シンフォニック のレビュー

VIENNA / Overture

1988,JAPAN

Gacktのブレーンとして御殿を建てた事ですっかり有名な元GERARDの”茶々丸”こと藤村幸宏(G/Vo)、元AFREITUSの永井敏巳(B)、元NOVELAの西田竜一(Dr)、元OUTER LIMITSの塚本周成(Key)という日本プログレ界の最強メンバーが結成したバンドVIENNAの1988年1st。テクニカルな変拍子と厚いキーボード群、ギターのハードなエッジ、甘い歌声・歌メロが渾然一体となった素晴らしいプログレッシブ・ハード・ロックを展開。

Track List

1. Follow you
2. Seek a sign
3. The metamorphic time in paradise
4. Overture
5. Magic motion
6. Canone

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VIENNA / Step into Vienna

1988,JAPAN

1stから約半年後にリリースされた日本のプログレッシブ・ロック・バンドVIENNAの1988年2ndアルバムStep into Vienna。

ファンタジックなオープニング#1からドラマティックにメドレーで繋がる#2が又壮大なプロローグって感じで早くもこのアルバムがタダでは済まないことを予感。そして怒涛のプログレッシブ・ハード・ロック#3で確信に。スケール感、キャッチーな要素、スリルが前作よりも大幅に増量された超名盤。
変拍子・転調のスパイスが効いた様式美ハード・ロックの#4、ベースラインが印象的な変態プログレ・ソング#5、透明感溢れるシンフォニックな#6、各パートの超絶プレイが丹念に織り込まれ緊張感ビンビンのハード・ロック叙事詩を成す#7(特にベースがブイブイ来てます)。
文句の付けようが無い完璧なアルバム。

Track List

1. Step into the vivid garden
2. Gathering wave
3. Schvelle
4. Magic eyes
5. Caution!
6. Sleepless night
7. Fall in alone

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MAGDALENA / Magdalena

1989,JAPAN

日本のバロック風プログレ・バンドMAGDALENAの1989年作。

徳久恵美(Vo)のソプラノ・ボーカルと時に対位法を取り入れたクラシカルな旋律が絶妙のマッチング。ページェントの永井博子やテラ・ローザの赤尾和重もゲスト参加。
このギターの人は間違いなくランディ・ローズのファンだ。10分超の大作#5なんてアコギ/エレキのアンサブルからドラマティックなギター・ソロ、全体の雰囲気までOZZY OSBOURNEのDiary of a Madmanそっくりだもん。
シルバー・エレファントで見た時も白のレス・ポール・カスタム弾いてたし。バロック調からハード・ロック、昼ドラ風ムード歌謡までてんこ盛り。とにかく全曲良いです。

Track List

1. Leanhaun Shee
2. Anna Magdalena
3. Shadow
4. Walts
5. Omen
6. Lagrima

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YES / Union

1991,UK

ABWHと権利上の本家YESが合体し、8人YESとしてリリースされたアルバムUNION。

無垢で気まぐれなジョン・アンダーソン(Vo)の行動に、金の匂いを嗅ぎつけたレコード会社やプロモーター等ビジネス面が乗った結果、複数のプロデューサー、スタジオミュージシャン(中にはスティーヴ・ポーカロのような大御所も)が入り乱れ、タイトルのUNIONに反してバンド・メンバーの体温が伝わってこない散漫なアルバムに。
特に、ギターやキーボードの大部分をバンドメンバー以外の演奏に頼ったのがまずかった。
ジョン・アンダーソンの声が唯一らしさを発揮するだけで、サウンドの鍵の部分がこれではバンドっていう感じが乏しいのも仕方が無い。これはバンド・メンバーの不和に端を発したプロデューサー苦肉の策らしい。
しかし、個々の楽曲には光るものもあり、さすがと唸らせます。

スティーヴ・ハウ(G)のガチャガチャしたギター、カラフルなキーボード群、重層コーラスなど、YESらしいパーツをふんだんに盛り込んだポップな#1。
重厚なリズムにブルーズ・ロック風リフが乗る#2。勿論、ジョン・アンダーソンのモード旋律に沿った歌唱と各種オブリガートによりドロ臭さは皆無。流麗なギター・ソロはスティーヴ・ハウっぽく無いのでもしかしたらゲスト・プレイヤーか。
スティーヴ・ハウのアコギ・ソロ小品#3。
トレヴァー・ラビン(G)によるメカニカルかつスピーディなパッセージのリフがカッコ良い、ゴージャスなハード・プログレ・ポップの#4。
メランコリックで静かな前半部分、9拍子の緊張感あるサビが印象的な後半部分から成る#5。
レゲエ風グルーヴを取り入れたポップな#6。
オルガンやマンドリンによる変拍子リフがギターのミニマルなリフと絡む、緊張感とポピュラリティを兼ね備えた#7。
変拍子が心地良いズレを生む#8。
思索バラードの#9。
神秘的な#10。
トニー・レヴィン(B)のパーカッシブなベースがリードするリズムコンシャスな#11。
エキゾチックなビートを織り交ぜた#12や#14。

シリアスで変拍子を中心とした迷彩を施しながらも意外とポップなABWH陣営、ゴージャスでポップな本家YES陣営。
ともに楽曲はそれぞれの特長を発揮して面白いだけに、演奏にロック・バンドそしての温度が感じられないのが惜しい。

Track List

1. I Would Have Waited Forever
2. Shock To The System
3. Masquerade
4. Lift Me Up
5. Without Hope You Cannot Start The Day
6. Saving My Heart
7. Miracle Of Life
8. Silent Talking
9. The More We Live - Let Go
10. Angkor Wat
11. Dangerous
12. Holding On 13. Evensong
14. Take The Water To The Mountain

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MAGELLAN / Hour of Restoration

1992,USA

ハイテク・ギタリスト粗製濫造レーベル、シュラプネルの仕掛け人マイク・バーニーが贈るプログレ・レーベル マグナ・カルタの第一弾。アメリカのプログレ・バンドMAGELLANの1992年1stアルバムHour of Restoration。

めくるめく展開で14分超の#1からプログレ度全開。ボーカルの声質もいわゆるプログレ声。
ただドラムが打ち込みのためイマイチのめり込めないのも事実。生身の人間の演奏がぶつかり合うロックなパッション感が希薄。しかし、#1や#3など、メロディアスでドラマティックなので結構好きです。

Track List

1. Magna Carta
2. The Winner
3. Friends of America
4. Union Jack
5. Another Burning
6. Just One Bridge
7. Breaking These Circles
8. Turning Point

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ANGLAGARD / Hybris

1992,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドANGLAGARDの1992年1stアルバムHybris。

KING CRIMSON初期の叙情と中期のメタリックな質感をベースに、北欧独特の寂寥感と屈折した仄暗い情念をまぶした暗黒叙情シンフォニック・プログレ。
Mattias Olsson(Dr)が叩き出すドライヴ感抜群のドラミングにリードされた緊張感あるアンサンブルは、巧みに変拍子を織り交ぜつつも、それを感じさせないソリッドでタイトな暗黒グルーヴを醸成。と同時に、Anna Dolmgren嬢(Fl)の息遣いも生々しいフルートや静寂パートでのギターやオルガンのちょっとしたトーン・コントロール加減も見事で、メロトロンの洪水パートとのダイナミックな対比が楽曲のドラマ性を高めてます。

押しと引きのバランスに優れたソング・ライティング、他に類を見ない独特のムードを確立した各パートのプレイも老獪。LANDBERKと並び同郷のANEKDOTENPAATOSに絶大な影響を与えたであろう、鬱系スウェディッシュ・ネオ・プログレのバイブル的アルバムです。

Track List

1.Jordrok
2.Vardrirgar I Vilserhet
3.I Frar Klarhet Till Klarhet
4.Burg Bore

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MAGELLAN / Impending Ascension

1993,USA

MAGELLANの1993年2ndアルバムImpending Ascension。
よりシンフォ度が増した。色んなところに「オッ」と思わせるアンサンブルやメロディが散りばめられている。

Track List

1. Estadium Nacional
2. Waterfront Weirdos
3. Songsmith
4. Virtual Reality
5. No Time for Words
6. Storms and Mutiny
7. Under the Wire

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IQ / Ever

1993,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドIQの1993年5thアルバムEver。

一旦脱退したピーター・ニコルス(Vo)が復帰、ベースにジョン・ジョウィト(B)が加入。

ドラムのロールで幕を開け変拍子を交えた緊張感あるプログレッシブなインストゥルメンタル・パートから、爽やかに疾走するボーカル・パートに移行する#1。中間部のインスト・パートも変拍子やポリリズムを導入したアンサンブルで、耳に引っかかりを残す仕掛けが巧み。
キラキラしたシンセのアルペジオとフレットレス・ベースのまろやかな響きに優しいボーカルが乗るバラード調の前半、ダークなインストゥルメンタル・パートの後半という2部構成の#2。
得意の7拍子でタイトに迫るリフを序盤と終盤に配し、キャッチーなボーカル・パートをサンドした#3。
#2とは微妙にレイヤー音色を変えたキラキラ・シンセのアルペジオにパッド系シンセ、フレットレス・ベース、ピーター・ニコルスの切ないボーカルでしっとりとしたムードを醸成する序盤、バンドインしてからのヘヴィなパートを交えてのロックな展開と、起伏で14分超を描いた#4。マーティン・オフォード(Key)のシンセがリードする、GENESISばりのドラマティックなインストゥルメンタル・パートがアルバム随一のハイライトとなっています。
印象的なピアノ+シンセによるメイン・リフ、12弦ギターのアルペジオをパッド系シンセが包み込むむバラード#5。中間部~終盤ではまたもやGENESISをルーツとする7拍子プログレ・パートが登場。ハケット風なライトハンドを聴かせるギターや、単音フレーズを奏でる矩形波っぽいシンセのレトロな響きもナイス。
#5のムードを引継ぎメドレーでエンディング曲#6へ繋がる展開も、4人編成時のGENESISがアルバム終盤でやっていた手法で微笑ましいですね。
偉大な先人に対してのオマージュということでしょうか。

ボーカル・パートはキャッチーに変拍子もさりげなく、楽曲個々の展開やインスト・パートでは思わずニヤッとさせる大小のプログレッシブな技を仕込み、程良い緊張感とともに瑞々しく爽やかなシンフォニック・ロックにまとめあげたアルバムです。

Track List

1. The Darkest Hour
2. Fading Senses:
i) After All
ii) Fading Senses
3. Out Of Nowhere
4. Further Away
5. Leap Of Faith
6. Came Down

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ROINE STOLT / The Flower King

1994,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドKAIPAの元ギタリスト ロイネ・ストルト(G/Vo/B/Key)のソロ1994年作The Flower King。

メロディアス、変拍子、シンフォニック、ドラマティック、エキゾチック、時折ロカビリーという後のFLOWER KINGSにも共通する要素がてんこ盛り。特に、緊張感ある展開の中ふと見せるキャッチーなフックが感動的な#2なんてもう反則ですね。他にも、ギターとサックスのユニゾンによるテーマ・メロディがアダルトかつ哀愁の#5、歪んだオルガンによるクラシカルなメロディの3連フレーズがリードするプログレ・ハードなインスト#6、あたりが好きですね。
アルバムの目玉は6パートからなる20分超の#7。#5に通じるアダルトな序盤からロカビリー、叙情、フォークロア等、各パートが個性を放ちつつも壮大な一つのテーマの元に収斂していく壮大な組曲です。

Track List

1. The Flower King
2. Dissonata
3. The Magic Circus Of Zeb
4. Close Your Eyes
5. The Pilgrims Inn
6. The Sounds Of Violence
7. Humanizzimo: Twilight Flower/The Messenger/The Nail/Only Human/This Is The Night/The Flower Of Love
8. Scanning The Greenhouse

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TERU’S SYMPHONIA / Egg the Universe

1994,JAPAN

1994年作。MAGDALENAでは無理やり高音をファルセットで歌っていたのがウソのような自然で優しい徳久恵美(Vo)の歌声が楽しめます。ちょっと恥ずかしい感じのポップな#3が好き。ボーカル・メロディをなぞったギター・ソロや印象的なベースライン、クリーンなギターのアルペジオ、シンセのアレンジなど全てが完璧なプログレッシブ・ポップ。プログレ然とした大仰なイントロと軽快なヴァースの#4も最高。全編に漂うどこかダークな雰囲気も良い。

Track List

1. Metancholic Garden
2. Drawer of night
3. You
4. Tears for a Harmit
5. Mildah
6. Egg the Universe

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FLOWER KINGS / Back in the World of Adventures

1995,SWEDEN

KAIPAのロイネ・ストルト(G)のソロ・プロジェクトから発展したスウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドFLOWER KINGSの1995年1stアルバムBack in the World of Adventures。

全10曲でインスト曲が半分。ヴォーカル曲では#1や#8のように非常にキャッチーなメロディを主軸にしながらも、場面に応じたキーボードの音色チョイスやグルーヴ感、練りこまれ、時に緊張感あるアレンジ等で注意を逸らさせないインストパートがドラマティック度アップに貢献、楽曲に深みを持たせている。
勿論インスト曲でも魅力は健在。というかむしろ色々とイマジネーションをかきたてられます。
#6に代表される、ちょっと切ない半面希望に満ちたメロディが彼らの最大の魅力。何度でも聴きたくなるシンフォニックな音のシャワー。

Track List

1. World of Adventures
2. Atomic Prince/Kaleidoscope
3. Go West Judas
4. Train to Nowhere
5. Oblivion Road
6. Theme for a Hero
7. Temple of the Snakes
8. My Cosmic Lover
9. Wonder Wheel
10. Big Puzzle

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WHITE WILLOW / Ignis Fatuus

1995,NORWAY

ノルウェーのプログレッシブ・フォーク・バンドWHITE WILLOWの1stアルバムIgnis Fatuus。
アコギやフルートによる静かなバッキングに清楚な女性ボーカルが乗り、シンセやメロトロンが幽玄な装飾を施すダークなフォークを展開しています。

冒頭の物悲しいアコギのアルペジオとハープシコードで心を鷲づかみ。続く美声ソプラノ女性ボーカルの登場で一気に引き込まれる#1。
美声ボーカルをフィーチュア、終盤のイリアン・パイプやシタールがエキゾチックなテイストの#2。
リコーダーを中心に北欧トラッド風メロディを展開する#3。
フルートとヴァイオリン、素朴な男性ボーカルの#4。
中間部のインスト・パートに土着フォークロア部を挿入したメロトロン白玉が儚げな#5。
アコギ、コントラバス、リコーダー、ハープシコードなど、場面ごとに推移する多彩な楽器による演奏に女性のソプラノ・スキャットが。フルートが絡む部分では初期KING CRIMSONのような神秘性も感じさせる#6。
ハープシコードの厳かな調べに可憐なボーカルが映える#7。後半のアコギのカッティングとシンセ・ソロの場面では明るいムードも。
アコギのアルペジオとメロトロンのフルートに美しいスキャットが乗る小品#8。
モーダルなボーカル・メロディが神秘的な中にもコンテンポラリーなムードを醸し出す#9。
不条理なコード進行とメジャー/マイナーの調性があいまいなメロディがフックとなった前半、若干ヘヴィなパートを経てスペイシーなシンセ・ソロに展開する後半からなる11分超の#10。
女性ボーカルが中音域で歌う暗鬱フォーク#11。
ディストーション・ギターが登場する中間部などで暗黒ゴシック路線を垣間見せる#12。

おそらく土着フォークに根ざしたものであろう独特の暗いメロディによるボーカル・パートに、メロトロンをバックにしたシンセのソロなど幻想的な展開を見せるインスト・パートが絡みユニークな世界を醸成。適度に各楽器が聴こえる、必要以上に分厚くなることの無いアレンジも良い感じです。
#4,#5,#12などでの男性ボーカルは意図があってのものだろうが、はっきり言って素人レベル。女性ボーカルで統一した方が良いと思うぞ。

Track List

1. Snowfall
2. Lord of Night
3. Song
4. Ingenting
5. The Withering of the Boughs
6. Lines on an Autumnal Evening
7. Now in These Fairy Lands
8. Piletreet
9. Till He Arrives
10. Cryptomenysis
11. Signs
12. John Dee's Lament

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FLOWER KINGS / Retropolis

1996,SWEDEN

FLOWER KINGSの2ndアルバムRetropolis。

テーマ曲である#2冒頭の古臭いメロトロンの調べから、もう雰囲気抜群。インストパートにおいて展開されるいくつかの印象的なメロディ・ラインが各曲に所々顔を出し、このアルバムがコンセプト・アルバムであることを印象付けています。あるときはエキゾチックに、又あるときはコンテンポラリーな響きで。いつのまにか時間も場所も超越した架空の都市=RETROPOLISを旅しているような気分にさせてくれます。賑やかな雑踏に迷い込んだり、発展を象徴する巨大な建造物におののいたり、といった風にどんどん想像力を掻き立ててくれるアルバムです。
シンセによるテーマの上昇フレーズが高揚感を煽るシンフォニックな#3。
サックスの哀愁フレーズがエキゾチックなムードを醸しだす#6。
ボーカルのリバーブ処理にロカビリーなムードを漂わせつつ、シンセのカウンター・フレーズがシンフォニックなフックとして印象的な#7。等々、ロイネ・ストルト(G)の味のある歌唱、ネバリあるギターのトーン、クリケット奏法などやワウを絡めたメロディアスなプレイが、ドラマティックに場面転換する楽曲群にオーガニックな息吹を与えています。
キーボードでサポートするトマス・ボ-ディン(Key)の音色選択のセンスも見事で、バリエーション豊かでいながらアルバムとして統一された色彩にまとめあげています。

Track List

1. Rhythm of Life
2. Retropolis
3. Rhythm of the Sea
4. There Is More to This World
5. Romancing the City
6. Melting Pot
7. Silent Sorrow
8. Judas Kiss
9. Retroplis by Night
10. Flora Majora
11. Road Back Home

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QUIDAM / Quidam

1996,POLAND

女性ボーカルをフィーチャーしたポーランドのシンフォ・バンドQUIDAMの1996年1stアルバム。

メジャー・セブンスを多用し、メロディアスでロマンティックなシンフォをやってます。コケティッシュで透明感溢れる声質のEmila Derkowska(Vo)嬢が歌うポーランド語の独特な響きが辺境らしいエキゾチックさを醸し出す一方で、バックのサウンドはあくまでも雄大で気品に満ちており、そのギャップというか絶妙なバランス感覚が素敵です。ビッシリと、それでいて優雅に敷き詰められたストリングス系シンセと、フルートやチェロなど生楽器のブレンドによるアンサンブルも見事。シンフォニックな音のシャワーに溶け込んだ美声にウットリします。

Track List

1. Sanktuarium
2. Chocbym...
3. Bajkowy
4. Gleboka Rzeka
5. Nocne Widziadla
6. Niespetnienie
7. Warkocze
8. Bijace Serca
9. Ptone

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WITHIN TEMPTATION / Enter

1997,NETHERLANDS

オランダのゴシック・メタル・バンドWITHIN TEMPTATIONの1997年1st。

シャロン・デン・アデル(Vo)の清楚で美しいソプラノ・ヴォイスを中心に据え、耽美なピアノ、荘厳なリフを刻むギター、大仰なシンセ・ストリングスによって展開される様式そのままの典型的なゴシック・メタル。曲によってはシャロンの私生活でのパートナーでもあるロバート・ウェスターホルト(G/Vo)のグロウル・ヴォイスとの醜美の対比も。ボーカルのメロディにメジャーになってからのようなキャッチーさは無いし、オーケストレーションもまだシンフォニック度は低いが、それがかえって不器用ながらも耽美かつ清楚な雰囲気を醸し出す結果となっており、ゴシック・メタルとしての完成度は高いです。先にデビューしていた先輩格のノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYからの影響を感じさせながらも、マタイン・ウェスターホルト(Key)のキーボード・ワークが加えた彩りで単なるフォロワーに止まらない個性を打ち出す姿勢も感じられます。表現力はまだまだだが、シャロン嬢の美声の透明感はこの1stが一番かもしれません。

Track List

1. Restless
2. Enter
3. Pearls of Light
4. Deep Within
5. Gatekeeper
6. Grace
7. Blooded
8. Candles

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FLOWER KINGS / Stardust We Are

1997,SWEDEN

FLOWER KINGSの1997年3rdアルバムStardust We Areは初の2枚組。

オルガンのリフやサビの歌メロがカッコ良い、ドライブ感抜群のシャッフル・ナンバー#1からアクセル全開。高揚感あふれるギターのメロディや少々屈折した不条理アンサンブルのパートなど、のっけから彼らの魅力が満載された10分38秒で早くも鳥肌。
その他、POPな高速5拍子がカッコ良い#12、ゆったりとした3連に乗ったポジティブなメロディのボーカル・ナンバー#16あたりが好きですね。
勿論ラストの3部構成25分に及ぶタイトル曲も必聴。祈るようなボーカルが切ないパート1、ミステリアスな雰囲気のパート2、サビメロが大団円を感じさせる感動のパート3という一大叙事詩となっています。

正直、アルバム通して聴くと散漫な印象もありますが、一曲一曲が各々別のドラマを持っていて飽きが来ないですね。
とにかく、メロディ・リズム・ハーモニーという音楽の三要素全てにおいて、技巧と親しみやすさが高次元で融合した極上の楽曲群に圧倒されます。1度ハマると抜けられませんね。

Track List

DISC 1
1. In the Eyes of the World
2. Room With a View
3. Just This Once
4. Church of Your Heart
5. Poor Mr. Rain; S Ordinary Guitar
6. Man Who Walked With Kings
7. Circus Brimstone
8. Crying Clown
9. Compassion

DISC 2
10. Pipes of Peace
11. End of Innocence
12. Merry-Go-Round
13. Don of the Universe
14. Day at the Mall
15. Different People
16. Kingdom of Lies
17. If 28
18. Ghost of the Red Cloud
19. Hotel Nirvana
20. Stardust We Are

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RENAISSANCE / At the Royal Albert Hall Part1

1997,UK

英国プログレッシブ・ロックの華RENAISSANCEの、1997年に突如リリースされたKING BISCUIT FLOWER HOURのライブAt the Royal Albert Hall。

1977年10月14日にイギリスはロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで収録。
アニー・ハズラム(Vo)がジャケットのPART1の後にしばらく置いてからマイケル・ダンフォード(G)のPART2がリリースされ、やきもきさせました。
曲目はLive at Carnegie Hallのそれとダブる代表曲に加え、当時の最新アルバムNovellaからの3曲が聴ける貴重盤。KING BISCUIT FLOWER HOURというラジオ番組の放送用音源ということで録音は概ね良好。
時折ハウったり、裏でノイズが鳴りっぱなしの部分もありますが、そんなマイナス要因を払いのける程ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラの演奏が活き活きしてます。
そのオーケストラのがんばりもあって、PART1 #4やPART2 #4などスタジオ盤では神秘的な美しさを感じさせた楽曲が、ライブにおいてはオペラティックなまでに荘厳な迫力を伴って演奏される様は圧巻です。
収録曲、ダイナミックレンジの観点からRENAISSANCEのライブ・アルバムを選ぶとすれば断然このAt the Royal Albert Hall。特にSong of Scheherazadeの躍動感はLive at Carnegie Hallよりも数倍良いですよ。

PART2のラストには70年代末のスタジオ未発表曲Youもオマケで収録。
時代を反映したPOPな要素とプログレッシブなテイストが巧く融合しきらないもどかしさはあるものの、ドラマティックな要素もあるなかなかの佳曲。

Track List

1. Prologue
2. Can You Understand
3. Carpet of the Sun
4. Can You Hear Me
5. Song of Scheherazade

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RENAISSANCE / At the Royal Albert Hall Part2

1997,UK

RENAISSANCEのKING BISCUIT FLOWER HOURのライブAt the Royal Albert Hall Part2。

Track List

1. Running Hard
2. Midas Man
3. Mother Russia
4. Touching Once(is So Hard to Keep)
5. Ashes are Burning
6. Prologue
7. You

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RENAISSANCE / Ocean Gypsy

1997,UK

マイケル・ダンフォード(G)がMICHAEL DUNFORD’S RENAISSANCE名義でステファニー・アドリントン(Vo)に往年の名曲を歌わせた1997年作。

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MORTE MACABRE / Symphonic Holocaust

1998,SWEDEN

ANEKDOTENのニクラス・バーカー(G)、ピーター・ノルディンズ(Dr)とLANDBERK/PAATOSのレイネ・フィスケ(G)、ステファン・ディムレ(B)によるホラー映画のサントラ曲をカヴァーしたプロジェクトMORTE MACABREの1998年作Symphonic Holocaust。

全員にメロトロンがクレジットされている通り、幽玄なメロトロンがアルバム通じて大活躍。暗鬱で寂寥感に満ちたサウンドを醸成しております。
暗黒ヘヴィ・グルーヴとメロトロンが織り成す悲しくも激しい#1。
メロトロンの不安定なサウンドが不穏な空気を高める#3。
YASSICA LINDKVISTなる女性シンガーのラララ・・・というスキャットが寂寥感満点な#4。
LANDBERKやPAATOSの1stでの枯れた味わいのギターを彷彿させるGOBLINのカヴァー#5。
美しいメロディーがメロトロンによって穏やかに奏でられる#6。
メンバーの趣味なのか?何故かポルノ映画からのカヴァーとなったマイルドなメロディーが美しい#7。
これらカヴァーに負けず劣らず暗鬱かつ、出身バンドのヘヴィネスを注入した17分超の渾身のオリジナル・ナンバー#8。

絞り込んだテーマとメロトロン等によるサウンドの統一感で、アルバム自体が何かの映画のサントラであるかの印象を受けます。

Track List

1. Apoteosi del Mistero
2. Threats of Stark Reality
3. Sequenza Ritmica E Tema
4. Lullaby
5. Quiet Drops
6. Opening Theme
7. Photosession
8. Symphonic Holocaust

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