メロトロン のレビュー

ANEKDOTEN / Gravity

2006,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドANEKDOTENの4thアルバムGravity。

ヘヴィなグルーヴと唸りを上げるメロトロンによる音のカベが押し寄せるド迫力の#1。ヘヴィな中にもヴィブラフォンのもたらす寂寥感が効いてます。
スペイシーなメロトロンの白玉リフ、アルペジオをバックにした歌唱パートなど、キャッチーに仕上がった#2。終盤のサイケな音色のオルガン・ソロも味わい深いです。
パーカッションとアコギの伴奏をベースに淡々と詩情を綴った#3。冷ややかな音色のメロトロンがサビのコーラス・ハーモニーを増強したり、サウンド全体の陰影を浮かび上がらせたりと活躍。
底辺をうねるベース・ライン、くすんだ音色のオルガンとクリーン・ギターのアルペジオでクールに鬱な叙情を描く、重く静かな#4。
サンプルのように無機的でシンプルなビートに妖しげな男女混声コーラスが舞う#5。エフェクトによるSEのようなサウンドスケープやアンビエントなピアノをあしらって実験的ムードも漂います。
暗鬱ボーカル・メロディとヴィブラフォンによる静のパートと、メロトロンとヘヴィ・グルーヴが覆い尽くす動のパートがせめぎあうタイトル・トラック#6。
グラスハープのようなやわらかい音色のサウンドで霧のように包まれたアコースティック小品#7。
4拍子ながらアクセントをずらしたトリッキーなリズムがフックとなったインストゥルメンタル・ナンバー#8。

重金属のようなベースが押し捲る直接的なヘヴィネスがやや後退、トレモロがかかったヴィブラフォンやオルガンの不穏なサウンドでダークな心象風景を描き、メロトロンが効果的にアクセントをつける事でサウンドが整理され、随分聴き易くなりました。
このオルガン、クレジットにあるFARFISAなるイタリアの電子オルガンかもしれません。

Track List

1. Monolith
2. Ricochet
3. The War Is Over
4. What Should But Did Not Die
5. SW4
6. Gravity
7. The Games We Play
8. Seljak

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FLOWER KINGS / Paradox Hotel

2006,SWEDEN

FLOWER KINGSの2006年9thアルバムParadox Hotel。

2枚組アルバム全体のトーンはもはや初期のようなスリリングなインストパートや叙情性はかなり後退し、ここ数作と同様な爽やかシンフォニック路線。
レイドバックとまではいかないものの何か”角が取れた”かのような落ち着いたサウンドは正直物足りないですね。
そんな中、ロイネ・ストルト(G/Vo)がヴォーカルを取る楽曲では自らメロトロンも弾いたりと味わい深い印象を残します。
その極め付けが、ロイネお得意のアダルト&叙情フレーバーが堪らないDISC1の#8。この味のある渋いヴォーカルにアコギの爪弾き、ゾワっと忍び寄るメロトロン、そしてギターによるメランコリックな必殺のリフレイン・フレーズ。ヨナス・レインゴールド(B)のフレットレス・ベースによるソロやトマス・ボーディン(Key)の翳りの有るエレピなどアンサンブルも最高。
説得力や聴き手を引き込む歌唱力はさすがロイネ。ロイネのヴォーカル曲だけに絞り込んで曲数も減らした方がアルバムとしての焦点がスッキリまとまって出来が良くなったと思いますね。

Track List

DISC 1
1.Check In
2.Monsters & Men
3.Jealousy
4.Hit Me With A Hit
5.Pioneers Of Aviation
6.Lucy Had A Dream
7.Bavarian Skies
8.Selfconsuming Fire
9.Mommy Leave The Light On
10.End On A High Note

DISC 2
1.Minor Giant Steps
2.Touch My Heaven
3.The Unorthodox Dancinglesson
4.Man Of The World
5.Life Will Kill You
6.The Way The Waters Are Moving
7.What If God Is Alone
8.Paradox Hotel
9.Blue Planet

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FROST / Milliontown

2006,UK

プロデューサー、コンポーザーのJEM GODFREY(Key/Vo)が中心となり 、UKのプログレ・バンドIQのAndy Edwards(Dr)、John Jowitt (B)、ARENAのJohn Mitchell(G/再結成IT BITESでも活躍中!)らからなるプログレ・バンドFROST 衝撃のデビュー・アルバムMilliontown 。

とにかくこのJEM GODFREYなるオッサン(1971年生まれ)のセンスが爆発したテクニカルなプログレッシブ・ロックがバリバリ 全開。
この音像でシャウトするVoとヘヴィなギターリフでもあれば、プログレ・メタルなんていうありがちな烙印(失礼)を押されてるところだろうが心配は無用。サウンドのそこかしこのムードや渋めのヴォーカルに英国らしい翳りが感じられてナイス。
これはタダ者じゃありません。オープニングを飾るインストゥルメント・ナンバー#1冒頭の静かなパートでの7拍子なピアノによるリフレインでもう感じまし たね。あ、これは来るな、と。そしたら来ましたよ、バンドが勢揃いしての怒涛のヘヴィ・プログレ・パートが。この音圧と若干変態っぽい不条理な転調が もう堪らなくイカしてます。
#4ではデジタルなブレイク・ビーツによる現代風ファットなグルーヴを取り入れており、単なる懐古趣味バンドでない事を物語ってます。
そして、デビュー・アルバムから何といきなり26分という長尺の#6が最大のハイライト。
序盤のピアノの調べをバックに英国っぽい思索ムードなヴォーカル・パートで進行し、ズ太いシンセによるリフでグイグイと スリル満点で来るあたりはトリ肌全開。
全体的にヘタにメロトロンとかの小道具に頼らず(#3イントロは若干それ風だけど)、最新デジタル・シンセを惜しげも無く 大放出してのサウンド・メイキングが潔く、シャウトしないが男っぽいヴォーカルもケレン味無くて好感ですね。又なによりも、甘くは無いがキャッチーなメロディが随所に散りばめられており、なお且つカッコ良い!

Track List

1. Hyperventilate
2. No Me No You
3. Snowman
4. The Other Me
5. Black Light Machine
6. Milliontown

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PAATOS / Silence of Another Kind

2006,SWEDEN

女性ボーカルをフィーチャーしたスウェーデンのメランコリックなプログレッシブ・ロック・バンドPAATOSの3rdアルバムSilence of Another Kind。

Huxflux Nettermalm(Dr)のロックなドラミングやヘヴィなグルーヴ、サビの変拍子がカッコいい#1。フェイザーをかけたエレピやフィードバック音を挿入するセンスが秀逸です。
ジャジーなサビを持つ暗鬱バラード#2ではPetronella Nettermalm(Vo)がしっとりと歌い上げます。
トレモロ・ギターに導かれ、暗鬱な中にも仄かな明かり射す#3は、サビメロが醸し出す炭火のような暖かさを是非感じて欲しいですね。メロトロンも切り込んできて何度聴いても感動でジーンとします。
吐息すらエフェクティブに使用するセンスと徐々に切り込むメロトロンが素敵で、静と動の対比が見事なコントラストを見せるクールな佳曲#4。
優しいボーカルに絡みつくコーラスが癒し効果抜群の序盤から一転、サビでは激情を迸らせる最高にロックなヒーリング・ミュージックの#5。打ち込みのSE風小曲#6。
一瞬カーディガンズ?と思っちゃうようなオシャレでPOPな曲調ながら、サビで「奇跡なんて起こらないわ」と絶望を歌う#7。ジャズのテクニックでロックなフレーズを爆発させるドラムが最高にカッコ良いです。
実質のラスト曲#8ではゲストのヴァイオリンやバリトン・サックスがメロトロンと共に盛り上がる暗黒バラード。胸が締め付けられて苦しい程に感動します。
アルバムを締めくくるSEの#9がナイスな余韻を与えてくれます。

暗鬱なのに何故か暖かさを感じさせ、ジャズのクールさとロックの熱さが共存。テクノロジーを活用しつつもオーガニックな優しさを併せ持つ、より完成度を高めたPAATOS流プログレッシブ・ワールドが一瞬のムダも無く展開された最高のアルバムです。

Track List

1.Shame
2.Your Misery
3.Falling
4.Still Standing
5.Is That All?
6.Procession Of Fools
7.There Will Be No Miracles
8.Not A Sound
9.Silence Of Another Kind

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PORCUPINE TREE / Deadwing

2006,UK

スティーヴン・ウィルソン(G/Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドPORCUPINE TREEの8thアルバムDeadwing。

テクノ風シンセのシーケンス・パターンにハード・エッジなギター・リフが乗って疾走する#1。中間部にメロディアスなパートと若干の思索パートを盛り込み、展開の妙を見せるPORCUPINE TREEならではの楽曲。
音の間を活かした70年代ロック風ギター・リフがグルーヴィな#2。サビでは超ド級ヘヴィ・リフとギャヴィン・ハリソン(Dr)のパワフルなドラミングが絶妙にシンクロしています。
もはやお家芸とも言える、清廉なメロディのボーカル・チューン#3。リチャード・バルビエリ(Key)の白玉シンセとスティーヴンの囁くような歌唱が爽やかさを演出。
ベースのリフがリードするファンキーさの中に、屈折した音響効果をスパイスに加えた#4。
繰り返されるギターのアルペジオが誘発するトリップ感を軸に、霧のようなシンセやヘヴィなリフ・パートを加え、起伏を生み出す思索路線12分超の#5。
リズム・ボックスの無機的シンプル・ビートに、アコギの優しいカッティングやメロトロンによる足踏みオルガンやクワイヤの有機的なサウンドが乗った不思議なムードの#6。
ダークでトリッキーなリズムをベースにした歌唱パート、ヘヴィなギター・リフ、センチメンタルでメロディアスなサビと、バラバラになりそうな要素が奇跡の融合を果たした#7。
4拍子+5拍子のクールな歌唱パートからサイケなブリッジを経て、メロディアスなサビに展開する#8。終盤での叙情から激情への移行が感動的です。
レコードのスクラッチ・ノイズのSEから始まる、スペイシーかつサイケなムードのトリップ・チューン#9。

様々な音楽的バックボーンを随所に垣間見せながら、最終的にはPORCUPINE TREEのスタイルとして纏め上げてしまう貫禄の1枚。#1、#4の変態的なギター・ソロでエイドリアン・ブリュー、#1、#3、#5のバッキング・ボーカルでOPETHのミカエル・オーカーフェルトが客演しています。(ミカエルは#5で渋いフレージングの2ndギター・ソロも)

Track List

1. Deadwing
2. Shallow
3. Lazarus
4. Halo
5. Arriving Somewhere But Not Here
6. Mellotron Scratch
7. Open Car
8. Start of Something Beautiful
9. Glass Arm Shattering

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RETROHEADS / Introspective

2006,NORWAY

オシャレなプログレという新ジャンルを生み出したノルウェーのプログレッシブ・ロック・バンドRETROHEADSの2ndアルバムIntrospective。

歌える専任男性ボーカルが加入。彼が歌い上げる妙にアッパーなムードに最初驚くが、女声コーラスとメロトロンが出てくるとやはりRETROHEADS。3連刻みの5拍子に乗り、叙情と屈折した明るさが交錯する#1。
ポルタメントの効いたシンセと壮大なシンセ・ストリングスによるシンフォニックでスペイシーな中間部インスト・パートと、爽やかな女声コーラスが印象的な#2。
美しい女性スキャットで幕を開けるバラード#3。勿論単なるバラードで終わるはずも無く、3連刻み7拍子をバックに1パッセージ4音で繰り返すポリリズム風アルペジオがポルタメントの効いたトーン共々トリップ効果を誘うインスト・パートが最高にカッコ良い。
基本、7拍子のコンテンポラリーなポップスだが、メロトロンにシンセ、ジャジィな女声コーラス・パートとRETROHEADSらしさ爆発の#4。
ローファイなイントロに続いて提示されたテーマ・メロディが、シンセやコーラスで繰り返し登場する珍しく構築度の高い#5。クールビューティなコーラスがHATFIELDのノーセッツを彷彿させる。
メランコリックなアコギの爪弾きがリードするヨーロピアン・ムード漂うAOR風ナンバー。のはずが、テンポアップしてキャッチーになったり、インスト・パートではうねるシンセ・ソロを中心にスペイシーに迫ったりと変幻自在の#6。
ゆったりとした4拍子の思索系パート、7拍子のシンセ・ソロ、ミニマルなシンセのアルペジオなどのパーツが混在する#7。この未完成さというか雑多な感じが良い。
正統派メロディのポップスがどんどん屈折していくドラマティックなプログレ・チューン#8。
ボーカル・パートの中にシンセのアルペジオとコーラス被せるなど、強力な持ち技を単独では無く併せて使用。豊富なアイディアと卓越したセンスを感じさせるアルバム最長9分半の#9。

ヴィンテージ・キーボードが活躍するシンフォニックでスペイシーなプログレ・パートに、アン=クリスティン・ベンディクソン(Vo)とデボラ・ジニアス(Fl/Vo)によるオシャレな女声コーラスのジャジィなパートと、多少のやりっ放し感を交えた予測不能な展開を見せつつも耳に残るキャッチーさが全てを解決してしまう脅威の21世紀型プログレ。

Track List

1. Rainy day
2. Living in a bubble
3. Black hole eyes
4. One world
5. Be aware
6. I turn to you
7. Slaves of gold
8. Tidal wave
9. Karma

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WHITE WILLOW / Signal To Noise

2006,NORWAY

ノルウェーのプログレッシブ・フォーク・バンドWHITE WILLOWの5thアルバムSignal To Noise。

メロトロンやフルートが織り成すダークなバッキングに、中低音域を中心にした情感たっぷりの女性ボーカルが乗る暗鬱ゴシック・チューン#1。サビでは激しさを増すバッキングに合わせてハリのあるトーンに声を変化させ、抑えた感情を一気に開放するかのレンジの広さも披露。
暗い叙情を漂わせた変拍子リフレインから優しいムードに一転、静かなパートでのウィスパー風歌唱を中心にしたセルフ・ハーモニーが美しい#2。終盤ではエンジェリック・ヴォイスによる美麗スキャットも登場。
ギターを中心に屈折したメロディで綴るダークで妖しいインストゥルメンタル#3。
爽やかと言っても良いくらい軽やかなサウンドにキュートな歌唱が乗るキャッチーなナンバー#4。くすんだオルガンやメロトロンが巧みに挿入されており、単なるポップに止まらない不思議な心地良さを演出しています。
中間部にヴィンテージ風シンセのソロを中心にしたプログレッシブなインスト・パートを内包した、ピアノのメランコリックなテーマ・メロディが印象的な9分超のドラマティックな叙情ナンバー。ここぞのクライマックスではメロトロンを惜しげもなく大放出。
アコギとエレキのダブルトラックによるアルペジオが透明感たっぷりな、ゆったりしたテンポのフォーク・ナンバー#6。メロトロンの清涼感が良い感じです。
悲哀に満ちたギターのメロディをメロトロン・ストリングスが支えるメランコリックなインストゥルメンタル#7。転調しまくるバックに合わせたテクニカルなシンセ・ソロと表情を変えるメロトロンのトーンも聴き所です。
エキゾチックなメロディや叙情メロディを上手く融合させた、コンテンポラリーな感触を持つ#8。
ドローン音をベースに枯れたエレキ・ギターがモーダルなメロディを爪弾くインスト小品#9。

前作ではゴシック・メタル風なテイストも加味しながらより普遍的なサウンドに変化してきたWHITE WILLOW。今回も看板は女性ボーカルですが、Sylvia ErichsenからTrude Eidtangにメンバー・チェンジ。彼女の時にコケティッシュな幅広い表現力が、より洗練されたバンド・サウンドと見事にマッチしています。

Track List

1. Night Surf
2. Splinters
3. Ghosts
4. Joyride
5. The Lingering
6. The Dark Road
7. Chrome Dawn
8. Dusk City
9. Ararat

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ANEKDOTEN / A Time of Day

2007,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドANEKDOTENの5thアルバムA Time of Day。

従来の引き摺るような重金属的ヘヴィネスと比べると若干質感を変えた埃っぽいネバリを感じさせるギター・リフのオーガニックなグルーヴに、メロトロンが絡みつくアップテンポ・ナンバー#1。
サイケなテイストのオルガンがクールに展開する#2。終盤のピアノとメロトロンをバックにした寂寥感たっぷりなフルートのソロが最高。
ルート音の動きが少ないベース・ラインとギターのアルペジオ・パターンで淡々と進行する#3。

ダークな中にも仄かな暖かさを感じさせる歌モノ#4。曇天を思わせるメロトロンは勿論、スペイシーなモーグ・シンセのソロも印象的です。
#4から繋がったインストゥルメンタル・ナンバー#5。ヴィブラフォンが寂寥感を醸し出しています。
アコギのアルペジオをバックにしたフォークな序盤から、メロトロンとARPシンセのスペイシーなインスト・パート、男女ユニゾン・ボーカルの妖しいパートへと展開していく静寂の#6。
一転して古びたオルガンとメロトロンのイントロ・リフがリードする軽快なテンポの#7。
再び男女ユニゾン・ボーカルで妖しくも淡々と進行しつつも、ダークな中に一筋の光明を見出してエンディングを迎える#8。

#1,#7のような攻撃的な楽曲を含みつつも、よりリラックスした曲調が大半を占める作風となりました。
代名詞のようなメロトロンももはや飛び道具では無く、ギターやベース、オルガンなど他のパートや他の鍵盤楽器とオーガニックに絡むことで、即効性の有るあからさまな泣きよりもむしろ心の深い部分に突き刺さる訴求力を発揮。バンドとしての成長が感じられます。

Track List

1. The Great Unknown
2. 30 Pieces
3. King Oblivion
4. A Sky About to Rain
5. Every Step I Take
6. Stardust And Sand
7. In For A Ride
8. Prince of the Ocean

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BIG BIG TRAIN / The Difference Machine

2007,UK

アンディ・プール(B/Key)、グレッグ・スパウトン(G/Key)による英国の2人組プログレッシブ・ロック・ユニットBIG BIG TRAINの2007年5thアルバムThe Difference Machine。

ニック・ディヴァージリオ(Dr/SPOCK’S BEARD)、ピート・トレワヴァス(B/MARILLION)ら、その筋のツワモノを要所に招き、2人のアイディアを余すところ無くバンド・サウンドとして具現化。

ゲストプレイヤーによるヴィオラを中心に、サックス、ピアノ等でテーマ・メロディを提示した端整な#1。
バンド全体で畳み掛けるアンサンブルによるアグレッションと、メロトロンを中心とした静かな叙情とで起伏を付けた展開の14分超に及ぶ実質的なオープニング・チューン#2。時折挿入されるエフェクトを掛けたヴォイスやサックスや鍵盤のソロが醒めた狂気を醸し出しています。
#2の余韻をメロトロンやSEで引き継いだインストゥルメンタル小品#3。
コンテンポラリーな感触のメロディアスなボーカル・チューンに、ヴィオラによる#1のテーマ・メロディを挿入し仄かな叙情を漂わせながら13分超を描き切った#4。
霧のように漂うシンセの白玉が妖しくも神秘的なムードを醸成するインストゥルメンタル小品#5。
透明感ある歌唱を活かした清楚なボーカル・チューン#6。
コーラスと繊細なアルペジオで紡いだ神秘的で美しい静寂からメロトロンをバックにしたサックス・ソロを経て、#1のテーマ・メロディを奏でるヴィオラで統一感を持ってエンディングを迎える#7。

VDGGKING CRIMSONの不条理で強引な展開とGENESISの英国的メランコリーを高次元で融合、叙情的でありながら、あまり湿っぽくならずどこか醒めた感じのクールな質感を持った独特のサウンドが魅力です。

Track List

1. Hope This Finds You
2. Perfect Cosmic Storm
3. Breathing Space
4. Pick Up If You're There
5. From The Wide Open Sea
6. Salt Water falling on uneven ground
7. Summer's Lease

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FLOWER KINGS / The Sum of No Evil

2007,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンドFLOWER KINGSの2007年11stアルバムThe Sum of No Evil。

ウーリッツァー(多分)のくぐもったトーンのフレーズが、バンド・インと共にポルタメントの効いたアナログ・シンセでリピートされると、一瞬にしてブライトなFLOWER KINGSの世界が広がるシンフォニックな#1。ハッセ・フロベリ(Vo/G)の優しい歌唱、ヨナス・レインゴールド(B)のマイルドなフレットレス・ベースのオブリガードを中心に醸し出す、あくまでもポジティブな桃源郷サウンドは相変わらずです。勿論、御大ロイネ・ストルト(G)も健在。テーマメロディをジャジーにアレンジし、アーミングを絡めてギターとは思えないニュアンスに仕上げたソロが見事です。
ロイネの渋いボーカルにホーミーっぽいSEを交えてのどかにゆったり進行していく#2は、ダークなパートを経ていきなりシンフォニク&叙情的なハイライトを迎えます。そして、泉のように溢れる豊富なアイディアを具現化した様々なパートが時にジャジーに、時に壮大に、とカラフルな表情を見せて展開していく24分超の大作。
ロイネの素晴らしい歌唱とギター・ソロが堪能できるバラード#3。
序盤のメロトロンとマリンバが支配する静けさから、ダークでスペイシーなシンフォニック・ロックに展開する所が往年のスリリングなFLOWER KINGSを想起させる#4。
トマス・ボーディン(Key)の書いた、ユーモラスなトーンのメイン・フレーズが耳を引くインストゥルメンタル・ナンバー#5。
あくまでも歌モノでありながら、さりげなく重層的なアレンジとテクニシャン達による余裕のプレイでドラマティックに仕上がった#6。

これまでの作品でドラマティックなムードを演出していたインスト・パートのアレンジにおいて、フュージョン風味の比重が増量、アダルトなムードが薫るシンフォニック・プログレに進化したアルバムです。

Track List

1. One More Time
2. Love Is the Only Answer
3. Trading My Soul
4. Sum Of No Reason, The
5. Flight 999 Brimestone Air
6. Life In Motion

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KULA SHAKER / Strange Folk

2007,UK

英国のサイケデリック・ポップ・ロックバンドKULA SHAKERの11年ぶりとなる3rdアルバムStrange Folk。

とかくインド云々で語られる事の多いKULA SHAKERですが、そんな論調はまさに「木を見て森を見ず」ですね。本質的な音楽性は古き良き時代のサイケデリアにこそあり、インド的な要素もそこに包含される事を踏まえれば、この再結成アルバムも相変わらず極上のサイケ・ポップと言えるんではないでしょうか。

ギターのグリッサンドに掛けたディレイとサビでのスキャットとギターによるオブリガードのフレーズだけで、10年以上のブランクを吹き飛ばす#1。
リコーダーを絡めたストレンジな風合いのリフから突入する最初のヴォーカル・パートが、60年代ビート・サイケっぽくてクールな#2もオルガンがグリスで盛り上げるサビになるとグルーヴィ&カラフルに展開。
3連ロッカ・バラードの#3ではメロトロンの味付けもナイス。
先行ミニ・アルバムにも収録されていた#4はオルガンのバッキングに乗った王道サイケなサビが最高にイカしてます。
アルバム中盤はゲストのホーン等をフィーチャーしたエキゾチックなナンバー#6やバラード#7、メロトロンの白玉とヴォーカル・ハーモニーがサイケなムードを醸成しサビのオルガンが#4のマイナー・バージョンのような雰囲気で迫る#8でしっとり聴かせます。
続いて5拍子がクールな#9で目先を変え、田園フォークにオルガンやメロトロンの装飾でカラフルに仕上がった#10で一息入れ、エッジの立ったギター・リフがリードする#11で引き締め、サイケで幽玄な#12がラストを飾ります。

年齢を重ねたせいか弾けるようなエナジーは減少してますが、それを補って余りある深みとコクがKULA SHAKERサウンドのさらなる熟成を感じさせる好盤です。

Track List

1. Out on the Highway
2. Second Sight
3. Die for Love
4. Great Dictator (Of the Free World)
5. Song of Love/Narayana
6. Strangefolk
7. Shadowlands
8. Fool That I Am
9. Hurricane Season
10. Ol' Jack Tar
11. 6 Ft. Down Blues
12. Dr Kitt

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OPETH / The Roundhouse Tapes

2007,SWEDEN

OPETHの2006年11月9日ロンドン公演を収録したライヴThe Roundhouse Tapes、2007年リリース。

当日の模様がMCも含め忠実に再現されており臨場感抜群。Mikaelのクリーンとグロウルを見事に使い分けたヴォーカル・パフォーマンスが静と動を見事に表現し、Peterのナイスなギター・ワークが彼らの楽曲の複雑なアレンジをライヴでも破綻無く再現。
Perはディストーション・オルガンを中心としたKeyによるサポートとバッキングVoでもサウンドに厚みを持たせる事に多大に貢献している。
素晴らしくタイトな演奏はメンバーのミュージシャン・シップの高さとバンドの充実ぶりを伺わせる。しかし残念ながらPeterは既に脱退。この事が2008年春にリリースが予定されている新作にどう影響するか注目です。

Track List

Disc 1
1. When
2. Ghost of Perdition
3. Under the Weeping Moon
4. Bleak
5. Face of Melinda
6. The Night and the Silent Water

Disc 2
1. Windowpane
2. Blackwater Park
3. Demon of the Fall

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PAATOS / Sensors

2007,SWEDEN

PAATOSの2007年発売のライブ・アルバムSensors。

限定500枚のアナログ・ヴィニール盤。ベースのステファンが経営するレコード店のレーベルMellotronenよりリリース。ライヴなので当たり前だが、オーバーダブ無しのシンプルなアンサンブルが奏功。このバンドにしか出せない独特の寂寥感がスタジオ・ヴァージョンを遥かに凌ぐ勢いで迫ってきます。見開きダブル・ジャケット仕様で7曲収録。

Track List

1. Happiness
2. Your Misery
3. Gasoline
4. Téa
5. Hypnotique
6. Absinth Minded
7. Sensor

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MOON SAFARI / Blomljud

2008,SWEDEN

爽やかなシンフォニック・プログ・バンドMOON SAFARIの2ndアルバム Blomljud。

アカペラ・コーラスで幕を開けるDISC1 #1。
#1を引き継ぐ15分超の大作DISC1 #2。爽やかなボーカル、ピアノやアコギの清涼感を、変拍子を含む起伏あるアレンジに自然に溶け込ませる脅威の力量を早くも見せ付けます。
ダーティなオルガンが唸る序盤のシリアスでヘヴィなタッチから一転、雄大で爽やかなシンフォニック・ロックに展開するインストゥルメンタル・チューンDISC1 #4。
シタールの味付けが効いたフォーク・タッチのDISC1 #5。
ピアノのフレーズからダークネスを湛えたパートを経てスライド・ギターが舞うシンフォニックなイントロへ移行。ピアノにメロトロンやアコギが加わるボーカル・パートを中心に、透明感あるインスト・パートが感動的なメロディを紡ぐドラマティックなハイライト・チューンDISC1 #6。
カントリーっぽいギターから始まる軽快なDISC2 #1。瑞々しいサウンドに自然な7拍子、天駆けるギター・ソロやジャジィなコード進行の洒落たコーラス・パートなど豊富なアイディアで構成。
北欧のダンス・チューンといった趣の、3連に乗るエキゾチックなメイン・メロディが印象的なDISC2 #2。
重層コーラスを中心にしたキャッチーさの中に、ハッとする転調など非凡なセンスを盛り込んだDISC2 #3。
メロディアスなボーカル・パート、スリリングなインスト・パートを配した、31分超の長尺チューンDISC2 #4。
雨の雫のような美しいピアノのアルペジオをメロトロンが優しく包むDISC2 #5。

既に完成された1stと同路線ながら、溢れる才能を抑えきれないかの如く、メロディとフックが次々に繰り出される様に圧倒される、更に磨きがかかった独自のキャッチーなプログレッシブ・ロック。

Track List

DISC1
1. Constant Bloom
2. Methuselah's Children
3. In the Countryside
4. Moonwalk
5. Bluebells
6. The Ghost of Flowers Past

DISC2
1. Yasgur's Farm
2. Lady of the Woodlands
3. A Tale of Three and Tree
4. Other Half of the Sky
5. To Sail Beyond the Sunset

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OPETH / Watershed

2008,SWEDEN

OPETHの2008年9thアルバムWatershed。

彼らの魅力は何と言ってもギャップ。
不条理暴虐リフと70年代サイケ&プログレッシブ風味の奇跡的な共存。デス声とクリーンなプログレ声。そして予測不能な曲展開とふいに見せる叙情性。これらに加え、KeyのPerによるメロトロン・ハモンド・エレピ・アコピによるセピアな彩りが、OPETHの孤高性をフォロワー達の追随を許さぬレヴェルにまで高めています。
実際、#3,#4,#5あたりでのキーボードの使用法は際立って個性的で、これらの曲を唯一無二の存在に。勿論、Mikaelのソング・ライティングもキレキレです。
OPETH風フォークな#1が意表を突きながらも、次に来る怒涛の展開を逆に予想させ聴き手を身構えさせる絶好のウォームアップとなっている所が憎いですねー。
そして変態アグレッション&プログレな#3。これは誰にもマネできませんね。
続く暗黒叙情フォーク?の#4の奇妙なコード進行はALL ABOUT EVEあたりを彷彿させます。サウンドやバンドの格といった部分での広がりと奥行きを感じさせるアルバムです。

Track List

1. Coil
2. Heir Apparent
3. Lotus Eater
4. Burden
5. Porcelain Heart
6. Hessian Peel
7. Hex Omega

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THIEVES’ KITCHEN / The Water Road

2008,UK

元ANGLAGARDのThomas Johnson(Key)が加入したことで話題沸騰の英国のバンドTHIEVES’ KITCHEN。この2008年4thからシンガーも女性にチェンジ、くすんだ感じの声質で妖しげなメロディを歌ってます。ギタリストはわりとテクニカル。スティーブ・ヴァイが好きみたいです。ギターの音質が無機質な感じがするので、もしかしたらLine 6のPOD XT Liveをレコーディングでも使用しているのかも。(オフィシャル・サイトの使用機材に載ってた)この手のモデリング機材って色んな音がシミュレートされてて便利なんだけど、弾く人の個性も消しちゃいがちなんですよね~。 そんな事もあって、硬質なギターと幽玄なメロトロンという独特の組み合わせをベースに、変拍子と時にジャズ系不条理メロディがギターや女性ボーカルによって紡がれる、という独自のクールなサウンドを展開してます。フルートとかイイ味出してるんで、ギターさえもうちょいオーガニックな感じならなぁ~。

Track List

1. The Long Fianchetto
2. Returglas
3. Chameleon
4. Om Tare
5. Tacenda for You
6. When the Moon is in the River of Heaven
7. Plaint
8. The Water Road

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AGENTS OF MERCY / The Fading Ghosts of Twilight

2009,SWEDEN

FLOWER KINGSのロイネ・ストルト(G/Vo)による新プロジェクトAGENTS OF MERCYの2009年1st。
メンツは、Nad Sylvan(Vo)、Biggo Zelfries(Key/Violin)、Pat Mastelotto(Dr)、Jimmy Keegan(Dr)にFLOWER KINGSからはお馴染みのJonas Reingold(B)、Zoltan Csorsz(Dr)。
Nadのヴォーカルはフィル・コリンズとロイネを足して2で割ったような、若干演劇風味が入った渋い感じ。そして肝心の音楽性ですが、ここ数作ではコテコテの桃源郷シンフォニック路線に落ち着き気味の本家TFKには無い陰影や叙情性が、アダルトにリラックスしたムードの中にも程良く盛り込まれており大満足です。
デジタル・シンセによる過度な装飾は皆無でピアノ、オルガン、モーグ、メロトロン、ローズ、ウーリッツァーといったオーガニックなキーボード達のサウンドやアレンジが、より楽曲と各パートのプレイの魅力を引き出してます。ロイネによる円熟のトーン・コントロールも冴え捲くってます。

Track List

1.The Fading Ghosts Of Twilight
2.The Unwanted Brother
3.Afternoon Skies
4.Heroes & Beacons
5.Jesus On The Barricades
6.Waiting For The Sun
7.A Different Sun
8.Ready To Fly ?
9.People Like Us
10.A Soldiers Tale
11.Bomb Inside Her Heart
12.Mercury & Mercy

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BIG BIG TRAIN / The Underfall Yard

2009,UK

英国の3人組プログレッシブ・ロック・バンドBIG BIG TRAINの2009年6thアルバムThe Underfall Yard。

ゲストで管や弦を加えた端整な室内楽風の部分にIslands期KING CRIMSON、メロトロンやメロディ等全体に漂う叙情味にGENESISを感じさせつつ、決して大仰にもウェットにもなり過ぎない現代的なバランス感覚で独特の個性を醸し出しています。

ジェントルな男声コーラスで幕を開けるインストゥルメンタル#1から早くも、仄暗い中にも端整で温かみのある独特の質感のサウンド。
押し寄せるメロトロンが圧巻の静と動の対比が見事な#2。
チェロやフレンチホルンを使ったまろやかなパートと、シンセが唸りドラムが疾走するロックなパートによる緩急が溶け合った12分超の#3。
ボーカル、コーラス、アコギのアルペジオを中心に瑞々しい演奏を聴かせる#4。
チェロ、マンドリン、メロトロンで敷き詰めた雲の上を寂寥感を漂わせたフルートが浮遊する序盤から、思索路線の歌唱パートを経てジワジワと盛り上がる#5。
オーガニックなサウンドの楽器群で丹念に紡ぎ上げ、終盤では#1のコーラス・パートをバックに劇的に盛り上がる22分超の大作#6の中間部では、元IT BITESのフランシス・ダナリー(G)が彼らしい音使いでのテクニカルなギター・ソロを、さらに、FROSTのジェム・ゴドフリー(Key)がデジタル・シンセ特有のササクレだった強烈なトーンでクレイジー&スリリング且つカッコ良いシンセ・ソロを披露。アルバム全体がお上品なムードで仕上がっているだけに、これらのソロ・パートが鮮烈に印象に残ります。又、カッコ良いフィルによる場面転換でリズムを牽引するSPOCK’S BEARDのニック・ディヴァージリオ(Dr)も全編で良い仕事をしております。彼のドラミングが適度な緊張感をもたらして、各々の楽曲に一本の芯を通してる感じなんですよね。

Track List

1.Evening Star
2.Master James of St. George
3.Victorian Brickwork
4.Last Train
5.Winchester Diver
6.The Underfall Yard

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TRANSATLANTIC / The Whirlwind

2009,USA,UK,SWEDEN

ニール・モーズ(Key/ex.SPOCK’S BEARD)、ロイネ・ストルト(G/FLOWER KINGS)、ピート・トレワヴァス(B/MARILLION)、マイク・ポートノイ(Dr/DREAM THEATER)によるプログレ・プロジェクト・バンドの3rd。

ニール・モーズが聖書の中のテーマ「Whirlwind=旋風・つむじ風」について構想を練っていたデモを元に、メンバーのアイディアをプラスして完成させた78分近くに及ぶコンセプト・アルバム。オープニングの#1にいくつものテーマ・メロディが提示され、それらのメロディが切れ目無く繋がった後の楽曲に楽器や音色を換えて何度も登場する、という典型的なコンセプト・アルバムの形式で構成されています。しかし彼らが普通じゃないのは、そのテーマ・メロディの質と量。並みのバンドなら1枚アルバムが作れるくらいの強力なアイディアが4~5個あり、それが縦横無尽に張り巡らされて一気に聴けてしまう恐るべきクオリティ。
コードの独特なヴォイシングやメロディの端々にSPOCK’S BEARD風というかニール・モーズ節が感じられるのは当然として、ジャジーな部分や変態っぽい箇所、開放的に突き抜ける部分に初期FLOWER KINGSのフレイヴァーも感じられ、それらの要素が巧く溶け合っているのが素晴らしいです。音を重ね過ぎず、オルガンやアナログ・シンセ、メロトロンといったオーガニックなサウンドをセンス良く配したニール・モーズ。本家FLOWER KINGSでは何となくマンネリで生彩を欠くロイネ・ストルトも、ネバっこい歌唱と独特のコシのあるギター・プレイで活き活きしてますね。ツーバス連打や滑らかなロールでメタルっぽい興奮をもたらすマイク・ポートノイ。芯のしっかりしたトーンでソリッドに、かつメロディアスに底辺を支えるピート・トレワヴァス。など、個々のプレイもそれぞれの個性を出しながらも全体のサウンドの中で浮く事無く、必然性を持って楽曲に練り込まれてます。
ブルージーなギター・ソロのバックでのアルペジオがPINK FLOYDのCrazy Diamond風でニヤリとさせる#6。テーマ・メロディが充実のボーカル・パートを彩る#8~#10の流れ。アッチェレランドのネオクラ風ユニゾン・フレーズでスリリングに盛り上げる#11。壮大に大団円を迎える#12。などなど、勿体無い位においし過ぎるネタが満載の超優良盤です。

Track List

1. Overture/Whirlwind
2. Wind Blew Them All Away
3. On the Prowl
4. Man Can Feel
5. Out of the Night
6. Rose Colored Glasses
7. Evermore
8. Set Us Free
9. Lay Down Your Life
10. Pieces of Heaven
11. Is It Really Happening?
12. Dancing with Eternal Glory Whirlwind(Reprise)

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OPIUM CARTEL / Night Blooms

2009,NORWAY/SWEDEN

WHITE WILLOWのヤコブ・ホルム・ルポ(G/Key/Vo)を中心としたANGLAGARDのマティアス・オルセン(Dr)、WOBBLERのラース・フォレデリク・フロイスリー(Key)らのプロジェクトOPIUM CARTELの1stアルバムNight Blooms。

ライス・マーシュ(Vo)の繊細な歌唱をアコギやメロトロンで優しく包み込むフォーク#1。
ギター・ポップ風のリフを加えたエレクトリック・フォーク#2。
ステファン・ベネット(Vo)とWHITE WILLOWのシルヴィア・エリクセン(Vo)のデュエットによる木漏れ日フォーク#3。中間部のシルヴィアによるウィスパー気味のソロ・パートが可憐。
ティム・ボウネス(Vo)とレイチェル・ヘイデン(Vo)のデュエットによる、美しく儚げなブライアン・イーノのカヴァー#4。
シルヴィアのオーバー・ダブによる美声天上ハーモニーにチェロやメロトロンが絡む、フォーキーな中にもエレクトロニカなビートを微かに交えたドリーミー・ポップ#5。
ヤコブ・ホルム・ルポによると思われるヘタウマ・ボーカルをフィーチュアしたポップ・ロック#6。
沈痛なメロトロンのイントロからヘヴィなサビに展開する、中期CRIMSON風ダークネスを纏った8分超のプログレッシブ・チューン#7。
レイチェル・ヘイデンをフィーチュアしたドリーミーなフォーク#8。
WHITE WILLOWの3rdアルバムSacrament収録の同名曲をカヴァーした#9。オリジナルは男女デュエットだったが、こちらはシルヴィアの無垢な美声ボーカルのみでより透明感が増量。

朗らかな音像のそこかしこに仄かに北欧的な暗さを潜ませた、プログレッシブ・フォーク。
エレクトロニカとオーガニックな管弦を巧みに融合させた温かみのあるサウンド。
メロディはあくまでも耽美で、女性ボーカルが絡む楽曲は女性ボーカル・ファン必聴。

Track List

1. Heavenman
2. Better Days Ahead
3. Skinnydip
4. By This River
5. Three Sleepers
6. Honeybee
7. Beach House
8. Flicker Girl
9. The Last Rose of Summer

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