ギター・ヒーロー のレビュー

WHITESNAKE / Whitesnake

1987,UK

前作Slide It Inから参加の元THIN LIZZYのジョン・サイクス(G)が唯一のギタリストとなり、思う存分暴れまくってるWHITESNAKEの1987年作。

サイクスはレコーディング後脱退、MTVで各曲のクリップが流れ出した頃には全然別のメンツになっていた。ベースはニール・マーレイ、派手でヘヴィなドラミングを聴かせるのは元JOURNEYのエインズレー・ダンバーだ。最高のメンツでレコーディングされた最高のハード・ロック・アルバム。ドライヴィング・ハード・ロック・チューン#8はプロ野球好プレー珍プレーの「好プレー」BGMとしてもおなじみ。
他にも永遠の名曲#1,#3,#4,#5,#6など、とにかく名曲揃いな上、各メンバーのプレイが最高。サイクスのソング・ライティングもこの頃がピーク。

Track List

1. Crying in the Rain
2. Bad Boys
3. Still of the Night
4. Here I Go Again
5. Give Me All Your Love
6. Is This Love
7. Children of the Night
8. Straight for the Heart
9. Don't Turn Away

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YNGWIE J. MALMSTEEN’S RISING FORCE / Odyssey

1988,SWEDEN

元ALCATRAZZのスウェーデン人ネオクラシカル・ギタリスト イングヴェイ・マルムスティーンがソロになってからの4作目1988年作。

ボーカルは何と元RAINBOWのジョー・リン・ターナー。当時はお互いに「ソウル・メイト」なんて言ってたが、すぐ喧嘩別れ。しかし残した音楽は最高。ジョーの甘い歌声とインギー流様式美ハード・ロックが抜群の相性を見せており、インギーが前年の交通事故で負った重傷からの後遺症によるプレイの”荒れ”も気にならないです。元 SILVER MOUNTAIN組イェンス(Key)、アンダース(Dr)のヨハンソン兄弟もさすがのプレイで支えています。
クラシカルなオブリガードが冴えるPOPな#3、RAINBOW風様式美ハード・ロックにヴァイキング風味を隠し味に添えたメドレー#5~#6、インギーとジョーの共演だからこその名曲#7,#8,#9など名演多し。

Track List

1. Rising Force
2. Hold On
3. Heaven Tonight
4. Dreaming (Tell Me)
5. Bite the Bullet
6. Riot in the Dungeons
7. Deja Vu
8. Crystal Ball
9. Now Is the Time
10. Faster Than the Speed of Light
11. Krakatau
12. Memories

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RATT / Reach for the Sky

1988,USA

RATTの1988年4thアルバムReach for the Sky。

プロデュースは当初WHITESNAKEの1987年作を手がけたマイク・ストーンでしたが、制作途中で降板。作曲クレジットで6曲に顔を出すボー・ヒルが戻り、ボー・ヒルとマイク・ストーンの連名になりました。

スティーブン・パーシー(Vo)の独特のヴォイスと小気味良いサウンドからなるRATT’N’ROLLは健在ながら、かつてのアイディアに溢れたリフの切れやカッコ良さは減退。ウォーレン・デ・マルティーニ(G)のジョージ・リンチ色を払拭した正統派フレージングも通好みの地味なものになってしまってます。
あからさまなPOP路線が痛い#2や#9、スケールの大きな#5などでは表現力に乏しいスティーブンの歌唱が足枷となってしまってイマイチ突き抜けきらないもどかしさを感じます。
ホーン・セクションを導入しバンドが並々ならぬ意欲で勝負を賭けた#3もRATTがこういったテイストに挑戦する、といった意味でのインパクトこそあれ、楽曲の出来としてはまぁ並。
理屈抜きで楽しめるノリの良い#6、ウォーレンが素晴らしいソロをキメるキャッチーなサビがリフと融合した#8や#10など、RATTらしい佳曲もあるので、こういった曲でアルバムが占められていたら全体の印象もかなり変わったと思うんですが、でもそれだと単なる過去の焼き直しだし・・・といった何とも言えない閉塞感に満ちたアルバムです。

Track List

1. City to City
2. I Want a Woman
3. Way Cool Jr.
4. Don't Bite the Hand That Feeds
5. I Want to Love You Tonight
6. Chain Reaction
7. No Surprise
8. Bottom Line
9. What's It Gonna Be
10. What I'm After

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OZZY OSBOURNE / No Rest for the Wicked

1988,UK/USA

OZZY OSBOURNEの4thアルバムNo Rest for the Wicked。

ジェイクがクビになってどうなるのか心配されたが、1stビデオクリップにもなった#1で不安一掃。ビデオでは顔がはっきりしなかった新加入のベルボトム野郎ザック・ワイルド(G)も当時は痩身でかわいいルックスだった。プレイとサウンドとアクションは超骨太だが・・・。
内容は昔からのオジー・ファンだったザックがファンの求める音像を完璧に理解し楽曲として再現。
オカルトちっくなオジー・ワールドが全編を覆う、ある意味アルバムとしてのまとまりが一番ある作品。#1でさりげなくエコノミー・ピッキングをキメるザックは一躍ギター・ヒーローに。

Track List

1. Miracle Man
2. Devil's Daughter
3. Crazy Babies
4. Breaking All the Rules
5. Bloodbath in Paradise
6. Fire in the Sky
7. Tattooed Dancer
8. Demon Alcohol

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WINGER / Winger

1988,USA

アメリカはニューヨークのヘヴィ・メタル・バンドWINGERの1988年1st。

アリス・クーパー・バンドで活動していたキップ・ウィンガー(B/Vo)、ポール・テイラー(Key/G)が中心となり結成され、後にセッションマンのレブ・ビーチ(G)、DIXIE DREGSのロッド・モーゲンスタイン(Dr)が加わりRATTでお馴染みボー・ヒルのプロデュースでレコーディングされました。全ての楽曲を書き#2冒頭のストリングスをアレンジするなど洗練されたセンスを持つキップ・ウィンガーの音楽的才能とバレエ経験を活かした華麗な身のこなしを見せたPVで話題になり大ヒット。タッピングによる流麗なギター・ソロ、キャッチーなのに実は複雑でテクニカルな#3のリフなど超絶技巧を余裕でこなすレブ・ビーチも楽曲構成において多大に貢献しております。ジミ・ヘンドリックスのカヴァー#5ではドウィージル・ザッパ(G)がゲスト参加。レブと華麗なギター・バトルを展開しています。この時期テクニカルなギタリストは山ほど存在していましたが、#3のソロ、#9冒頭などタッピングで個性を発揮しつつ、バッキングやメロディアスなフレージングでチーム・プレイも堅実なレブ・ビーチの登場はギター・キッズにとってかなり衝撃でした。

Track List

1. Madalaine
2. Hungry
3. Seventeen
4. Without the Night
5. Purple Haze
6. State of Emergency
7. Time to Surrender
8. Poison Angel
9. Hangin On
10. Headed for a Heartbreak
11. Higher and Higher

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JEFF BECK / Guitar Shop

1989,UK

ジェフ・ベック(G)の1989年作Guitar Shop。

ジェフ・ベック本人は決して計算高く無さそうなんですが、天才には勝手に天才が寄ってくるのか?ドラムがUK等でお馴染みのテリー・ボジオ。
「スーパー・スリンキィ」、「レス・ポール」etcギター関係のワードを散りばめた#1も他人がやるとダサイだけだが、ジェフがやるとカッコいい。
この頃はもうピックは完全に使用して無いんだろうか?トーンがますます生々しく且つ多彩になっている。
それにこのアーミング・・・。月並みな表現だが、もはや体の一部だな。
というかジェフがギターの一部になっっているのか?スリリングな#9が好き。
1944年生まれだからこの時点で45歳か・・・・。若いなジェフ!

Track List

1. Guitar Shop
2. Savoy
3. Behind the Veil
4. Big Block
5. Where Were You
6. Stand on It
7. Day in the House
8. Two Rivers
9. Sling Shot

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YNGWIE MALMSTEEN / Trial by Fire

1989,SWEDEN

イングヴェイ・マルムスティーン(G)のソ連時代のレニングラードでのライブ1989年作。

メンツはOdysseyの4名にバリー・ダナウェイ(B)を加えた5名。#1,#2,#7等旧曲でもジョー・リン・ターナー(Vo)の歌との相性はバッチリ。イェンス・ヨハンソン(Key)のシンセ・ソロも熱い最高のライブ・アルバム。ハイライトは勿論インスト#4。ライブで聴くインギーのいかにもストラトっていう繊細なトーンが最高。

Track List

1. Liar
2. Queen in Love
3. Deja Vu
4. Far Beyond the Sun
5. Heaven Tonight
6. Dreaming (Tell Me)
7. You Don't Remember, I'll Never Forget
8. Guitar Solo (Trilogy Suite Op: 5/Spasebo Blues)
9. Crystal Ball
10. Black Star
11. Spanish Castle Magic

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GARY MOORE / After the War

1989,UK

1989年のゲイリー・ムーアによるハード・ロック最後の作品After the War。

コージー・パウエル(Dr)が参加。当時流行したLED ZEPPELINのクローン・バンドをおちょくった#5でオジー・オズボーン(Vo)も参加してます。#10はTHIN LIZZYのBlack Roseを想起させるアイリッシュ・フレイバーたっぷりの曲。

Track List

1. After the War
2. Speak for Yourself
3. Livin' on Dreams
4. Led Clones
5. The Messiah Will Come Again
6. Running from the Storm
7. This Thing Called Love
8. Ready for Love
9. Blood of Emeralds

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DREAM THEATER / When Dream and Day Unite

1989,USA

プログレッシブ・メタルを発明したDREAM THEATERの1989年1stアルバムWhen Dream and Day Unite。

デビュー作にしてプロデュースにバンド自らが名を連ねている。ヴィジョンがはっきりしていたんだろう。既に自信満々に、後に通じるメロディアスなプログレ・メタルを展開している。
今ほど変態っぽさは多くないし、ジョン・ペトルーシ(G)はたまにモロ イングヴェイなフレーズを弾いたり、シンガーが初代のチャーリー・ドミニシ(Vo)だったりしてちょいB級クサさも。ブックレットのメンバー写真の印象がまたB級クサ~。こんなやつらが後にBIGになるなんて誰も思わなかった。

Track List

1. Fortune in Lies
2. Status Seeker
3. The Ytse Jam
4. The Killing Hand
5. Light Fuse and Get Away
6. Afterlife
7. The Ones Who Help to Set the Sun
8. Only a Matter of Time

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ERIC JOHNSON / Ah Via Musicom

1990,USA

スタジオ・ワーク等の仕事ぶりをアラン・ホールズワースにも賞賛されていたアメリカ人ギタリスト エリック・ジョンソンのソロ1990年作。

インスト有り、歌もの有りで楽しめます。歌は本人が歌っていて、ちょいハスキーな感じ。当時ギター弾いている奴はみんな聴いていたアルバム。独特のチキン・ピッキングやテクニックは勿論、クリーンなナチュラル・オーバー・ドライブ・トーン、斬新で個性的な音使いでも同業者達をKO。

Track List

1. Ah Via Musicom
2. Cliffs of Dover
3. Desert Rose
4. High Landrons
5. Steve's Boogie
6. Trademark
7. Nothing Can Keep Me from You
8. Song for George
9. Righteous
10. Forty Mile Town
11. East Wes

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YNGWIE MALMSTEEN / Eclipse

1990,SWEDEN

イングヴェイ・マルムスティーン(G)の1990年作。

バンドのメンツを全とっかえ。便利屋ヨラン・エドマン(Vo)は、ちょっと線は細いが健闘している。#3のようなバラードではその押しの弱さが逆に奏功していたりする。ちなみにこの#3のイントロでのフルートはローランドのギター・シンセGR-1によるものだ。ソロはアーミングによるニュアンス、トーンのコントロール、泣きのフレーズに込めた魂・・・と完璧。続く名曲#4ではヨランの高音が限界ギリギリっつうか、もはやノドが決壊寸前で痛々しいが曲は最高。全体的なプレイ・レベルもTRILOGYの頃に戻りつつある。

Track List

1. Making Love
2. Bedroom Eyes
3. Save Our Love
4. Motherless Child
5. Devil in Disguise
6. Judas
7. What Do You Want
8. Demon Driver
9. Faultline
10. See You in Hell (Don't Be Late)
11. Eclipse

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RATT / Detonator

1990,USA

BON JOVI等の仕事で知られるデズモンド・チャイルドをエグゼクティブ・プロデューザーに迎え起死回生を狙ったRATTの1990年5thアルバムDetonator。

ウォーレン・デ・マルティーニ(G)によるブルーズ・キターのオープニングからピック・スクラッチを合図にザクザクしたリフに突入する#1~#2でドラマティックにスタート。
RATT版ブルーズ・ロックの#3。
ウォーレンのスライド・ギターが新たな息吹を送り込む縦ノリのグルーヴが躍動する#4、
爽やかな王道アメリカン・ハード・ロックをRATTらしく消化した#5。
ファンキーな#8。
このあたりの楽曲には、バンド・サウンドの進化をオーソドックスなロックへの原点回帰に求めた意図が感じられます。
全体的に意外と影の薄いデズモンド・チャイルドも、キャッチーな#9やシンセを取り入れたバラード#10ではかなり口出しした様子が伺えます。
そしてラストは初期の頃からのお蔵入りだったミステリアスでハードなナンバー#11。ロビン・クロスビー(G)の作曲クレジットが2曲のみと、この頃からドラッグの影響もあったのか生彩を欠いているのが気になりますが、ここに来てRATTは完全にプレイ/楽曲共にオーソドックス路線を目指すウォーレンのバンドになりましたね。
前作での迷いが吹っ切れたかのような、この時点での”ウォーレンによる”RATTらしさを表現した作品に仕上がりました。しかし、グランジ勢の台頭もありRATTは失速、1992年に解散します。

Track List

1. Intro to Shame
2. Shame, Shame, Shame
3. Lovin' You's a Dirty Job
4. Scratch That Itch
5. One Step Away
6. Hard Time
7. Heads I Win, Tails You Lose
8. All or Nothing
9. Can't Wait on Love
10. Givin' Yourself Away
11. Top Secret

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WINGER / In the Heart of the Young

1990,USA

WINGERの1990年2nd。

アメリカンな骨太さとスケール感がアップした。反面WINGERらしいセンスの良さが後退した様な印象。しかし名曲#5だけは高次元。プログレッシブな質感を漂わせるクールなヴァースとサビメロのドラマティックな展開の落差に熟練の味を感じさせる。シンセのオーケストレーション、レブ・ビーチ(G)にしては抑え気味なギター・プレイもポイント高し。

Track List

1. Can't Get Enuff
2. Loosen Up
3. Miles Away
4. Easy Come Easy Go
5. Rainbow in the Rose
6. In the Day We'll Never See
7. Under One Condition
8. Little Dirty Blonde
9. Baptized by Fire
10. You Are the Saint, I Am the Sinner
11. In the Heart of the Young

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OZZY OSBOURNE / No More Tears

1991,UK/USA

オジー・オズボーン(Vo)がツアーからの引退を発表したことで話題となった(そしてその後の現役続行宣言で見事だまされた!)1991年作No More Tears。

前作でオジーの信頼を十二分に勝ち取ったザックが自分の趣味を出し始めた。
#3,#11のアメリカンな雰囲気はザックならでは。一方で壮大なタイトル曲#5やカッコ良いハード・ロック#2,#4,#6などバラエティに富んだ内容。
武道館でのフェアウェル公演で泣いた俺の気持ちなどまるで知るわけ無いオジーは早々に引退宣言を翻し現役続行。マネージング(特に奥方シャロン)の手腕を思い知らされた。

Track List

1. Mr. Tinkertrain
2. I Don't Want to Change the World
3. Mama, I'm Coming Home
4. Desire
5. No More Tears
6. S.I.N.
7. Hellraiser
8. Time After Time
9. Zombie Stomp
10. A.V.H.
11. Road to Nowhere

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DWEEZIL ZAPPA / Confessions

1991,USA

1991年にフランク・ザッパの息子ドゥィージルが業界の名だたる友人達とレコーディングしたアルバムConfessions。
その友達とは、ヌーノ・ベッテンコート、ザック・ワイルド、ウォーレン・デ・マルティーニ等。
変拍子が引っかかるオヤジ譲りの変態な曲やBEATLESのカバーが楽しい。BEE GEESの「スティン・アライブ」では各ギタリストのバトルも。誰が誰かすぐに分かる個性はさすが。

Track List

1. Earth
2. Bad Girl
3. F.W.A.K.
4. The Kiss
5. Anytime At All
6. Vanity
7. Helpless
8. Shoogagoogagunga
9. Stayin' Alive
10. Maybe Tonight
11. Confessions Of A Deprived Youth
12. Gotta Get To You
13. Pain Of Love
14. Obviously Influenced By The Devil
15. Return Of The Son Of Shoogagoogagunga

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JOHN NORUM / Face the Truth

1992,SWEDEN

元EUROPEのスウェーデン人ギタリスト ジョン・ノーラム(G/Vo)の2ndアルバムFace the Truth。
1stではエラン・エドマンを使ったり自分で歌ったりしていましたが、今回は何と第3期DEEP PURPLEでお馴染みのグレン・ヒューズ(Vo)を起用、彼の抜群の表現力を活かしたメロディアスなハード・ロックが全編で堪能できます。

後半に一瞬ゲイリー・ムーア風フレーズも飛び出す弾き捲くりソロを擁する、リフ・オリエンテッドなハード・ロック#1。
ブルージーなテイストの#2。
転調しての丁寧なフレージングによるギター・ソロが円熟を感じさせる、メランコリックなアルペジオがリードするパワー・バラード#3。
ジョンがフィル・ライノットのお経ボーカルを真似て歌うTHIN LIZZYのカヴァー#4。
EUROPEの盟友ジョーイ・テンペストと共作しコーラスも委ねたキャッチーな#5。サビがWHITESNAKEのHere I Go Againにそっくりなのは毎度お馴染みのご愛嬌。
THIN LIZZYっぽいヴァイブを持つシャッフル・ナンバー#6。
ワウを掛けたエモーショナルなソロで幕を開ける#7はDON DOKKENでの相棒、ビリー・ホワイト(G)が作曲とバッキング・ギターで参加。
リズムのトリックがフックとなった渋いハード・ロック・チューン#8。
ジョンの独特な音使いと流麗な早弾きが堪能できる、弾き捲くりのインストゥルメンタル・チューン#9。
グレン・ヒューズに敬意を表したか、HUGHES THROLLのカヴァー#10。オリジナルよりも若干テンポを速目にアレンジ、本アルバムのムードにもぴったり合ってます。
疾走するリフがリードする#11。

躍動するハード・ロック#1,#6、ソウルフルで味のある#2,#3,#7など、幅広い引き出しで素晴らしい歌唱を聴かせるグレンの参加で安心してギターに集中できるようになったからか、ジョンのフレージングに絶妙な押しと引きが加わり味わい深くなりました。バッキング・ギターのガッツィーなサウンドもイイ感じです。ベタな欧風叙情味が減ったのは少々残念ですが・・・

Track List

1. Face the Truth
2. Night Buzz
3. In Your Eves
4. Opium Trail
5. We Will Be Strong
6. Good Man Shining
7. Time Will Find the Answer
8. Counting on Your Love
9. Endica
10. Still The Night
11. Distant Voices

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YNGWIE MALMSTEEN / Fire and Ice

1992,SWEDEN

前作からはドラマーのみの交代で済んだイングヴェイ・マルムスティーン(G)の1992年作。

レコード会社を移籍して、ポップな#3を擁してのヒット狙いも。最大の聴き所は#6。J.S.バッハの“ブーレ”のフルートのパートをゲストのストリング・セクションをバックにプレイ。疾走系ネオクラ曲の中間部に自然に違和感無く挿入されている。#9では一瞬ALCATRAZZのJet to Jetみたいなフレーズが。ジミヘン風あり、様式美あり、ポップあり、泣きのバラードあり、というインギーの定番が網羅された作品。

Track List

1. Perpetual
2. Dragonfly
3. Teaser
4. How Many Miles to Babylon
5. Cry No More
6. No Mercy
7. C'est La Vie
8. Leviathan
9. Fire and Ice
10. Forever Is a Long Time
11. I'm My Own Enemy
12. All I Want Is Everything
13. Golden Dawn
14. Final Curtain

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DREAM THEATER / Images and Words

1992,USA

1stアルバムでの唯一の弱点だったボーカルがチャーリー・ドミニシからジェイムズ・ラブリエ(Vo)にチェンジしたDREAM THEATERの1992年2ndアルバムImages and Words。

ヘヴィ・メタルとしてのカッコ良さとプログレッシブなテイストが高次元で融合した#1,#3、キャッチーなAORチューン#2など序盤で既に前作から数ランクもバージョン・アップした手応えが感じられます。
メロディとスケール感に息を呑む#4,#8を適所に配しながら、何といっても本アルバムのハイライトは#5。プログレッシブなアヴァンギャルドさ・変拍子などが、メタルの文脈の中でヘヴィネスと攻撃性を兼ね備えて表現されたこのテクニカルなエピック・チューンの登場を持って、いよいよDREAM THEATERが他に類を見ない独自のプログレッシブ・メタルを完成させたと言えるでしょう。
そして当時初来日公演を行った川崎クラブ・チッタでは、開演前、「本当にできるのか?」と値踏みするような表情で待っていたバンド・マン達中心のオーディエンスが、1曲目から口をポカーンと開けてアゴがはずれるほど驚愕することになります。その感慨深い曲も#5でしたね。

Track List

1. Pull Me Under
2. Another Day
3. Take the Time
4. Surrounded
5. Metropolis, Pt. 1: The Miracle and the Sleeper
6. Under a Glass Moon
7. Wait for Sleep
8. Learning to Live

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OZZY OSBOURNE / Live & Loud

1993,UK/USA

引退宣言したオジーのフェアウェル・ツアー「NO MORE TOURS」の模様を収録したライブ・アルバムLive & Loud。1993年作。

オジー時代の代表曲は勿論、ライブ定番のSABBATHクラシックスも。
武道館もそうだったけど、ランディの旋律をほぼ崩す事無く再現してくれたザックに、ランディを愛する者としての同朋意識とザックのランディへのリスペクトを感じた。
終盤のBlack Sabbathでは往年のSABBATHオリジナル・メンバーが集結、”引退”に花を添える。同時に発売されたレーザーディスクでは終演後幼い息子をステージに上げたオジーが息子にステージでのロックスターの作法を教えるシーンでジーンときたもんだが・・・見事に騙されました。

Track List

Disc1
1. Intro
2. Paranoid
3. I Don't Want to Change the World
4. Desire
5. Mr. Crowley
6. I Don't Know
7. Road to Nowhere
8. Flying High Again
9. Guitar Solo
10. Suicide Solution
11. Goodbye to Romance

Disc2
1. Shot in the Dar
2. No More Tears
3. Miracle Man
4. Drum Solo
5. War Pigs
6. Bark at the Moon
7. Mama, I'm Coming Home
8. Crazy Train
9. Black Sabbath
10. Changes

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YNGWIE MALMSTEEN / The Seventh Sign

1994,SWEDEN

イングヴェ・マルムスティーン(G)の1994年作。

又してもシンガーが交代、マイク・ヴェセーラ(Vo)に。あまり個性の無い声なので前作までのヨラン・エドマンと比べても違和感無い、ヨランをちょっとダーティにした感じかな。この男、当時インギーの嫁だったアンバーを寝取ったとかで解雇されるんだが天下のインギーの嫁にちょっかい出すとは、その肝っ玉には恐れ入る。この頃から所謂”北欧ヴァイキング風様式美路線”が薄くなってきた印象なんだけど。その片鱗#7にしても自身のパロディにしか聴こえないんだよね・・・・

Track List

1. Never Die
2. I Don't Know
3. Meant to Be
4. Forever One
5. Hairtrigger
6. Brothers
7. Seventh Sign
8. Bad Blood
9. Prisoner of Your Love
10. Pyramid of Cheops
11. Crash and Burn
12. Sorrow

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