ロックを展開しています。

Track List

1. Papillon: Overture
2. Primo Quadro "La Fuga"
3. Secondo Quadro "Il Mercato"
4. Terzo Quadro L'Incontro (Rimani Nella Mia Vita)
5. Quarto Quadro "L'Arresto"
6. Quinto Quadro "Il Verdetto"
7. Sesto Quadro "La Trasformazione"
8. Settimo Quadro "Corri Nel Mondo"
9. Divertimento
10. Patetica: Parte Prima
11. Parte Seconda
12. Parte Terza
13. Strutture

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