シンフォニック のレビュー

YES / Tales From Topographic Oceans

1973,UK

ドラムがビル・ブラッフォードからアラン・ホワイトにチェンジしてのYESの1973年6thアルバムTales From Topographic Oceans。

ジョン・アンダーソン(Vo)の呪文のようなボーカルから始まり、寄せては引き引いては返す波のように緩急が程よく繰り返されるシンフォニックな#1。雄大な場面をメロトロン、鋭いオブリガードをピアノ、ソロではモーグ、とリック・ウェイクマン(Key)が場面に応じてカラフルにプレイし長尺の緊張感を保ってます。
桃源郷のような緩いムードが大半を支配する中、7拍子に乗ったアグレッシヴ・パートのテンションが心地良い#2。
小刻みなパーカッションをバックにしたアバンギャルドなスライド・ギター、スパニッシュ風なアコギのプレイ等スティーヴ・ハウ(G)がテクニックとアイディアを見せ付けた#3。
スティーヴ・ハウのシタールやアラン・ホワイトの叩き出すプリミティブな感じのビートがエスニックなムードを醸し出す#4。

アナログ時代はLP2枚各面毎に20分クラスの1曲を収録した合計4曲という超大作です。壮大なYES流シンフォニーに浸れます。

Track List

1. The Revealing Science Of God
/Dance Of The Dawn
2. The Remembering
/High The Memory
3. The Ancient
/Giants Under The Sun
4. Ritual
/Nous Sommes Du Soleil

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OSANNA / Palepoli

1973,ITALY

イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドOSANNAの3rdアルバムPalepoli。

バンドの出身地ナポリ近辺に実在した古代都市パレポリスをテーマとしたコンセプト・アルバム。
古代の息吹を感じさせる妖しいフルートのメロディをとっかかりにリスナーを幻想の世界に引きずり込むと、以降は様々なテーマ・メロディを提示しながら次々に展開し清廉と暴虐、静寂と喧噪が描かれていく。
主にギターがハード・ロック的な荒々しさで激しさを演出し、そこにサックスが絡んで猥雑さをも表現。
一方、メロトロンが神々しく降り注ぐ場面では、芸術的な美しさと制御された構築性も垣間見せる。
ボーカルは変幻自在。バンドが醸成するムードに合わせて叙情的にも扇情的にも変化し、楽曲に魂を吹き込んでいく。

プログレが本国英国を中心に商業的にメインストリーム化するとともに、音楽性的には洗練・重厚長大化していく中にあって、異なるベクトルで独自の世界を切り開いたイタリア勢の白眉といえるアルバム。

Track List

1. Oro Caldo
2. Stanza Citta
3. Animale Senza Respiro

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MUSEO ROSENBACH / Zarathustra

1973,ITALY

イタリアの5人組プログレッシブ・ロック・バンドMUSEO ROSENBACHの1973年唯一作Zarathustra。

ステファノ・ガリフィ(Vo)のパワフルで説得力あるボーカルを活かした歌唱パートは、叙情味を漂わせてメロディアスに。ヘヴィなギターと時にダーティなオルガンが中心となるインストゥルメンタル・パートは、ハード・ロック的なダイナミクスと若干不条理な混沌がもたらすヘヴィネス。というように両極端なテイストを縦横無尽に張り巡らせた楽曲展開が魅力。
#1~#5の組曲Zarathustraにそんな彼らの旨味が凝縮されています。時にしっとりと、又時にはブルド-ザーのようにパワフルに迫り来るメロトロンも、サウンドの起伏に多大に貢献しております。
続く単独の残り3曲もそれぞれドラマティックな要素を内包。
冷えびえとした質感のメロトロンによる白玉が不安感を増幅する冒頭から、躍動感あるハード・ロックなインストゥルメンタル・パートを経てパワフルな歌唱パートに展開する#6。
細かくビートを刻むドラムをバックに音色を微妙に変化させたオルガンのリフがヘヴィにリード、歌唱パートでは短いながらもドラマティックなメロディを聴かせる#7。クールに抑えたインスト・パートを経た激しいスキャットの部分ではメロトロンも参戦しサウンドに厚みを加えています。
ギターとオルガンによる精緻にアレンジされた不条理リフや、歌唱パートにおける疾走するユニゾン・リフがカッコ良いプログレッシブ・ハード・ロックな#8。センチメンタルな叙情も加えながら、あくまで熱い歌唱とラストのメロトロン大洪水も良い感じです。

Track List

1. Zarathustra: l'Ultimo Uomo
2. Zarathustra: Il Re de Ieri
3. Zarathustra: Al Di La'del Bene E del Male
4. Zarathustra: Superuomo
5. Zarathustra: Il Tempio Delle Clessidre
6. Degli Uomini
7. Della Natura
8. Dell'eterno Ritorno

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KING CRIMSON / Larks’ Tongues in Aspic

1973,UK

KING CRIMSONの1973年5thアルバム Larks’ Tongues in Aspic。

一旦バンドを解散したロバート・フリップ(G)が新生CRIMSON立ち上げにあたり選出したメンバーは、ジョン・ウェットン(B/Vo)、ビル・ブラッフォード(Dr)という既に名の通った実力者に加え、前衛パーカッショニストのジェイミー・ミューア(Per)、デイヴィッド・クロス(Vln)というメンツ。
スタジオでの実験的サウンド・メイキングよりも、ライヴにおける丁々発止のインプロビゼーションを重視したようです。

このスタンスを形にしたのがヘヴィでメタリックな#1。ジェイミー・ミューアのパーカッションに挑発されたメンバーが、即興で次々にプレイを叩き付け合う様が緊張感に溢れております。セッション中、他メンバーの熱いプレイを聴きながら、手応えを感じたロバート・フリップはおそらくニヤッとほくそ笑んでいたのではないでしょうか。
初期CRIMSONの叙情とは違ったコンテンポラリーな感触のメロウなナンバー#2。
デヴィッド・クロスのヴァイオリンが端整な叙情を湛える#3。
この#2,#3そして続く#4は、ジョン・ウェットンの友人で元SUPERTRAMPのリチャード・パーマー=ジェイムズが詩を書いているようです。
泥水のイントロをはじめとするジェイミー・ミューアの様々なアイディアとキャッチーなサビが融合した#4。
理性的なベース・リフに乗って、ヴァイオリンとギターによる不安感を煽るようなフレーズが絡み合い、徐々に盛り上がっていく#5。ジェイミー・ミューアによるハエの飛んでいるような音が鬱陶しさを倍増させております。
5拍子のヘヴィ・メタリックなギター・リフとヴァイオリンの端整なテーマ・メロディが対比して、美しくもダークでメタリックでありながらもオーガニックなうねりを醸成する#6。

後にツアー中に失踪してしまうジェイミー・ミューアのエキセントリックなテンションが、ロバート・フリップの目指すメタリックなサウンドに多大に貢献した中期の代表作です。

Track List

1. Larks' Tongues in Aspic, Pt. 1
2. Book of Saturday
3. Exiles
4. Easy Money
5. Talking Drum
6. Larks' Tongues in Aspic, Pt. 2

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GENESIS / Selling England by the Pound

1973,UK

GENESISの1973年6thアルバムSelling England by the Pound。

前作までの寓話的ファンタジー色は薄れ、よりシンフォニック&テクニカル路線に転換。それを顕著に表すのがトニー・バンクス(Key)による鍵盤パートの充実。
スティーブ・ハケット(G)のファズ・ギターも影を潜め、#7前半のセンシティブなアルペジオや#3で聴かれるマイルドなトーンのソロに象徴されるように清廉な叙情性を増量。
その結果、適度にテクニカル&スリリングでメロディック&ドラマティックな傑作となった。長尺曲とボーカル主体のコンパクトな楽曲を交互に織り交ぜた展開で各々の曲調をより際立たせているアルバムの構成も見事。

アルバムのハイライトは#7の6分過ぎからの7拍子プログレッシブ・ワールド。トニー・バンクスがシンセ中心にメロトロンをジワジワ絡めたり、印象的なリフレインを連発させたりと大活躍。この余韻を引き摺りつつ#1のメロディをリプライズさせてアルバムを締めくくる#8が効いてます。

Track List

1. Dancing with the Moonlit Knight
2. I Know What I Like (In Your Wardrobe)
3. Firth of Fifth
4. More Fool Me
5. Battle of Epping Forest
6. After the Ordeal
7. Cinema Show
8. Aisle of Plenty

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RENAISSANCE / Ashes are Burning

1973,UK

RENAISSANCEの1973年4thアルバムAshes are Burning。

前作でギターを弾いていたロブ・ヘンドリーに代わりマイケル・ダンフォード(G)がアコギをプレイ。ゲスト扱いとはいえこれで黄金メンバーが揃い、新生RENAISSANCEの真の第一歩ともいえるアルバムに仕上がりました。

#1のオープニングからしてドラマティックにスケール・アップしたのが一目瞭然。そしてアコギにアニー・ハズラム(Vo)の美声、トラッド・フォークを思わせるエキゾチックな要素とオーケストラの導入。第2期RENAISSANCEの黄金パターンが既に完成しています。
一転して落ち着いたボーカル・ナンバー#2、ジム・マッカーティ作の起伏を持たせたフォーク#3、程良いオーケストラの装飾とジョン・タウト(Key)のハープシコードが気品を湛えた、アニーがお気に入りのキャッチーな#4、叙情的な#5でもアニーの美声が味わえます。
11分を超えるラストの#6はライブでも定番なフォーク&クラシカル&ドラマティックな名曲。アニー不在のインスト・パートもジョン・タウトがオルガン、ピアノと大活躍で聴き応えたっぷり。エンディングのギター・ソロはWISHBONE ASHのアンディ・パウエルが彼らのアルバムArgusでジョン・タウトが参加した返礼としてゲストでプレイしています。

Track List

1. Can You Understand
2. Let It Grow
3. On the Frontier
4. Carpet of the Sun
5. At the Harbour
6. Ashes Are Burning

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LATTE E MIELE / Papillon

1973,ITALY

イタリアの3人組プログレッシブ・ロック・バンドLATTE E MIELEの2ndアルバムPapillon。

オルガンの緊張感あるリフがELPのTurkusを彷彿させるオープンニング#1から#8までがアルバム・タイトルになっているPapillon組曲。題材は映画でもお馴染みの脱獄劇『パピヨン』。

管のアンサンブルで提示されるテーマ・メロディを叙情的なアコギのイントロとボーカルが引き継ぎ、やがてクラッシクやジャズのテイストを織り込んだインスト・パートに展開していく#2。
オルガンを中心にピアノやメロトロンを加え躍動感あるインスト・パートを繰り広げる#3。ティンパニや混声合唱団がシンフォニックな彩を加えています。
ピアノの伴奏にオーボエやメロトロン、シンセが絡む叙情的な序盤から、ドラマティックに盛り上がるメロディアスな#4。まろやかなボーカル・メロディにイタリア語の響きが良くマッチしています。
休符を巧みに場面転換とし、メロトロンの刻みやヴァイオリンの乱舞が目まぐるしく展開する#5。
ピアノをバックに沈痛な表情を見せる#6。
ギターのヘヴィなリフ、管とメロトロンによる壮大なファンファーレ、パーカッシブなオルガンがリードするマーチのようなパート、とシンフォニックに展開する#7。
メジャーに変換されたメイン・メロディを提示し、ハッピ-エンドを印象付ける#8。
#4,#5,#7あたりの映像的なタッチはまるで映画のサウンド・トラックのようです。
クラシカルなテーマをジャジーなピアノやメロトロンで発展させた#9。
#10~#12はクラシカルなテイストの組曲。
ピアノの静かでクラシカルなパートから、オルガンがリードするELPタイプのロック・アンサンブルに移行する#10。
#10のメロディをヴァイオリンで継承しヴィバルディの四季のメロディを挿入しながら、ジャズ・ロック的なスリリングなアンサンブルでまとめた#11。フランジング効果を掛けたドラム・ソロやメロトロンの白玉をバックにした洒落たピアノのソロなどメンバーのセンスと技も聴き所です。
12弦アコギのアルペジオによる瑞々しいイントロから、アコギのカッティングとメロトロンに乗せたジェントルなボーカル・パートに移行し、やがてオーケストラを交えてシンフォニックに盛り上がる爽やかでポジティブなムードの#12。
ピアノ、ベースと一体になってのアンサンブルの中、ジャジーなギターが主役の#13。

3人という制約の中、オーケストラや勿論オーバーダブも加えてスケール感を創出。
生々しくスリリングなジャズ・ロック的アンサンブルとクラシカルな要素を自然に融合させたELPのミニチュア版的な音楽性に、イタリアらしいおおらかさやメランコリックな叙情性を加味した独自のプログレッシブ・ロックを展開しています。

Track List

1. Papillon: Overture
2. Primo Quadro "La Fuga"
3. Secondo Quadro "Il Mercato"
4. Terzo Quadro L'Incontro (Rimani Nella Mia Vita)
5. Quarto Quadro "L'Arresto"
6. Quinto Quadro "Il Verdetto"
7. Sesto Quadro "La Trasformazione"
8. Settimo Quadro "Corri Nel Mondo"
9. Divertimento
10. Patetica: Parte Prima
11. Parte Seconda
12. Parte Terza
13. Strutture

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RICK WAKEMAN / The Six Wives of Henry VIII

1973,UK

YES在籍時に発表したリック・ウェイクマン(Key)の1973年1stソロ・アルバムThe Six Wives of Henry VIII。

16世紀英国チューダー朝のヘンリー8世が娶った6人の王妃を描いたコンセプト作。王室が舞台だけに、華麗なオルガンや厳かなチェンバロなどクラシカルなムードをメインにしつつ、6人各様の性格やエピソードを表現するべく#2のソロではブルーノートにモード、ラテンの名曲エル・クンバンチェロの一節を挿入したり、#3ではカントリー調のフレーズを聴かせたりと幅広い音楽的な素養も感じさせます。
それを可能にしたのは、自身の豊富なセッション経験は元より、ドラマティックな運命を辿った6人の王妃という刺激的な題材、プラス音色の異なる様々な機材(ピアノ、エレピ、ハープシコード、ムーグ、メロトロン等)から得られたインスピレーションではないでしょうか。

全曲インストゥルメンタルながら、メロディを奏でる楽器が雄弁に印象的なメロディで時に大仰に時にスリリングに迫って来ますので一気に聴けます。(総尺37分弱)バックを固めるメンツもYES、STRAWBS人脈の豪華さ。

Track List

1. Catherine of Aragon
2. Anne of Cleves
3. Catherine Howard
4. Jane Seymour
5. Anne Boleyn/The Day Thou Gavest Lord Hath Ended
6. Catherine Parr

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YES / Relayer

1974,UK

YESのスタジオ1974年7thアルバムRelayer。
1973年の前作「Tales From Topographic Oceans」を最後にリック・ウェイクマン(Key)が脱退、1974年の今作からスイス人のパトリック・モラーツ(Key)が加入。

22分にも及ぶ大作#1では、早速モラーツのカラフルなキーボード群によるジャズの素養を感じさせるクールなフレージングが聴き所となっています。8分過ぎからのインスト・パートでは分厚いシンセ・サウンドと独特の攻撃的なフレージングでスティーヴ・ハウ(G)を挑発、手に汗握る緊迫したバトルを展開しています。
ギターとベースによる速いパッセージのユニゾンがスリリングな#2。
ハイテンションな前2曲とは打って変わってゆったりした#3では、良く聴くと各々のパートが絶えず紡ぎだすフレーズが絶妙な融合を見せている事に気づきます。
YESに新鮮な風を送り込んだパトリック・モラーツでしたが、自身のソロ作の成功もあり、この1枚で脱退してしまいます。

Track List

1. The Gates of Delirium
2. Sound Chaser
3. To Be Over

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PREMIATA FORNERIA MARCONI / L’Isola di Niente

1974,ITALY

イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドPREMIATA FORNERIA MARCONIの4thアルバムL’Isola di Niente(邦題 甦る世界)。

混声合唱団の厳かなクワイヤをイントロに配し、フランコ・ムッシーダ(G)によるメタリックなエッジのギター・リフを前面に押し出してヘヴィに迫る#1。中間部では優しくのどかな情景をシンフォニックに挿入し、ヘヴィなパートとの対比で互いの印象を強くしています。
フォーク・タッチの静とマウロ・パガーニ(Vln/Fl)のフルートやフラヴィオ・プレモーリ(Key)のアコーディオンによるジャジーなソロ・パートの動による起伏を軸に展開する開放的なシンフォ#2。
シンセの印象的なリフレイン~フルート・ソロ~ギターとピアノの複雑なパッセージのユニゾンなど、明るいムードのキャッチーなシンフォニック・ロックに技巧を織り交ぜた#3。
アコギのアルペジオと繊細なボーカルを中心にした牧歌的なフォーク#4。まろやかな音色のシンセやメロトロン、フルートの優美なデコレーションが素敵です。
エレピやフルートのソロをフィーチュアしたクールなジャズ・ロックから、穏やかなシンフォニック・ロックに展開するインストゥルメンタル#5。

フロント3人を中心としたテクニカルなアンサンブルがもたらすカタルシスと、優しいメロディ志向が高度に共存。楽曲中及びアルバム通してのダイナミズムが見事な名盤です。

Track List

1. L'isola di niente
2. Is My Face On Straight
3. La Luna Nuova
4. Dolcissima Maria
5. Via Lumiere

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KING CRIMSON / Starless and Bible Black

1974,UK

KING CRIMSONのスタジオ6thアルバム Starless and Bible Black。

ドライブ感満点の疾走パートと変態リズムのボーカル・パートを併せ持つ#1。
ジョン・ウェットン(B)のジェントルな歌唱にメロトロンの叙情が重なる序盤、ジェイミー譲りのパーカッションを聴かせるビル・ブラッフォード(Dr)、ロバート・フリップのメタリックな質感のギターがせめぎ合う#2。
お互いに手の内を探り合うようなインプロビゼーションが途中でブツ切れとなる#3。
ライブ部分のイントロにスタジオ録音のパートが巧く溶け合い、この時期ならではのクールなヨーロピアン叙情を醸し出す#4。
デヴィッド・クロス(Vln)のヴァイオリン、ロバート・フリップのメロトロン、ジョン・ウェットンのベースによる、東洋的なムードを感じさせるメロディの典雅なインスト#5。
妖しくも美しいメロトロン、ファンキーな薫り漂うベース、美しいハーモニーのボーカルというバラバラな要素が混沌の中から徐々に絡み合い出し、ようやくイイ感じになってきたところで突然ブツ切れとなる#6。
リズム・セクションがリードする中、ノイジーなギターと不協和音を奏でるメロトロンにより暗黒風味に着地した#7。
ギターによるメカニカルかつミニマルなリフが執拗に反復されながら、やがてヘヴィに発展する#8。

前作のツアー中にジェイミー・ミューアが失踪し脱退、4人編成に。
完成度の高いスタジオ録音部分である#1と#2及び#4のボーカルイン以降を除いてライブ・レコーディングされた本作は、実験的なインプロビゼーションによるライブ・バンドとしてのミュージシャンシップの高さを見せ付ける衝撃的な内容。

Track List

1. The Great Deceiver
2. Lament
3. We'll Let You Know
4. The Night Watch
5. Trio
6. The Mincer
7. Starless And Bible Black
8. Fracture

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KING CRIMSON / Red

1974,UK

KING CRIMSONのスタジオ7thアルバム Red。

ジョン・ウェットン(B/Vo)中心に他のメンバーがどんどん音量を上げるステージで居場所を失ったデヴィッド・クロスが脱退、残った正式メンバー3人に加え、デヴィッド・クロスを含めイアン・マクドナルドやメル・コリンズなどかつてのメンバーのゲスト参加を仰ぎ制作された70年代KING CRIMSONのラスト・アルバム。

重金属を思わせるギターの上昇フレーズがうねるヘヴィなインスト#1。
ジョン・ウェットンのボーカルをフィーチュアした叙情チューン#2。ゲスト陣のサックスやオーボエが陰影を帯びて良い感じに仕上がってます。
#1のテイストをベースに、キャッチーとも言えるボーカル・パートやサックス・ソロをフィーチュアしたインスト・パートを織り交ぜた#3。
と、アナログA面のここまでをロバート・フリップ(G)はメタル・サイドと表現。

デヴィッド・クロスの軋んだヴァイオリンとサウンドスケープを中心に混沌としたインプロビゼーションを展開する#4。雰囲気モノに終始するギターやヴァイオリンと比べ、よりはっきりとしたフレーズでアンサンブルを牽引するジョン・ウェットンの存在感(と音量)が凄まじい。
そして70年代CRIMSONのラストを飾る#5。メロトロンの寂寥感、叙情的なボーカル・メロディ、哀愁のサックス、屈折した暗黒インスト・パート、暴虐のヘヴィネス・パートと様々なテイストを盛り込んだバンドの最後を飾るにふさわしい集大成的名曲です。

アルバムの発売直前にロバート・フリップが突如解散を宣言。
プログレッシブ・ロックの黎明期から常にシーンをリードしてきたバンドの歴史にひとまず終止符を打つ事に。

Track List

1. Red
2. Fallen Angel
3. One More Red Nightmare
4. Providence
5. Starless

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GENESIS / The Lamb Lies Down on Broadway

1974,UK

GENESISの7thアルバムThe Lamb Lies Down on Broadway。

前作で見せた各メンバーによる演奏技術の向上はフロントマン ピーター・ゲイブリエル(Vo)の焦りを招き、彼主導のコンセプト・アルバム制作のきっかけとなった。しかしその結果、ストーリーを描き切る事でさらにプレイ面の充実を証明することになってしまうのだから皮肉なものです。

物語はゲイブリエル作による奇妙な現代的ファンタジー。古典寓話の色合いが強かったこれまでとは違う題材への取組みが、クールな質感の音像となって表現されています。
クライマックスは印象的なオルガンのリフがフェードインしてくるDISC 1 #5と3部構成のDISC 2 #7。どちらもポルタメントが気持ち良いトニー・バンクスのシンセ・ソロでは前作でも見せた規則性ある反復フレージングに表情が加わり、さらに味わい深いものになっています。
又、DISC 1 #5終盤のバンド全体の息の合ったアッチェレランドが主人公の追い詰められた心象を表現しきっています。
トニー・バンクスの見せ場DISC 2 #10の弾きまくりもナイス。同じモチーフの明暗バージョンとしてDISC 1 #1とDISC 2 #9を鏡のように配するアルバム構成も素晴らしい。
勿論、DISC 1 #8,#10,#11、DISC 2 #3,#5のように叙情性も適度に配置されてます。

Track List

DISC 1
1. Lamb Lies Down on Broadway
2. Fly on a Windshield
3. Broadway Melody of 1974
4. Cuckoo Cocoon
5. In the Cage
6. Grand Parade of Lifeless Packaging
7. Back in N.Y.C.
8. Hairless Heart
9. Counting out Time
10. Carpet Crawlers
11. Chamber of 32 Doors

DISC 2
1. Lilywhite Lilith
2. Waiting Room
3. Anyway
4. Supernatural Anaesthetist
5. Lamia
6. Silent Sorrow in Empty Boats
7. Colony of Slippermen: The Arrival/A Visit to the Doktor/The Raven
8. Ravine
9. Light Dies Down on Broadway
10. Riding the Scree
11. In the Rapids
12. It

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RENAISSANCE / Turn of the Cards

1974,UK

英国プログレッシブ・ロックの華RENAISSANCEの1974年5thアルバムTurn of the Cards。

詩人ベティ・サッチャーとの黄金コンビで全曲を作曲したマイケル・ダンフォード(G)が正式メンバーとしてクレジットされ、ここに黄金期RENAISSANCEのメンバー構成が完成。音楽性もアコースティック楽器によるバンド演奏にオーケストラを導入したスケールの大きなシンフォニック・ロック、というスタイルが確立されました。

ジョン・タウト(Key)のクラシカルなピアノ・ソロをオープニングに配した本アルバム最長9分34秒の#1から早くもクライマックス。オリジナルRENAISSANCEの2ndアルバムIllusionに収録されたMr. Pineのエキゾチックなパートがシンフォニックな装いで挿入されるなど、オーケストラを活用し壮大なスケールに仕上がってます。
ハープシコードが隠し味的に効いたバラード風の#2ではアニー・ハズラム(Vo)のまろやかな美声が堪能できます。
ジャジーなテイストとミステリアスなムードの序盤、アニーのクリスタル・ヴォイスによるスキャットがフィーチャーされた中盤、そして美しいボーカル・ハーモニーでポジティブなメロディを紡ぐ終盤と全てバンドのみの演奏で9分の長尺を描き切った#3。
アコギのアルペジオによる静かなオープニングから、ハープシコードが厳かな美を湛えるサビでドラマティックに盛り上がる#4。
チャーチオルガンをバックにアニーが切々とアダージョのメロディを歌い上げる#5。
オーケストラを使用した美しく壮大な#6は、エキゾチックなメロディとアニーの渾身の歌唱が感動を呼ぶ9分超の大作。またもやアニーのクリスタル・ヴォイスによるスキャットが華を添えております。

大作と小品をバランス良く配したアルバム構成も素晴らしいです。

Track List

1. Running Hard
2. I Think of You
3. Things I Don't Understand
4. Black Flame
5. Cold Is Being
6. Mother Russia

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KAIPA / Kaipa

1975,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロックバンドKAIPAの1975年1stアルバムKaipa。

北欧らしいポジティブな美メロが透明感溢れるシンフォニックなサウンドでゆったりと心地良く奏でられます。歌詞はスウェーデン語で独特のイナタさが辺境ムードを増強。ハンス・ルンディン(Vo/Key)が歌うハイトーンが、自身の演奏するストリングス・アンサンブル(LOGANのSTRING MELODYか?)の澄んだ音色に溶け込み清涼感も抜群です。
勿論ロイネ・ストルトのギターも既に円熟の味わい。
#1でのボリューム奏法による繊細なタッチや後のFLOWER KINGSでも定番となる得意なエキゾチック・ナンバー#7でのネバリ等、良く歌うギターをプレイしてます。アルバム・ジャケットのイラストもロイネ先生です。素晴らしいです。尊敬します。

Track List

1. Musiken Ar Ljuset
2. Saker Har Tva Sidor
3. Ankaret
4. Skogspromenad
5. Allting Har Sin Borjan
6. Se Var Morgon Gry
7. Forlorad I Istanbul
8. Oceaner Foder Liv

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PREMIATA FORNERIA MARCONI / Chocolate Kings

1975,ITALY

イタリアン・プログレ・バンド PFM (PREMIATA FORNERIA MARCONI)の5thアルバム Chocolate Kings。

予てより懸案の専任シンガーの不在を英語で歌えるベルナルド・ランゼッティ(Vo)の加入で解消。バンドは6人編成に。また、バンド史上初の英語版のみリリースの作品となりました。

テクニカルなインスト・パートとおおらかでメロディアスな中に叙情を含んだボーカル・パートが巧く融合した#1。終盤のリフレインでは、譜割通り丁寧にプレイするフランコ・ムッシーダ(G)に、暴走気味のフランツ・ディ・チッチョ(Dr)、毎回タイミングが違う気まぐれなフラヴィオ・プレモリ(Key)のプレイが相俟ってライブのようなスリル感が味わえます。
アコギとエレピを中心にフルートやヴァイオリンが絡む、まどろむようなフォークの#2。アップテンポに移行する中間部では、躍動感溢れるアレンジでテクニカルなジャズ・ロック的アンサンブルを聴かせます。
三連アップテンポの陽気で楽しい#3。ヴァイオリンとギターによるユニゾンのキメがカッコ良い。
各パートがボーカルを縫うようにフレーズを絡み合わせて紡ぐ#4。楽曲のカラーを決定付ける、アイディアが豊富なアコギのプレイが印象的。
ヴァイオリンのテーマ・リフをはじめ、ギターのモーダルな音使いによるオブリガードなど、フック満載なボーカル・チューン#5。

ボーカルを強化しアメリカ市場を意識してキャッチーにカラっと明るく仕上げた結果、従来のイタリアンな叙情が後退。反面、これまで以上にテクニカルな器楽的要素を盛り込み、スリリングでカラフルなアンサンブルが充実しています。

Track List

1. FROM UNDER
2. HARLEQUIN
3. CHOCOLATE KINGS
4. OUT OF THE ROUNDABOUT
5. PAPER CHARMS

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ATOLL / L’araignee-Mal

1975,FRANCE

フランスのプログレッシブ・ロック・バンドATOLLの1975年2nd。邦題は「組曲夢魔」。ストリングス・アンサンブル系シンセの白玉リフが霧のように覆う中を、台詞のようなフランス語のボーカルが浮遊する耽美な#1。軋むヴァイオリンの不協和音と共にムードが次第に不穏なものに変化する中間部や、ギターやヴァイオリンによるアバンギャルドなソロがもたらす終盤に見られる混沌との対比で、美をさらに強調しているかのようです。ヴァイオリンが展開をリードする#2は、前半ではせわしなく小刻みなビートを繰り出すドラム&ベースをバックにシンセが、後半ではファンキーに変化したリズムをバックにギター、ヴァイオリン、シンセが次々にソロをキメるテクニカルでカッコ良いジャズ・ロック。ヴァイオリンの物悲しいフレーズと歌い上げるボーカルによる叙情パートと、プログレ的キメのアンサンブルを盛り込んだクールなインストゥルメンタル・パートが融合した#3。タイトル組曲#4は、パーカッションと不穏なヴァイオリンがKING CRIMSONのようなインプロビゼーションを繰り広げるフリーな導入部から、徐々に整合性ある叙情ボーカル・パートにシームレスに移行する展開が天才的。7拍子のエレピによるリフがやがてポルタメントの効いたシンセのリフにチェンジすると同時にボーカルのテンションもアップ、軽やかなリズム隊と一丸となってスペイシーに盛り上がります。さらに、その余韻にクロス・フェードしつつ、クラビネットの硬質なリフが取って代わり、妖しいムードのインプロビゼーションからシンセ・ソロを経て激しいボーカル・パートを含む#4 c)へ。ラストの#4 d)は、シンセ・ストリングスをバックにしての叙情ボーカル・パートとギターが甘いトーンのフレーズを奏でる静かなパートから徐々にヒートアップ。エレピやヴァイオリンも参戦しての混沌の絶頂で、突如キメのユニゾン・フレーズによりビシっと終わるカタルシス。テクニカルでスリリングなジャズ・ロック的側面のカッコ良さと、優雅で耽美なシンフォニック・パートの美しさが両方味わえます。

Track List

1. Le Photographe Exorciste
a ) La Lumiere De Soufre Vert
b ) Eclaire Enfin Les Visages
c ) Et D'etranges Phenomenes
d ) Se Revelent...
2. Cazotte No.1
3. Le Voleur D'Extase
a ) Ivre D'extase, Le Voleur
b ) Derobe L'herbe De Couleur
4. L'araignee-Mal
a ) Imaginez Le Temps
b ) L'araignee-Mal
c ) Les Robots Debiles
d ) Le Cimetiere De Plastique

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BARCLAY JAMES HARVEST / Time Honoured Ghosts

1975,UK

BARCLAY JAMES HARVESTの1975年8thアルバムTime Honoured Ghosts。

ツイン・ギターのハーモニーで幕を開け、中間部にメロトロン・クワイヤやオルガンを配してのゆったりしたパートを挿入した軽快な#1。
うっすらとしたオルガンに乗ったサビ・メロが堪らないフォーク・タッチのバラード#2。
BEATLESの曲名を繋いだ歌詞で構成された#3。
と、序盤はフック満載の叙情ポップ路線。
繊細なフォークからメロトロンが敷き詰められたスケールの大きなシンフォニック・ムードに展開する#4。
シンセのオーケストレーションが取り入れられたドラマティックな#5。
ロックなダイナミズムにオルガンやシンセのシンフォ・テイスト、アコギのもたらす叙情フォーク・タッチが融合した#6。
アコギとエレキ・ギターのアルペジオがクリアな空間の広がりを演出しコーラス・ハーモニーと溶け合う#7。
幻想的な#8。

素朴で叙情的なフォーク・フィーリングとメロトロンやシンセによるシンフォニックな演出が融合、コンパクトながらもドラマティックな楽曲が並ぶ好盤です。

Track List

1. In My Life
2. Sweet Jesus
3. Titles
4. Jonathan
5. Beyond the Grave
6. Song for You
7. Hymn for the Children
8. Moon Girl
9. One Night

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STEVE HACKETT / Voyage of the Acolyte

1975,UK

GENESIS在籍中の1975年にリリースされたスティーヴ・ハケット(G/Key/Vo)の1stソロVoyage of the Acolyte。
GENESISからフィル・コリンズ(Dr/Vo)とマイク・ラザフォード(B/G)、その他実弟ジョン・ハケット(Fl/Key)、サリー・オールドフィールド(Vo)などのゲストを招いて制作。
ピーター・ガブリエルが主導権を握った1974年のThe Lamb Lies Down On Broadwayに対する反動なのか、全編でGENESISを彷彿させるシンフォニックかつ英国的な世界を展開。この時期のGENESISサウンドの核は紛れも無くスティーヴ・ハケットだったということが良くわかります。

タロットカードを題材にした収録曲のトップは最強のカードを意味する#1 Ace Of Wands。GENESIS風変拍子によるギター・リフから始まり、アープやモーグ等シンセ、典雅な12弦アコギ、フルート、メロトロン、オートハープの神秘的な響き、などまるでキャスト紹介のように次々と登場する豊富な楽器群のアンサンブルによるファンタジックな中間部から疾走感ある後半に至るシンフォニックなインストゥルメンタル。
12弦アコギのアルペジオとメロトロンをバックに翳りを交えたフルートが乗る、初期GENESIS風妖しくもファンタジックなインスト・チューン#2。メロディの区切りで登場するオートハープのキラキラ音が印象的です。
タロットで悲嘆・災難・不名誉・転落を意味するカード=塔をタイトルに頂く#3。リフレインするメイン・メロディと変拍子で、タイトル通りの世界を表現したダークなナンバー。
そして、#2のリプライズとなる#4がフェード・イン。オーボエに絡むフルートと濃霧のようなメロトロン、まろやかなシンセが美しいアンサンブルを聴かせます。
悲しげな12弦アコギのアルペジオにスティーヴ・ハケットの暗鬱な歌唱が乗る#5。インスト・パートではチェロやフルート、そしてさりげないエレキのハーモニーが上品にクラシカルな叙情を演出。エレキのアルペジオをバックにしたオーボエのソロからフルートのソロに移行するパートも美しいです。
フィル・コリンズとのボーカル・ハーモニーから始まる#6。じわじわ押し寄せるメロトロンと奇妙なペーソス感が又もや初期GENESIS風なモーグのメロディが秀逸。さらに、ダークなパートからオーボエによる神々しいまでの清廉なメロディに移る際の場面転換が超ドラマティック。
爪弾かれるギターをアンビエントな音像で捕らえた小品#7。逆回転エコーなどのSEによるコラージュで実験的なムードも。
そして、メロトロンとギターによるシンフォニックなイントロから、サリー・オールドフィールドの美声ソプラノが響き渡るボーカル・パートに移行する11分超の大作#8。歌唱と12弦アコギやオートハープが神秘的でおとぎ話のような世界を醸成。元祖ライトハンド奏法による幻想的なパート、ボリューム奏法を使ったヴァイオリンのようなトーンによるリフレインのメロディなど、ギタリストらしいアイディアに溢れたスティーヴ・ハケットのプレイもポイントが高い。

GENESISから演劇風臭みを取り除いた、純粋シンフォ・サウンドが堪能できるプログレッシブ・ロックの名盤です。

Track List

1. Ace Of Wands
2. Hands Of The Priestess
3. A Tower Struck Down
4. Hands Of The Priestess (Part 2)
5. The Hermit
6. Star Of Sirius
7. The Lovers
8. Shadow Of The Hierophant

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RENAISSANCE / Scheherazade and Other Stories

1975,UK

英国70年代プログレッシブ・ロックの華 RENAISSANCEの6thアルバムScheherazade and Other Stories。

リディアン・モードの印象的な旋律を歌うアニー・ハズラム(Vo)のクリスタル・ヴォイス、ジョン・タウト(Key)のチェレステや足踏みオルガンが醸し出すお伽噺のような幻想的なムード、ソロパートではピアノによる転がるように軽快なフレーズも連発!そして5拍子のキメといったおいしすぎるプログレッシブなネタが盛りだくさんの#1は私のフェイバリット・ソング。
伸びやかな美声が堪能できるアップテンポな#2。
まどろむようなオーケストラとアニーの美しすぎる歌唱が美を極めた叙情ナンバー#3。
そして、アラビアン・ナイトでお馴染み「千一夜物語」の語り部=賢くて美しい少女シェヘラザードが王妃の裏切りで凶悪になったスルタンに見出されて王宮に招かれ、窮地を凌ぐために毎夜毎夜、不思議なエピソードを物語る内にスルタンも元に戻り、シェヘラザードと幸せになるという様を描いたフルオーケストラ参加のシンフォニック大作#4。

RENAISSANCEの代表作にして最高傑作との呼び声高い名作です。

Track List

1.Trip To The Fair
2.The Vultures Fly High
3.Ocean Gypsy
4.Song Of Scheherazade
a) Fanfare
b) The Betrayal
c) The Sultan
d) Love Theme
e) The Young Price And Princess as Told By Scheherazade
f) Festival Preparations
g) Fugue For The Sultan
h) The Festival / Finale

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