ギター・ヒーロー のレビュー

OZZY OSBOURNE / Diary of a Madman

1981,UK/USA

OZZY OSBOURNEの1981年2ndアルバムDiary of a Madman。

レコーディングのメンツは1stと同様オジー・オズボーン(Vo)、ランディ・ローズ(G)、ボブ・ディズリー(B)、リー・カースレイク(Dr)。

破壊的なリフと周到にアレンジされたダブル・トラッキングのバッキング・ギター。そしてエキサイティングなギター・ソロ。ソロのラストでのピックスクラッチが鳥肌。もうオープニングの#1から既にKOされましたね。
天駆けるようなクラシカルなフレーズをライトハンド奏法で繰り出す#2。
アコギとエレキを巧みに絡めたギター・オーケストレーションで壮大なスケールを描く7分のエピック・チューン#3。
荘厳かつオカルティックなムードで独自のゴシカルな世界を表現した#4。
ヘヴィなミディアム・テンポのハード・ロックにキャッチーなサビを配した#5。
メロディックなバラードでエンディングのギター・ソロが泣ける#6。
ドラマティックな展開とカッコ良いリフで迫る3連ハード・ロック#7。
ELOでもお馴染みルイス・クラークによるストリングス・アレンジとクワイヤを加えゴシカルにしてプログレッシブに展開する7/8拍子の#8。

本作は作曲/アレンジ/プレイ/エフェクト使い、等々ランディの才能が遺憾無く発揮され、従来のオジーのカラーにアメリカンな開放的ムードも加え、後のメインストリームでのブレイクを予感させる傑作となりました。
ただ、その後のツアー中に飛行機事故によってランディは帰らぬ人となってしまいました。当時のインタビューで、充分な時間が無く一部のギター・ソロの練りが足りなかった(#5等)・・・みたいな事を言ってたので、もし納得行くまで制作できたらどんなに凄い事になるのか、と思ってましたが・・・とてもとても残念でなりません。

Track List

1. Over the Mountain
2. Flying High Again
3. You Can't Kill Rock & Roll
4. Believer
5. Little Dolls
6. Tonight
7. S.A.T.O.
8. Diary of a Madman

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GARY MOORE / Corridors of Power

1982,UK

1982年のゲイリー・ムーア最高傑作Corridors of Power。

一般人にもゲイリーの名前が浸透するという信じがたい現象が起こりました。そして初来日公演。オープニングはドン・エイリーのシンセによるイントロから耳をつんざくゲイリーのギター・フレーズが登場!そしてそのまま#6になだれ込むっていう状況が昨日のことのように思い出せるな。

Track List

1. Don't Take Me for a Loser
2. Always Gonna Love You
3. Wishing Well
4. Gonna Break My Heart Again
5. Falling in Love with You
6. End of the World
7. Rockin' Every Night
8. Cold Hearted
9. I Can't Wait Until Tomorrow

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MSG / Assault Attack

1982,GERMANY

MICHAEL SCHENKER GROUPの3rdアルバムAssault Attack。邦題は黙示録。

大物メンバーからなるスーパー・グループへの変貌を画策したマネージメントの策謀によりデイリー・バーデン(Vo)が脱退、コージー・パウエル(Dr)の推薦もあり後釜に元RAINBOWのグラハム・ボネット(Vo)を引っ張ってきたものの今度はそのコージーが抜けクリス・グレン(B)の紹介でテッド・マッケンナ(Dr)が加入、マイケル・シェンカー(G)の理解者ポール・レイモンド(Key)まで脱退と混乱を極める中制作。
そんなバンド状態にマイケルが精神的安定感を欠いたからか、グラハムの歌唱が相変わらず暑苦しいからか、或いはその両方からか、アルバム全体にピリピリとした異常な程のテンションが漲っています。

いきなり緊張感全開でグラハムがパワフルな歌唱を聴かせるマイナー調ハード・ロック#1。中間部のクラシカルなミュート気味の3連アルペジオ部にもどこか危ういムードが。
ブルーズ・ロックの体裁でいながら、首の青筋まで想像できるグラハムの熱唱と、マイケルのハーモニー・フレーズをはじめとするクラシカルなメロディアス・プレイによって全くブルーズ色を感じさせないヘヴィ・ロック・チューン#2。
ポップな意匠の裏に緊張感を感じさせつつもキャッチーに仕上がった#3。
硬質でヘヴィなバッキング・リフに独特な和音感覚のグラハムによるセルフ・ハーモナイズ歌唱が乗るヘヴィ・ロック#4。
ルート音Eをベースにした重音リフに中間部の欧州叙情を加えた#5。緊張感を煽る白玉シンセはゲストのトミー・アイアー(Key)がプレイ。明らかに前任のポール・レイモンドとは異なるセンスです。
空間を活かしたリフにグラハムの息づかいも露な歌唱が乗り、オールド・スクールなグルーヴを醸し出す#6。
マイケル得意のミディアム・テンポ3連でのマイナー・ハード・ロック#7。
細かくスウィングした3連グルーヴを余裕で叩き出すテッド・マッケンナ&クリス・グレンの素晴らしいバッキングに支えられ、マイケルが縦横無尽のフレージングを聴かせるクールなインストゥルメンタル#8。

キーボードのデコレーションが減少し、さながらマイケルVSグラハムのサシ勝負のようなムードの中、前作での魂を開放したかのような伸びやかなフレージングとは打って変わり、美しくも危険な薫り漂うマイケルの鬼気迫るプレイが聴き所です。

Track List

1. Assault Attack
2. Rock You To The Ground
3. Dancer
4. Samurai
5. Desert Song
6. Broken Promises
7. Searching For A Reason
8. Ulcer

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VANDENBERG / Vandenberg

1982,NETHERLANDS

長身ギタリスト エイドリアン・ヴァンデンバーグの華麗なギター・ワークと様式美風味が売りのオランダのハード・ロック・バンドVANDENBERG。

このデビュー・アルバムでも既にスタイルが完成されており、全編に渡って繰り広げられるキッチリとコンポーズされたギター・ソロが素晴らしい構築度。”天才”エディ・ヴァンヘイレンや”神”マイケル・シェンカーになるのは無理でも、努力すればこの”秀才”エイドリアン・ヴァンデンバーグにはなれるかも・・・とギター・キッズに思わせる、譜割がキレイなフレージングが印象に残ってます。バッキングも几帳面。ファンの署名活動で実現した初来日コンサート(大阪厚生年金会館)でも丁寧にバッキング弾きつつ、ソロもキッチリ弾いてました。その生真面目な性格が災いしてか、後年のWHITESNAKEでは”天才”肌のスティーヴ・ヴァイに自分の書いた曲なのに無茶されるという憂き目にも。クラシカルなフレージングやトーン(ワウの使い方)が、当時はマイケル・シェンカーと比較もされていました。メイン・ギターがゴールド・トップのレス・ポールっていうのも良いじゃないですか。ヒョウ柄ジャケットに蝶ネクタイっていうスタイルもカッコ良かったなぁ、何故か。イントロからして瞬殺、クラシカルなライトハンドに涙する様式美チューン#6を筆頭にカッコ良いハード・ロック#2,#8,#9、アコギのイントロが美しい#7、バート・ヘイリング(Vo)の歌唱が堪らない泣きの名バラード#4等名曲目白押しです。

Track List

1. Your Love Is in Vain
2. Back on My Feet
3. Wait
4. Burning Heart
5. Ready for You
6. Too Late
7. Nothing to Lose
8. Lost in a City
9. Out in the Streets

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ALCATRAZZ / No Parole From Rock’N’Roll

1983,USA

RAINBOW、MSGと渡り歩いてきたグラハム・ボネット(Vo)が元NEW ENGLANDのジミー・ウォルドー(Key)、ゲイリー・シェア(B)と新バンド結成を画策。ギタリストに当時はほぼ無名のイングヴェイ・マルムスティーン(G)を加えデビュー。知名度からいくと当然グラハムのバンドというイメージでレコードを購入したファンの期待を大きく上回る新星イングヴェイの登場に、シーンが騒然となりました。シンセによるリフに乗った軽快なハード・ロックに、突如ヨーロッパ叙情のメロディをアル・ディ・メオラ並のフル・ピッキングで聴かせるギター・ソロが切れ込む#1で掴みはOK。キャッチーながらもネオ・クラシカルなムードを湛えた#2でも、流麗な下降~上昇フレーズにトリ肌。そしてRAINBOW直伝の様式美ハード・ロック#3ではパワフルなグラハムのボーカルを向こうに回し、ネオ・クラシカルな6連のキメと流麗でスリリングなソロで絶頂を極めます。さらに、叙情高速メロディアス・フレーズが押し寄せる#4、ドラマティックな#5と来てアナログA面終了。続くB面も情感溢れるアコギをあしらった大仰なインストゥルメンタル小品#6で軽くジャブを入れてスタート。エコノミー・ピッキングによるクラシカルなキメを挿入したメロディアスなシャッフル・ナンバー#7。ネオ・クラシカルなフレーズが乱れ飛ぶヘヴィな#8。キャッチーでメロディアスなハード・ロックにおけるイングヴェイのテクニカルなソロのシャワーが心地良い#9。沈み込むようなバラードを幽玄に彩るアルペジオが美しい#10でも見事なソロを聴かせます。ジャキジャキしたナチュラル・ディストーションの効いたバッキングに伸びやかなソロと、ストラトの生々しく美しいサウンドも最高。緩急・強弱など周到に構築された破天荒なようで実は端整なギター・ソロ、ピッキングのニュアンスによる微妙なトーン・コントロールによる感情表現、そしてスリムな体型など、イングヴェイがビッグになるにつれ失われていった要素がてんこ盛りです。

Track List

1. Island in the Sun
2. General Hospital
3. Jet to Jet
4. Hiroshima Mon Amour
5. Kree Nakoorie
6. Incubus
7. Too Young to Die, Too Drunk to Live
8. Big Foot
9. Starcarr Lane
10. Suffer Me

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RAINBOW / Bent Out of Shape

1983,UK

当時のラスト・アルバムとなったRAINBOWの1983年作Bent Out of Shape。

自己主張皆無の完全にコントロールされたバック演奏に乗るジョー・リン・ターナー(Vo)のメロディアスな歌唱とリッチー・ブラックモア(G)のギターがかろうじてRAINBOWであることを思い出させる。とはいえ、高品質なポップ・スタイルRAINBOWの究極の形態が完成。全曲オリジナルで、哀愁の#2や#7がこの形態で目指す音楽の到達点だと思う。Keyのデイヴ・ローゼンタールは歴代のツワモノ達とは違う役割=サウンド全体の調整役として多大に貢献。

Track List

1. Stranded
2. Can't Let You Go
3. Fool for the Night
4. Fire Dance
5. Anybody There
6. Desperate Heart
7. Street of Dreams
8. Drinking with the Devil
9. Snowman
10. Make Your Move

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VANDENBERG / Heading For A Storm

1983,NETHERLANDS

ヨーロピアン・テイスト溢れるオランダのハード・ロック・バンドVANDENBERGの2nd。

エイドリアン・ヴァンデンバーグ(G)のテクニカルかつエモーショナルなプレイとバート・ヘイリング(Vo)のハイトーンを看板にした叙情味ある正統派ハード・ロックはそのままに、アメリカンなキャッチーさを新たに加味しております。
爽やかなサビと構築されたメロディアスなギター・ソロが印象的な#1。
グルーヴィなヘヴィ・ロック#2。
小気味良いリフをベースに軽快に飛ばすヴァースとキャッチーなサビを持つ#3。
ヨーロピアンな叙情を醸し出すバラード#4。
冒頭のクラシカルな3連フレーズで早くも名曲の薫り漂う、様式美風叙情ハード・ロックの#5。
ファンキーなバッキング・リフの#6。
ミディアム・テンポのメロディアスなハード・ロックにクラシカルなテイストのギター・ソロをフィーチャーした#7。
カラっとしたハード・ロック・ナンバー#8。
オープニングのクラシカルで流麗なアコギ・ソロから、アップテンポなハード・ロックに展開する叙情ハード・ロックの名曲#9。

何と言っても聴き所はバッキング、ソロ共に几帳面さが伺えるキッチリしたエイドリアンのプレイ。この頃のエイドリアンの”マイブーム”だったのか、#3,#6,#7,#8など至る所でピックをプレーン弦上でスライドさせてホイッスルのような音を出す小技を頻発させてます。

Track List

1. Friday Night
2. Welcome to the Club
3. Time Will Tell
4. Different Worlds
5. This Is War
6. I'm on Fire
7. Heading for a Storm
8. Rock On
9. Waiting for the Night

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OZZY OSBOURNE / Bark at the Moon

1983,UK/USA

OZZY OSBOURNEの3rdアルバムBark at the Moon。

ランディ・ローズ亡き後、ブラッド・ギルスやバーニー・トーメを伴いまさに”SHOW MUST GO ON”なツアーを行っていたオジー・オズボーン(Vo)が新作で誰をギタリストに迎えるのかが注目されましたが、さすがオジー、又やってくれました。
白羽の矢が当たったのは、LAでROUGH CUTTやRATTなどLAメタル周辺バンドへの在籍経験もある実力者ジェイク・E・リー(G)。

開放弦ルート刻みとストレッチしたフィンガリングによるコード・ワークを駆使した実は複雑な疾走リフと、ピッキング・ハーモニクスがアクセントとなったソロが聴き所の#1。
ソフトな叙情チューン#2。
硬質なリフがリードする#3。合いの手のようなドン・エイリー(Key)のシンセ・フレーズがシリアスなムードの中、少々場違いな感じも。ジェイク・フェイクのひとつ擬似ディレイから雄大に始まり、最後は駆け上がるフレーズで締めるソロが見事な完成度。
ドラマティックなギター・ソロ・パートを内包したシンプルなオジー流ロックン・ロール#4。
鐘の音、クワイヤ、チャーチ・オルガンによる荘厳なムードのイントロから邪悪なリフの疾走メタルに展開する#5。ソロではジェイクのモーダルなフレージングがカッコ良いです。
前作のタイトル・トラックに続き、又もやELOのストリングス・アレンジでお馴染みルイス・クラークがゴージャスなアレンジを施した甘いラブ・ソング#6。実はBEATLESファンであるオジーの正直なメロディアス志向が表れた影の名曲です。
この#6から、キャッチーなシャフル・ナンバー#7、ミュートした16分音符のリフが印象的なプログレッシブなエピック・チューン#8と来る終盤の流れが前作を彷彿させます。

ジャケット・アートでは特殊メイクまで施してやる気満々のオジーの期待に見事に応え、ホラーなムードを醸したソリッドなリフ・ワークとソング・ライティングでジェイクが大貢献。
キッチリした譜割のリフやソロのフレージングに、ネック・ベンドによる擬似アーミングなど、”ジェイク・フェイク”を駆使したトリッキーなオブリガードなど、ランディのエモーショナルなテイストとは又違った構築されたテクニカルな美を感じさせるプレイが新鮮です。

Track List

1. Bark At The Moon
2. You're No Different
3. Now You See It (Now You Don't)
4. Rock 'n' Roll Rebel
5. Centre Of Eternity
6. So Tired
7. Slow Down
8. Waiting For Darkness

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ALCATRAZZ / Live Sentence

1984,USA

1984年1月28日 中野サンプラザ公演を収録したALCATRAZZのライブ。リフの合間のちょっとした隙間にも超高速オブリガードをブチ込み捲くるイングヴェイ・マルムスティーン(G)ですが、楽曲の構成を保った上で、ライブならではのスリルと興奮を加えた感じの程好いバランスを何とかキープしています。ALCATRAZZとしては1枚しかアルバムを出していない状態での来日とあって、曲目も1stアルバムの代表曲にグラハム・ボネット(Vo)のソロ時代の#3やイングヴェイのソロ#6、#8、グラハム在籍時RAINBOWの#7、#9をプラスした、この時期ならではの豪華なラインナップ。ライブでも強力なグラハムのボーカル、オーディエンスが忠実過ぎてちょっと恥ずかしい#9の掛け合い、才気漲るイングヴェイの弾き捲くりと聴き所満載。ただ唯一の減点ポイントは#9のラスト。RAINBOWの名曲Lost in Hollywoodの冒頭、印象的なドラムのイントロが聴こえたとたんにフェイドアウトしてしまうなんて・・・

Track List

1. Too Young to Die, Too Drunk to Live
2. Hiroshima Mon Amour
3. Night Games
4. Island in the Sun
5. Kree Nakoorie
6. Coming Bach
6. Since You Been Gone
7. Evil Eye
8. All Night Long

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RATT / Out of the Cellar

1984,USA

LAメタルの代表的バンドRATTの1stアルバムOut of the Cellar。

プロデューサー ボー・ヒルによるかすかに空間系エフェクトを掛けた抜けの良いアメリカンなサウンド、強面のロビン・クロスビー(G)、スリムでルックス抜群のギター・ヒーロー ウォーレン・デ・マルティーニ(G)によるハギレ良く爽やかなツイン・ギター、好き嫌いを通り越してもはやRATTの顔となっているスティーブン・パーシー(Vo)のダミ声で繰り広げるRATT’N’ROLLで時代を席巻。カットTシャツや化粧を施したグラムなルックスをアピールしたプロモ・ビデオがMTVでオンエアされまくる恩恵も多大に受けましたが、ブレイクの要因は何と言ってもキャッチーなメロディを持つ楽曲の良さ、ギタリスト2人の絶妙なバッキング・アンサンブルとハーモニー、ウォーレンのハンマリングやプリング・オフを中心としたテクニカルな早弾きといった確かな音楽性そのもの。
特にウォーレンにはハマりましたね。
滑らかな早弾きをサラっとカマしちゃう#1、音使いが斬新な#2、人差し指から小指までを大股開きしてのプリングと師匠ジョージ・リンチ直伝のジャックオフ・ヴィブラートで鮮烈にソロを締める#3・・・。と言い出したらきりが無いくらいの名演のオンパレード。勿論楽曲も充実しており、LAメタルの代表曲#3に叙情も湛えた#7、これ又地味ながら左手大股開きを擁する疾走リフを持つ#8などカッコ良いリフと耳に馴染みやすいメロディが満載。
ジャクソンの「ロンドン」ギターとかヘビ皮を張った「パイソン」とか、憧れましたね。

Track List

1. Wanted Man
2. You're in Trouble
3. Round and Round
4. In Your Direction
5. She Wants Money
6. Lack of Communication
7. Back for More
8. Morning After
9. I'm Insane
10. Scene of the Crime

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WHITESNAKE / Slide It In

1984,uk

WHITESNAKEの6th。

前作で一度バンドをリセットしたデイヴィッド・カヴァーデール(Vo)がメンバーを再構成。ミッキー・ムーディ(G)、ジョン・ロード(Key)の出戻り組に、メル・ギャレイ(G)、コリン・ホッジキンソン(B)、MSGを脱退したコージー・パウエル(Dr)を加えたメンツで制作されました。

敏腕のジョン・カロドナー率いるゲフィンに移籍した効果か、サウンドが劇的に変化。前2作で漂っていたブルーズ・ロックをベースとしたソング・ライティング面のマンネリ感が払拭され、開放的で明快なメロディのハード・ロックが満載。メジャー感溢れるリフに乗ってキャッチーなサビを展開する#2,#5,#9,#10は勿論、ミッキー・ムーディのテイストが充満する#6、ロックンロールの#7までもがとにかくゴージャスに仕上がってます。

さらに、後にリリースされたUS盤では、脱退したミッキー・ムーディの代わりに加入した元TYGERS OF PAN TANG/THIN LIZZYのジョン・サイクス(G)のプレイを追加。ミックスもより抜けの良い感じに差し替えられダブル・プラチナの大ヒット。
実際、ジョン・サイクスがレコーディングしたのはバッキング中にワイルドなグリッサンドを追加したりとか、一部のギター・ソロをオリジナルのメロディに倣って弾き直しただけのようですが、これによって楽曲に勢いというか若々しさが加えられました。また、ジョン・サイクスにとっても良質な楽曲の構造を学ぶ機会ともなったようで、次作ではTYGERS OF PAN TANG/THIN LIZZY時代の作品からは想像できないくらいに成熟&充実した高品位な楽曲をデイヴィッドと共に作曲することになります。

Track List

1. Gambler
2. Slide It In
3. Standing In The Shadow
4. Give Me More Time
5. Love Ain't No Stranger
6. Slow An' Easy
7. Spit It Out
8. All Over Nothing
9. Hungry For Love
10. Guilty Of Love

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RATT / Invasion of Your Privacy

1985,USA

RATTの2ndアルバムInvasion of Your Privacy。

引き続きボー・ヒルがプロデュース。
小気味良いリフとウォーレン・デ・マルティーニ(G)のセクシーなソロがカッコ良い#1、#2のエンディングから間髪置かず劇的に始まる#3は、アメリカンらしい爽やかなリフや起伏ある展開も挿入したLAメタル史に残る名曲。ウォーレンのソロもテクニック、スリル、メロディを兼ね備えた名演です。
スティーブン・パーシー(Vo)、ロビン・クロスビー(G)のペンになるストレートな#4、
アコギをあしらったパワー・バラード#5。
ウォーレンが作曲に絡んだクールなヴァースと叙情のサビを持つヒネリの効いた佳曲#6。コンパクトで印象的なギター・ソロも勿論最高なんですが、このくらいのゆったりしたテンポだとウォーレンの緩急の妙で聴かせるソロもより映えますね。
フォアン・クルーシェ(B)が書いた仄かに湿っぽい#7では、ロビンのブルース・フィーリング漂う正統的ソロがナイス。
#8、#9、ウラから入るトリッキーなリフを持つ#10の終盤は典型的なRATT’N’ROLLで畳み掛けます。

#1をはじめとする前作の勢いそのままのRATT’N’ROLLに、楽曲の練りが深化した#3、#6などを加え、安定感とさらなる成長を見せた好盤です。
アリーナでの華やかなライブ・シーンに数々の名画のラブ・シーンを挿入した権利関係が大変そうな#1、マセたスティーブン少年の妄想を描いた#3のビデオ・クリップも名作!
ウォーレンのアモーレとパイソンですよ!そういえば、ロッキンfでアモーレ・ギターのペイント特集とかやってたなぁ。

Track List

1. You're in Love
2. Never Use Love
3. Lay It Down
4. Give It All
5. Closer to My Heart
6. Between the Eyes
7. What You Give Is What You Get
8. Got Me on the Line
9. You Should Know by Now
10. Dangerous But Worth the Risk

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VANDENBERG / Alibi

1985,NETHERLANDS

VANDENBERGの1985年3rd。

曲だけでなく音作りもカラっとアメリカ向きになった。1stで見られたヘヴィ・メタル王道路線である#5もギターの音がアメリカン。これがウェットな感じだったら最高だったのに・・・。ヨーロピアン・テイストはラストのインスト#10に仄かに感じられるくらいかな。#9のサビは一部DEF LEPPARDのヒット曲”Photograph”のパクリだし。どうしてもアメリカで売れたかったんだろう。その望みは叶わなかったが。

Track List

1. All the Way
2. Pedal to the Metal
3. Once in a Lifetime
4. Voodoo
5. Dressed to Kill
6. Fighting Against the World
7. How Long
8. Prelude Mortale
9. Alibi
10. Kamikaze

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YNGWIE MALMSTEEN / Trilogy

1986,SWEDEN

マーク・ボールズ(Vo)、イェンス・ヨハンソン(Key)、アンダーズ・ヨハンソン(Dr)を従え制作されたイングヴェイ・マルムスティーン(G)のソロ1986年3作目。

後に邪念のあまり(?)プレイ、サウンド、体型の全てが荒く醜くなっていくイングヴェイですが、この頃(22~23歳)の音楽に賭ける気持ちは(多分)相当に純粋だったんでしょう。そんなイングヴェイの情熱がそのまま形になったHR/HM史に残るネオ・クラシカル・メタルの金字塔。ビデオ・クリップにもなった#1は、キャッチーでメロディアスなボーカル・ラインに起承転結のはっきりしたソロが映える名曲。ザクザクしたルート音刻みにクワイヤが乗る疾走型ネオクラ・メタルの王道パターン#2。この筋の第一人者イェンス・ヨハンソンの短いながらも個性が際立つシンセ・ソロが見事です。続いてミディアム・テンポの王道パターン#3。マークの歌い上げるスタイルがマッチしています。ピッキングの強弱で微妙にコントロールされたトーンを聴かせる、アコギをフィーチャーした耽美なインストゥルメンタル#4。#2と同タイプの#5は、ユニークなベース・ラインとイングヴェイ、イェンスのバトルが聴き所。メジャーっぽいリフからマイナーな歌メロに移行する、これも王道パターンの#6。ALCATRAZZのIsland in the Sunのフレーズが一瞬飛び出すギター・ソロにニヤり。それにしても艶のあるギター・トーンが素晴らしいです。クラシカルなオブリガードが強力な#7。スローなテンポにスクリームするボーカルが乗るヘヴィでダークな#8も王道パターン。そして、ネオ・クラシカルの壮絶なインストゥルメンタル#9。エコノミー・ピッキングを駆使したスリリングでクラシカルなギターに耳が行きがちですが、ここは是非ベースも聴きこんで欲しいですね。対位法のごとくメインのメロディに対等に渡り合うラインが気持ち良いです。イングヴェイとイェンスのバトルも鳥肌ものの素晴らしさ。後のフォロワー達がパクり捲くったフックが満載の、まさにネオ・クラ・メタルの教科書。自動車事故で負傷する前のイングヴェイ最後の作品だけに、テクニック・エモーション・構築度の全てが最高のプレイを聴かせています。

Track List

1. You Don't Remember, I'll Never Forget
2. Liar
3. Queen in Love
4. Crying
5. Fury
6. Fire
7. Magic Mirror
8. Dark Ages
9. Trilogy Suite Op: 5

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TONY MACALPINE / Edge of Insanity

1986,USA

超絶ギタリスト発掘オヤジとして有名なマイク・ヴァーニーが世に送り出したイングヴェイ系ネオクラシカル・ハイテク・ギタリスト トニーマカパイン(G/Vo)の1986年1stアルバム。

速い・上手い・熱いの3要素が高次元で融合。どこを切ってもメロディアスでハイテクなギターが溢れてます。スティーブ・スミス(Dr)、ビリー・シーン(B)が参加。

Track List

1. Wheel of Fortune
2. The Stranger
3. Quarter to Midnight
4. Agrionia
5. Empire in the Sky
6. The Witch and the Priest
7. The Taker
8. Chopin, Prelude 16, Opus 28
9. Edge of Insanity
10. The Raven
11. No Place in Time

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RATT / Dancin’ Undercover

1986,USA

ボー・ヒルのプロデュースによるRATTの1986年3rdアルバムDancin’ Undercover。

小刻みなギターのシーケンス・フレーズが新鮮な響きの#1。作曲に名を連ねたボー・ヒルによるエフェクトも効果的です。
タイトル通りの疾走するドライヴィング・ナンバー#3。リフがサビと一体化しコーラス・ハーモニーのハモリ・パートを微妙に異なるメロディで繰り返すパターンはRATTお得意の手法ですね。
問答無用にカッコ良いアップ・テンポのHR/HMナンバー#5。
ヘヴィなリフと爽やかでメロディアスなサビの対比が鮮やかな、ロビン・クロスビー(G)のセンスが溢れたキャッチーな#6。
ウォーレン・デ・マルティーニ(G)が書いた#7は、地味ながらもバッキング・ギターの練りとコード進行に合わせてスムーズかつスリリングに展開するギター・ソロが聴き所。
細かくスウィングする#9、クリーン・ギターのカッティングをあしらった#10などには、これまで無かったテイストが感じられます。

硬派なイメージのジャケット・アート、派手なフレージングを封印し正統派プレイを中心に音使いや構成の巧みさに焦点を絞ったウォーレンのプレイ・スタイルの変化、アレンジやリズム・パターンに盛り込んだ新要素、といった部分によく言えば安定悪く言うとマンネリな状況に甘んじないバンドの新境地を開く意気込みが感じられます。

Track List

1. Dance
2. One Good Lover
3. Drive Me Crazy
4. Slip of the Lip
5. Body Talk
6. Looking for Love
7. 7th Avenue
8. It Doesn't Matter
9. Take a Chance
10. Enough Is Enough

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カテゴリー: RATT

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OZZY OSBOURNE / The Ultimate Sin

1986,UK/USA

OZZY OSBOURNEの4thアルバムThe Ultimate Sin。

MTVでのPV露出を考慮したルックス面の理由が大きいとは思いますが、前作から参加したジェイク・E・リー(G)に、ランディ・カスティロ(Dr)、フィル・スーザン(B)を加えた若々しいラインナップにバンドを一新。
音楽性もプロデューサーにヒット・メイカーのロン・ネヴィソンを迎え、アメコミ風なジャケット・アートに象徴される明快なアメリカン路線に変化。

ランディの叩き出すトライバルなビートで幕を開けるスケールの大きな#1。
オジー・オズボーン(Vo)によるサビのコーラス・ハーモニーがキャッチーなアップテンポの#2。
ジェイク・フェイクのひとつ、擬似ディレイを前面に出したリフ#3を持つ#3。
オジー流ロックン・ロール#4。
ジェイクの様々なオブリガードが楽しめる、シンプルなリフとキャッチーなサビの#5
溌剌としたバンドのパフォーマンスがPVにもなったLAメタルっぽいムードの#6。
ジェイクのアーティスティックな才能が開花したエピック・チューン#7。
ハーモニクスを活用したリフにジェイクのアイディアが光る#8。
ヘッド部分の弦を押して開放弦のハーモニクスのピッチをコントロールするジェイク・フェイクをさりげなく使ったフィル作曲のスマッシュ・ヒット曲#9。

より発言権を得たからか、冴えまくるジェイクのプレイが随所に楽しめる反面、オジーのキャリア中最もポップな音楽性が異彩を放つ異色作です。

Track List

1. The Ultimate Sin
2. Secret Loser
3. Never Know Why
4. Thank God For The Bomb
5. Never
6. Lightning Strikes
7. Killer of Giants
8. Fool Like You
9. Shot in the Dark

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JOHN NORUM / Total Control

1987,SWEDEN

スウェーデンのメロディアスなHR/HMバンドEUROPEを脱退したジョン・ノーラム(G)の1stソロ1987年作Total Control。

カヴァー以外はジョンとベースで参加したマルセル・ヤコブとの共作となっています。
ジョンのギターは師匠ゲイリー・ムーア譲りのブルージーかつ時々マシンガン・ピッキングに、マイケル・シェンカー風叙情味を加えた全編エモーショナルなプレイで楽しませてくれます。
なかなか上手いボーカルも聴かせていますが、#2、#5、#6はスウェーデンの便利屋シンガー ヨラン・エドマンが素晴らしいハイトーンで頑張ってます。
楽曲はPOPになっていくEUROPEと相反してギター・オリエンテッドで、カッコ良いメロディアス・ハード・ロックが満載。
#2の展開がなんとなくEUROPEのThe Final Countdown風だったり、#7がモロにWHITESNAKEのStill of the Nightなのはご愛嬌でしょうか。
タイトル通り炎のように熱い#5。
ジョン愛用のギターが盗まれてそれを必死で取り戻すまでのストーリーが、単純ながらもギタリストであることを主張して高感度高いビデオクリップとなったVINNY VINCENT INVASIONのカヴァー#6。
抑えたトーンでの枯れたプレイから早弾きと激情の1音半チョーキングなど、欧州的なメロディの叙情インストゥルメンタル#10。
フィル・ライノットそっくりの歌唱と一人ツイン・ギターが良い感じの日本盤ボーナス・トラックのTHIN LIZZYのカヴァー#11。

ギタリスト=ジョン・ノーラムの嗜好をはっきりと主張したアルバムでありながら、自己満足に終わらないクオリティの高さも兼ね備えた良質のハード・ロック・アルバムです。

Track List

1. Let Me Love You
2. Love Is Meant to Last Forever
3. Too Many Hearts
4. Someone Else Here
5. Eternal Flame
6. Back on the Streets
7. Blind
8. Law of Life
9. We'll Do What It Takes Together
10. In Chase of the Wind
11. Wild One

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TONY MACALPINE / Maximum Security

1987,USA

超絶技巧ネオクラシカル・ギタリスト トニー・マカパイン(G/Key)の1987年2nd。

全編ネオクラ・インストの嵐!ジョージ・リンチやジェフ・ワトソンというハイテク・ギタリストもゲスト出演でギタリストなら必聴。ことテクニカルという部分では元祖のイングヴェイをも凌ぐ。お約束のピアノも上手い。

Track List

1. Autumn Lords
2. Hundreds of Thousands
3. Tears of Sahara
4. Key to the City
5. The Time and the Test
6. The King's Cup
7. Sacred Wonder
8. Etude #4 Opus #10
9. The Vision
10. Dreamstate
11. Porcelain Doll

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OZZY OSBOURNE / Tribute

1987,UK/USA

1987年に突如リリースされたランディ在籍時の模様を収録したライブ。
#8に挿入されたギターソロ・タイムやBLACK SABBATHの名曲#10での天駆けるようなソロを聴くと、もっともっとランディのギターを聴きたかったとの思いがこみ上げてくる。

Track List

1. I Don't Know
2. Crazy Train
3. Believer
4. Mr. Crowley
5. Flying High Again
6. Revelation (Mother Earth)
7. Steal Away (The Night)
8. Suicide Solution
9. Iron Man
10. Children of the Grave
11. Paranoid
12. Goodbye To Romance
13. No Bone Movies
14. Dee - (Randy Rhoads studio out-takes)

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