メロトロン のレビュー

CURVED AIR / Air Cut

1973,UK

妖艶な歌姫ソーニャ・クリスティーナ(Vo)率いる英国のプログレッシブ・ロック・バンドCURVED AIRの4thアルバムAir Cut。

新メンバー カービー・グレゴリー(G)による疾走感あるギターのカッティングがリードする#1。
トラッド風メロディをベースに少々ヒネリを加えた神秘的な#2。
フックとなるキャッチーなリフレインを複数配し静と動を交えた劇的な場面転換で進行する、後のスーパーバンドUKの薫り漂うプログレッシブ・チューン#3。VCS3の太い音色から構築度の高いオルガン・ソロ、リズミカルなピアノまで、多彩な鍵盤群を多彩な奏法で操るエディ・ジョブソン(Vln/Key)がアレンジ及び作曲能力をいかんなく発揮。
場末のバーかパブっぽい雰囲気の猥雑かつ洒落た小品#4。ソーニャ・クリスティーナの個性にマッチした独特のサウンドにエディ・ジョブソンの軽妙なヴァイオリンが絶妙なアクセントを加えている。
ヴァイオリンをフィーチュアしたロック・インストゥルメンタル#5。
ギターのリフがリードしつつも、メロトロンが登場する静謐なパートを中間部に配し、一筋縄ではいかないプログレッシブ・ハード・ロック#6。
マイク・ウェッジウッド(B)がリード・ボーカルを取るロック・ナンバー#7。
トリッキーなリズムのインスト・パートを内包し、ズ太いシンセ・ソロが吼えるヘヴィ・バラード#8。

前作で散々好き放題やらかしたインスト面の2枚看板であるダリル・ウェイとフランシス・モンクマンを含むオリジナル・メンバーが3人抜け、新メンバーを補充。
ダリル・ウェイのイメージを引き継ぎつつも、シンセだけで無くヴァイオリンでもクラシカルに止まらない攻撃的なフレーズを繰り出す若きエディ・ジョブソンが、躍動感あるプレイを繰り広げるカービー・グレゴリーとともにロック・オリエンテッドな本作に貢献。

Track List

1. The Purple Speed Queen
2. Elfin Boy
3. Metamorphosis
4. World
5. Armin
6. U.H.F.
7. Two-Three-Two
8. Easy

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GREENSLADE / Greenslade

1973,UK

元COLOSSEUMのデイヴ・グリーンスレイドが中心となって結成されたツイン・キーボード、ギターレスの4人組GREENSLADEの1973年1st。

ロジャー・ディーンによる淡いグリーンを基調にしたジャケットがステキです。ロックン・ロールやブルーズをベースに変拍子やメロトロンのソロをフックに個性的に迫る序盤は、左右のオルガンの絡みつくような展開が少なくおとなしい感じ。
ところが、ユニークなメロディの歌モノ#3,#4を挟んだ後半は怒涛のプログレッシブ・ワールド。左右オルガンのアレンジが絶妙な上、メロトロンやモジュレーションをかけたベースソロで起伏ある展開を見せるインスト#5。
ダーティなオルガンが引き摺るようなヘヴィ・グルーヴをもたらす右CHと、白玉のメロトロンが緊迫感を煽る左CHの対比が見事な#6。
ミステリアスなピアノに導かれる序盤からメロトロンとオルガンが分厚く立ち込める中盤、エレピやオルガンのソロが舞い踊る終盤とカラフルに迫る#7。
やはりこの辺が一番の聴き物でしょう。
KING CRIMSONの3rdで叩いてたドラムのアンディ・マカロックもステディ且つテクニカルなプレイでサウンドを支えてます。

Track List

1. Feathered Friends
2. English Western
3. Drowning Man
4. Temple Song
5. Melange
6. What Are You Doin' to Me?
7. Sundance

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GREENSLADE / Bedside Manners Are Extra

1973,UK

GREENSLADEの1973年2ndアルバムBedside Manners Are Extra。

全6曲で歌モノ/インストが半々。歌モノ#1,#3#,5では美しいメロディを軸にヒネリや変拍子、ソロ・パートがアクセントに。インスト#2,#4,#6はタイトなアンサンブルとカラフルな鍵盤群が圧巻です。

#1はバラード・タイプのPOPな曲調ながら、シンセやメロトロンがアクセントとなり、歪ませたエレピがドリーミングなフレーズでソロを奏でます。
#2はメロトロンが霧のように埋め尽くすイントロから、オルガン主導の3連系ハード・ロックなインストに。終盤の左右CHで追いかけっこのようにメロディックなフレーズを応酬するダブル・オルガンとバックで神々しく鳴り響くメロトロンが高揚感抜群でトリ肌モンです!
#5はエレピ主導による変拍子の歌モノ。ジャジーなムードの中上手くは無いが囁くようなVoがイイ味出してます。

ダーティなエレピがクールなフレーズを連発して活躍。ジャズやブルースのフィーリングをセンス良く配したフックのあるハード・ロックが、カラフルなキーボードを中心にタイトな演奏で楽しめる1枚です。

Track List

1. Bedside Manners Are Extra
2. Pilgrims Progress
3. Time to Dream
4. Drum Folk
5. Sun Kissed You're Not
6. Chalk Hill

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LATTE E MIELE / Papillon

1973,ITALY

イタリアの3人組プログレッシブ・ロック・バンドLATTE E MIELEの2ndアルバムPapillon。

オルガンの緊張感あるリフがELPのTurkusを彷彿させるオープンニング#1から#8までがアルバム・タイトルになっているPapillon組曲。題材は映画でもお馴染みの脱獄劇『パピヨン』。

管のアンサンブルで提示されるテーマ・メロディを叙情的なアコギのイントロとボーカルが引き継ぎ、やがてクラッシクやジャズのテイストを織り込んだインスト・パートに展開していく#2。
オルガンを中心にピアノやメロトロンを加え躍動感あるインスト・パートを繰り広げる#3。ティンパニや混声合唱団がシンフォニックな彩を加えています。
ピアノの伴奏にオーボエやメロトロン、シンセが絡む叙情的な序盤から、ドラマティックに盛り上がるメロディアスな#4。まろやかなボーカル・メロディにイタリア語の響きが良くマッチしています。
休符を巧みに場面転換とし、メロトロンの刻みやヴァイオリンの乱舞が目まぐるしく展開する#5。
ピアノをバックに沈痛な表情を見せる#6。
ギターのヘヴィなリフ、管とメロトロンによる壮大なファンファーレ、パーカッシブなオルガンがリードするマーチのようなパート、とシンフォニックに展開する#7。
メジャーに変換されたメイン・メロディを提示し、ハッピ-エンドを印象付ける#8。
#4,#5,#7あたりの映像的なタッチはまるで映画のサウンド・トラックのようです。
クラシカルなテーマをジャジーなピアノやメロトロンで発展させた#9。
#10~#12はクラシカルなテイストの組曲。
ピアノの静かでクラシカルなパートから、オルガンがリードするELPタイプのロック・アンサンブルに移行する#10。
#10のメロディをヴァイオリンで継承しヴィバルディの四季のメロディを挿入しながら、ジャズ・ロック的なスリリングなアンサンブルでまとめた#11。フランジング効果を掛けたドラム・ソロやメロトロンの白玉をバックにした洒落たピアノのソロなどメンバーのセンスと技も聴き所です。
12弦アコギのアルペジオによる瑞々しいイントロから、アコギのカッティングとメロトロンに乗せたジェントルなボーカル・パートに移行し、やがてオーケストラを交えてシンフォニックに盛り上がる爽やかでポジティブなムードの#12。
ピアノ、ベースと一体になってのアンサンブルの中、ジャジーなギターが主役の#13。

3人という制約の中、オーケストラや勿論オーバーダブも加えてスケール感を創出。
生々しくスリリングなジャズ・ロック的アンサンブルとクラシカルな要素を自然に融合させたELPのミニチュア版的な音楽性に、イタリアらしいおおらかさやメランコリックな叙情性を加味した独自のプログレッシブ・ロックを展開しています。

Track List

1. Papillon: Overture
2. Primo Quadro "La Fuga"
3. Secondo Quadro "Il Mercato"
4. Terzo Quadro L'Incontro (Rimani Nella Mia Vita)
5. Quarto Quadro "L'Arresto"
6. Quinto Quadro "Il Verdetto"
7. Sesto Quadro "La Trasformazione"
8. Settimo Quadro "Corri Nel Mondo"
9. Divertimento
10. Patetica: Parte Prima
11. Parte Seconda
12. Parte Terza
13. Strutture

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LED ZEPPELIN / Houses of the Holy

1973,UK

LED ZEPPELINの5thアルバムHouses of the Holy。

前作で極めたからか、ケルト/トラッド風味は薄めでカラっとしたサウンド。でも各曲のキャラが立っている。

元は#2の序曲として作られたという爽やかな疾走感が気持ち良い#1。
メロトロンが静かな詩情を表現した#2。
アコギ/エレキのアンサンブルが見事な#3。
ノルにノレない変態ファンクが快感の#4。
ZEPならではの変テコHRな#5。
リラックスしたイイ感じのZEP風レゲエ#6(でもドラムはビッグなサウンドでロックしてます)。
一転してジョン・ポール・ジョーンズ(B/Key)のトレモロをかけたエレピがスペーシーな、暗黒プログレ沼へのトリップを誘う#7。
変拍子変態リフと終盤のお祭り騒ぎが楽しい#8。

全曲穴無し。ジョンジー度高いのが良い。ヒプノシスによるジャケもキレイで大好きです。

Track List

1. Song Remains the Same
2. Rain Song
3. Over the Hills and Far Away
4. Crunge
5. Dancing Days
6. D'Yer Mak'er
7. No Quarter
8. Ocean

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ROBERT WYATT / Rock Bottom

1974,UK

飲酒しての落下事故による脊髄損傷で下半身不随となってしまったロバート・ワイアット(Vo/Key/G)の1974年2ndソロ・アルバムRock Bottom。

リチャード・シンクレア(B)、ヒュー・ホッパー(B)、フレッド・フリス(Viola)など、カンタベリー系ミュージシャンの協力を得て制作されております。繊細な歌声が静謐な叙情を醸し出すボーカル・ナンバー#1、#2。トランペットを中心としたサウンドスケープにメロディアスなボーカル・メロディが乗る、アヴァンギャルドでいながらキャッチーでもある#3。彼を支えた愛妻アルフィーに捧げた#4、#5。フレッド・フリスのヴィオラが印象的なアヴァンギャルドでシンフォニックな#6。ドラマーとしてユーモア感覚のあるジャズ・ロックを目指したSOFT MACHINEやMATCHING MOLEとは異なり、ボーカリストとして、よりトータル的な音楽表現を始めた転機となったアルバムです。

Track List

1. Sea Song
2. A Last Straw
3. Little Red Riding Hood Hit the Road
4. Alifib
5. Alifie
6. Little Red Robin Hood Hit the Road

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PREMIATA FORNERIA MARCONI / L’Isola di Niente

1974,ITALY

イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドPREMIATA FORNERIA MARCONIの4thアルバムL’Isola di Niente(邦題 甦る世界)。

混声合唱団の厳かなクワイヤをイントロに配し、フランコ・ムッシーダ(G)によるメタリックなエッジのギター・リフを前面に押し出してヘヴィに迫る#1。中間部では優しくのどかな情景をシンフォニックに挿入し、ヘヴィなパートとの対比で互いの印象を強くしています。
フォーク・タッチの静とマウロ・パガーニ(Vln/Fl)のフルートやフラヴィオ・プレモーリ(Key)のアコーディオンによるジャジーなソロ・パートの動による起伏を軸に展開する開放的なシンフォ#2。
シンセの印象的なリフレイン~フルート・ソロ~ギターとピアノの複雑なパッセージのユニゾンなど、明るいムードのキャッチーなシンフォニック・ロックに技巧を織り交ぜた#3。
アコギのアルペジオと繊細なボーカルを中心にした牧歌的なフォーク#4。まろやかな音色のシンセやメロトロン、フルートの優美なデコレーションが素敵です。
エレピやフルートのソロをフィーチュアしたクールなジャズ・ロックから、穏やかなシンフォニック・ロックに展開するインストゥルメンタル#5。

フロント3人を中心としたテクニカルなアンサンブルがもたらすカタルシスと、優しいメロディ志向が高度に共存。楽曲中及びアルバム通してのダイナミズムが見事な名盤です。

Track List

1. L'isola di niente
2. Is My Face On Straight
3. La Luna Nuova
4. Dolcissima Maria
5. Via Lumiere

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ARGENT / Nexus

1974,UK

ブリティッシュ・ビートバンドZOMBIESのリーダーだったロッド・アージェント(Key/Vo)が結成したARGENTの1974年5th。このアルバムを最後にRAINBOW等への楽曲提供でお馴染みのラス・バラード(G/Key/Vo)が脱退します。コホーテク彗星をテーマにした冒頭のインストゥルメンタル3部作や長尺の#5等プログレッシブな曲展開を好むアージェント。メロトロンが美しい#4や#6等のキャッチーでコンパクトな楽曲を提供するバラード。と、対照的な2人のカラーをはっきり主張していながらも、ARGENTというバンドの個性として昇華され、魅力的なアルバムに仕上がっています。ピアノ、ハモンド、モーグ、メロトロン、クラビネット、チャーチオルガン等キーボード群を駆使し、豊富なアイディアと類い稀な個性をメロディアスなハード・ロックという解りやすいフォーマットで提示した名盤です。

Track List

1.Coming of Kohoutek
2.Once Around the Sun
3.Infinite Wanderer
4.Love
5.Music from the Spheres
6.Thunder and Lightning
7.Keeper of the Flame
8.Man for All Reasons
9.Gonna Meet My Maker

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ARTI E MESTIERI / Tilt

1974,ITALY

イタリアの6人組ジャズ・ロック・バンドARTI E MESTIERIの1974年1stアルバムTilt。

フリオ・キリコ(Dr)の繰り出す手数の多いドラミングを中心に鍵盤とギターがバックを固め、ヴァイオリンとサックスがメインのメロディをクールに奏でるスタイルで統一されています。が、しかし、そのオーガニックな響きゆえに温かみをも同時に醸し出した独特のサウンドになっているのがポイント。そしてそのクールなインストゥルメンタル・パートと対比を成すのが、ボーカルが入った時の静かな叙情。特に#2の囁くようなボーカルとジワジワ染み入るメロトロンによる、もう反則っていうくらいの叙情味は印象に強く残ります。又、普段はバッキングに徹しているギターも、#4では突如スリリングな早弾きソロで前面に出てきます。そんなロック的熱さも魅力。クールなジャズ・ロックと優しい叙情を交差させた13分超の#7のドラマティックさは圧巻。

バンド名通り、芸術家の感性と職人の技術が高次元で融合。全9曲中インストゥルメンタル・ナンバーが7曲という構成でいながら、親しみ易く歌心を感じさせるアルバムです。

Track List

1. Gravità 9,81
2. Strips
3. Corrosione
4. Positivo / Negativo
5. In Cammino
6. Scacco Matto
7. Farenheit
8. Articolazioni
9. Tilt

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KING CRIMSON / Starless and Bible Black

1974,UK

KING CRIMSONのスタジオ6thアルバム Starless and Bible Black。

ドライブ感満点の疾走パートと変態リズムのボーカル・パートを併せ持つ#1。
ジョン・ウェットン(B)のジェントルな歌唱にメロトロンの叙情が重なる序盤、ジェイミー譲りのパーカッションを聴かせるビル・ブラッフォード(Dr)、ロバート・フリップのメタリックな質感のギターがせめぎ合う#2。
お互いに手の内を探り合うようなインプロビゼーションが途中でブツ切れとなる#3。
ライブ部分のイントロにスタジオ録音のパートが巧く溶け合い、この時期ならではのクールなヨーロピアン叙情を醸し出す#4。
デヴィッド・クロス(Vln)のヴァイオリン、ロバート・フリップのメロトロン、ジョン・ウェットンのベースによる、東洋的なムードを感じさせるメロディの典雅なインスト#5。
妖しくも美しいメロトロン、ファンキーな薫り漂うベース、美しいハーモニーのボーカルというバラバラな要素が混沌の中から徐々に絡み合い出し、ようやくイイ感じになってきたところで突然ブツ切れとなる#6。
リズム・セクションがリードする中、ノイジーなギターと不協和音を奏でるメロトロンにより暗黒風味に着地した#7。
ギターによるメカニカルかつミニマルなリフが執拗に反復されながら、やがてヘヴィに発展する#8。

前作のツアー中にジェイミー・ミューアが失踪し脱退、4人編成に。
完成度の高いスタジオ録音部分である#1と#2及び#4のボーカルイン以降を除いてライブ・レコーディングされた本作は、実験的なインプロビゼーションによるライブ・バンドとしてのミュージシャンシップの高さを見せ付ける衝撃的な内容。

Track List

1. The Great Deceiver
2. Lament
3. We'll Let You Know
4. The Night Watch
5. Trio
6. The Mincer
7. Starless And Bible Black
8. Fracture

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KING CRIMSON / Red

1974,UK

KING CRIMSONのスタジオ7thアルバム Red。

ジョン・ウェットン(B/Vo)中心に他のメンバーがどんどん音量を上げるステージで居場所を失ったデヴィッド・クロスが脱退、残った正式メンバー3人に加え、デヴィッド・クロスを含めイアン・マクドナルドやメル・コリンズなどかつてのメンバーのゲスト参加を仰ぎ制作された70年代KING CRIMSONのラスト・アルバム。

重金属を思わせるギターの上昇フレーズがうねるヘヴィなインスト#1。
ジョン・ウェットンのボーカルをフィーチュアした叙情チューン#2。ゲスト陣のサックスやオーボエが陰影を帯びて良い感じに仕上がってます。
#1のテイストをベースに、キャッチーとも言えるボーカル・パートやサックス・ソロをフィーチュアしたインスト・パートを織り交ぜた#3。
と、アナログA面のここまでをロバート・フリップ(G)はメタル・サイドと表現。

デヴィッド・クロスの軋んだヴァイオリンとサウンドスケープを中心に混沌としたインプロビゼーションを展開する#4。雰囲気モノに終始するギターやヴァイオリンと比べ、よりはっきりとしたフレーズでアンサンブルを牽引するジョン・ウェットンの存在感(と音量)が凄まじい。
そして70年代CRIMSONのラストを飾る#5。メロトロンの寂寥感、叙情的なボーカル・メロディ、哀愁のサックス、屈折した暗黒インスト・パート、暴虐のヘヴィネス・パートと様々なテイストを盛り込んだバンドの最後を飾るにふさわしい集大成的名曲です。

アルバムの発売直前にロバート・フリップが突如解散を宣言。
プログレッシブ・ロックの黎明期から常にシーンをリードしてきたバンドの歴史にひとまず終止符を打つ事に。

Track List

1. Red
2. Fallen Angel
3. One More Red Nightmare
4. Providence
5. Starless

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DEEP PURPLE / Stormbringer

1974,UK

リッチー・ブラックモア(G)在籍最終作となった第三期DEEP PURPLEの1974年作Stormbringer。

第二期を彷彿させるストレートなハード・ロック・ナンバー#1、#5にかつての面影を残しつつも、若き才能に溢れるデヴィッド・カヴァーデイル(Vo)とグレン・ヒューズ(B/Vo)の発言権が増した為か、これまでに無かった要素がますます増加。
二人がボーカルを分け合うファンキーな#2。二人とジョン・ロード(Key)の作曲によるAOR風バラード#3。これもリッチー抜きで作曲された、クラビネットのファンンキーなバッキングと二人のリード・シンガーのソウルフルな歌唱が楽しめる#4では、リッチーが珍しくメジャー・スケールでソロをプレイ。バッキング・ギターではほとんど聴こえない控えめなプレイに徹した反面、ソロではプロの意地を見せたんでしょうか。
リッチーが作曲にからんだ#6、#7はリフを中心とし、ファンクな要素との融合を狙ったこの時期ならではの興味深いナンバー。
ブルーズ・ロックの#8もツイン・ボーカルが新鮮です。
ラストの#9はデヴィッドのディープ・ヴォイスが活きた美しいバラード・ナンバー。うっすらとしたメロトロンがさらに叙情味を加えています。

リッチーが後のRAINBOWで頻発させるテイストのプロトタイプと言える#1での中近東音階によるギター・ソロや#8でのスライド・ギターによる美しいハーモニー。音色やフレージングが未だワンパターン気味ながら、#1のイントロや#3中間部のちょっとしたオーケストレーション、#6のソロなどでのジョン・ロードによるシンセ導入。といった部分に従来からのメンバーによる新機軸も感じられますが、バンド・サウンドとして昇華されるまでには至りませんでした。
しかしその中途半端な感じがもたらしたバラエティ感により、印象に残るアルバムとしてバンドの歴史に刻まれたのも事実です。

Track List

1. Stormbringer
2. Love Don't Mean a Thing
3. Holy Man
4. Hold On
5. Lady Double Dealer
6. You Can't Do It Right
7. Highball Shooter
8. Gypsy
9. Soldier of Fortune

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STRAWBS / Hero and Heroine

1974,UK

プログレ度がますます上昇したSTRAWBSの1974年7thアルバムHero and Heroine。

前作を発表後のツアーを最後にデイヴ・カズンズ(Vo/G)、デイヴ・ランバート(Vo/G)以外のメンバーが脱退。リズム隊と鍵盤奏者を新たに加入させるわけなんですが、キーボードは何と元オリジナルRENAISSANCEのジョン・ホウクン(Key)。
曲調や場面に応じてアコースティック・ピアノ、エレピ、オルガン、メロトロン、シンセ、と言った具合に持ち前の上品なトーンとフレージングで大活躍しております。(ちなみに脱退した鍵盤のブルー・ウィーバーは、様々なセッションをこなした後に何とBEE GEESに加入し大成功!)

メロトロン大洪水の序盤、端整なピアノの中盤、教会風クワイヤの終盤とのっけからドラマティックに迫る組曲#1。
程良くくすんだエレピの伴奏に乗ったAOR風なボーカル・パートから、突如クラシカルなオルガン・ソロで感動的に盛り上げる#2。
キャッチーなロックン・ロールに叙情シンフォニックなメロトロン・パートが挿入された#3。
コーラス・ハーモニーの美を気品あるピアノとメロトロンでさらに増幅する#4。
メロトロンによる大仰でシンフォニックなメイン・リフに埃っぽいフォークのボーカル・パートが融合したプログレ・チューン#5。
#5からメドレーで繋がった叙情フォーク#6。
ピアノのオブリガードが印象的な優しいフォーク・バラード#7。
シンセのリフあしらったアメリカン・ハード・ロックな#7。
#9のギターとピアノによる重厚なリフレインが引き継がれ、クワイヤで感動的にフィナーレを飾る#10。

トータル・コンセプト作らしいドラマティックなアルバム構成の充実作。
#3や#5のような本来相容れない要素を巧みに(無理やり?)ドッキンングしてしまうセンスはSTRAWBSならでは。くっつけたは良いが、素材がそのままで融合しきっていない中途半端さも逆に味があって大好きですね。

Track List

1. Autumn: Heroine's Theme/Deep Summer's Sleep/The Winter Long
2. Sad Young Man
3. Just Love
4. Shine On Silver Sun
5. Hero and Heroine
6. Midnight Sun
7. Out in the Cold
8. Round and Round
9. Lay a Little Light on Me
10. Hero's Theme

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KESTREL / Kestrel

1975,UK

英国のバンドKESTRELの1975年唯一作Kestrel。
ジャジーで変幻自在のコード進行と上手いヴォーカルによるキャッチーで高品質な楽曲群に圧倒されます。各パートの演奏・アンサンブルも非常にタイトに決まってます。特に鍵盤はエレピ、オルガンとカラフルに大活躍。#5や#8で突如洪水のようにやって来るメロトロンの神々しいまでの爽やかなサウンドが何度聴いても気持ち良過ぎです。

Track List

1.The Acrobat
2.Wind Cloud
3.I Believe In You
4.Last Request
5.In The War
6.Take It Away
7.End Of The Affair
8.August Carol

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BARCLAY JAMES HARVEST / Time Honoured Ghosts

1975,UK

BARCLAY JAMES HARVESTの1975年8thアルバムTime Honoured Ghosts。

ツイン・ギターのハーモニーで幕を開け、中間部にメロトロン・クワイヤやオルガンを配してのゆったりしたパートを挿入した軽快な#1。
うっすらとしたオルガンに乗ったサビ・メロが堪らないフォーク・タッチのバラード#2。
BEATLESの曲名を繋いだ歌詞で構成された#3。
と、序盤はフック満載の叙情ポップ路線。
繊細なフォークからメロトロンが敷き詰められたスケールの大きなシンフォニック・ムードに展開する#4。
シンセのオーケストレーションが取り入れられたドラマティックな#5。
ロックなダイナミズムにオルガンやシンセのシンフォ・テイスト、アコギのもたらす叙情フォーク・タッチが融合した#6。
アコギとエレキ・ギターのアルペジオがクリアな空間の広がりを演出しコーラス・ハーモニーと溶け合う#7。
幻想的な#8。

素朴で叙情的なフォーク・フィーリングとメロトロンやシンセによるシンフォニックな演出が融合、コンパクトながらもドラマティックな楽曲が並ぶ好盤です。

Track List

1. In My Life
2. Sweet Jesus
3. Titles
4. Jonathan
5. Beyond the Grave
6. Song for You
7. Hymn for the Children
8. Moon Girl
9. One Night

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STEVE HACKETT / Voyage of the Acolyte

1975,UK

GENESIS在籍中の1975年にリリースされたスティーヴ・ハケット(G/Key/Vo)の1stソロVoyage of the Acolyte。
GENESISからフィル・コリンズ(Dr/Vo)とマイク・ラザフォード(B/G)、その他実弟ジョン・ハケット(Fl/Key)、サリー・オールドフィールド(Vo)などのゲストを招いて制作。
ピーター・ガブリエルが主導権を握った1974年のThe Lamb Lies Down On Broadwayに対する反動なのか、全編でGENESISを彷彿させるシンフォニックかつ英国的な世界を展開。この時期のGENESISサウンドの核は紛れも無くスティーヴ・ハケットだったということが良くわかります。

タロットカードを題材にした収録曲のトップは最強のカードを意味する#1 Ace Of Wands。GENESIS風変拍子によるギター・リフから始まり、アープやモーグ等シンセ、典雅な12弦アコギ、フルート、メロトロン、オートハープの神秘的な響き、などまるでキャスト紹介のように次々と登場する豊富な楽器群のアンサンブルによるファンタジックな中間部から疾走感ある後半に至るシンフォニックなインストゥルメンタル。
12弦アコギのアルペジオとメロトロンをバックに翳りを交えたフルートが乗る、初期GENESIS風妖しくもファンタジックなインスト・チューン#2。メロディの区切りで登場するオートハープのキラキラ音が印象的です。
タロットで悲嘆・災難・不名誉・転落を意味するカード=塔をタイトルに頂く#3。リフレインするメイン・メロディと変拍子で、タイトル通りの世界を表現したダークなナンバー。
そして、#2のリプライズとなる#4がフェード・イン。オーボエに絡むフルートと濃霧のようなメロトロン、まろやかなシンセが美しいアンサンブルを聴かせます。
悲しげな12弦アコギのアルペジオにスティーヴ・ハケットの暗鬱な歌唱が乗る#5。インスト・パートではチェロやフルート、そしてさりげないエレキのハーモニーが上品にクラシカルな叙情を演出。エレキのアルペジオをバックにしたオーボエのソロからフルートのソロに移行するパートも美しいです。
フィル・コリンズとのボーカル・ハーモニーから始まる#6。じわじわ押し寄せるメロトロンと奇妙なペーソス感が又もや初期GENESIS風なモーグのメロディが秀逸。さらに、ダークなパートからオーボエによる神々しいまでの清廉なメロディに移る際の場面転換が超ドラマティック。
爪弾かれるギターをアンビエントな音像で捕らえた小品#7。逆回転エコーなどのSEによるコラージュで実験的なムードも。
そして、メロトロンとギターによるシンフォニックなイントロから、サリー・オールドフィールドの美声ソプラノが響き渡るボーカル・パートに移行する11分超の大作#8。歌唱と12弦アコギやオートハープが神秘的でおとぎ話のような世界を醸成。元祖ライトハンド奏法による幻想的なパート、ボリューム奏法を使ったヴァイオリンのようなトーンによるリフレインのメロディなど、ギタリストらしいアイディアに溢れたスティーヴ・ハケットのプレイもポイントが高い。

GENESISから演劇風臭みを取り除いた、純粋シンフォ・サウンドが堪能できるプログレッシブ・ロックの名盤です。

Track List

1. Ace Of Wands
2. Hands Of The Priestess
3. A Tower Struck Down
4. Hands Of The Priestess (Part 2)
5. The Hermit
6. Star Of Sirius
7. The Lovers
8. Shadow Of The Hierophant

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STRAWBS / Ghosts

1975,UK

STRAWBSの8thアルバムGhosts。

ハープシコードの厳かなアルペジオとアコギのコード・カッティングをベースにデイヴ・カズンズ(G/Vo)が囁くように歌う前半から、リズム隊が加わりグルーヴィな伴奏をバックにパワフルな歌唱に移行、終盤にはメロトロンや爽快なコーラスも登場するドラマティックな#1。
キャッチーなフォークにジョン・ホウクン(Key)による華麗なタッチのハープシコードが気品をプラスした#2。
ピアノをバックにしたバラード調の序盤から、エレキ・ギターのリフがリードする快活なフォーク・ロックに展開する#3。
カリプソ風リズムに乗ったポップな#4。曲のムードとは一見不似合いなリコーダーの素朴な音色が妙にマッチしてSTRAWBSらしさを演出しています。
ここ数作でアルバム中に必ず1曲は存在する大仰な大作の流れを汲む#5。ボーカル・パートや緊張感あるインスト・パートのバックには神々しいメロトロンが。
デイヴ・ランバート作の甘くキャッチーなフォーク・ロック#6。
まろやかなトーンのモーグ・シンセサイザーから弾き出されたメロディが神秘的なムードのインストゥルメンタル・パートに、穏やかなフォークを内包した美しい#7。
チャーチ・オルガンに少年少女合唱隊を配し、教会音楽のように清廉なムードの#8。

アメリカ志向のポップな#2,#4,#6と威厳や叙情を湛えた英国的な#1,#5,#7が巧く溶け合い、STRAWBSらしい独特のメロディアスなプログレッシブ・ロックが展開されています。ところがキーマンのジョン・ホウクンが、第一期RENAISSANCEメンバーと共にILLUSIONを結成する為に惜しくも脱退してしまいます。

Track List

1. Ghosts
2. Lemon Pie
3. Starshine/Angel Wine
4. Where Do You Go(When You Need A Hole To Crawl In)
5. The Life Of The Auction
6. Don't Try To Cahnge Me
7. Remembering / You And I(When We Were Young)
8. Grace Darling

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カテゴリー: STRAWBS

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CELESTE / Principe di un Giorno

1976,ITALY

イタリアの4人組プログレッシブ・フォークCELESTEの1976年1st。

メロトロンのストリングスにヴァイオリンが絡み、アコギのアルペジオとフルートのハーモニーをバックにジェントルなボーカルが乗る清涼感溢れる#1。後半はアコギのアルペジオが作り出す神秘的なムードの中、フルートやサックスがドリーミーなソロを展開。バックの雫のようなピアノの音色が又良い感じです。
アコギ、ピアノの伴奏にフルートのハーモニーと牧歌的なボーカルが乗る#2。
3声コーラスと重々しいメロトロンがダークなムードを醸成する#3。ホルンやオーボエ風のシンセが登場する中間部で暗闇の中に一筋の光明が射し込む端整なナンバー。
スペイシーなシンセのSEと妖しいスキャットを引き裂き、KING CRIMSONの宮殿風な神々しいメロトロンが登場する#4。深遠なムードのフルート・ソロからチャーチ・オルガンとクワイヤで荘厳なクライマックスを迎えるインスト部を包み込むボーカル・パートは、ダークなムードに牧歌的なテイストも。
地中海風な明るいメロディの、ほのぼのとしたフォーク小品#5。
壮大で物悲しいメロトロン・ストリングスを軸に、フルートのハーモニーでホッとさせる静寂パートを盛り込んだ#6。
アコギとピアノ、メロトロンをバックにフルートが舞う田園フォークに、5度で硬質にハモったサックスのジャシーな響き、胸が締めつけられるほど美しいメロディのピアノ・ソロ、といったインスト・パートをフィーチュアした#7。

アコギ、ピアノ、フルート、ヴァイオリンといったアコースティック楽器の素朴なトーンにメロトロンが自然に溶け込み、まどろむようなサウンドを聴かせてくれます。各楽器がそれぞれ重要な役割を持ちつつ紡がれていくアレンジが、音数は少ないながらも非常に練られており、上品で端整な仕上がりとなっています。時折登場するシンセもSEっぽい使い方やピッチ・ベンドのこなれなさが新鮮で面白いアクセントになっています。

Track List

1. Principe Di Un Giorno
2. La Danza Del Fato
3. Eftus
4. Favole Antiche
5. L’imbroglio
6. La Grande Isola
7. Giochi Nella Notte

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BARCLAY JAMES HARVEST / Octoberon

1976,UK

BARCLAY JAMES HARVESTの1976年スタジオ7thアルバムOctoberon。

フォーク・タッチのサウンドで叙情フレーバー溢れるコンパクトな楽曲を中心としていた前作から一転、オーケストラを復活させクワイヤをもプラスしてシンフォニック度とスケールを大幅アップ。

静かでゆったりとした哀愁フォークが、バンドとオーケストラによって徐々にスケールを増していく#1。
煌びやかなアルペジオをバックにした繊細なパートから、ギターのエッジ、オルガンのグリッサンドといったロックなパーツを付加したサビに発展し、混声合唱団による厳かなクワイヤにオーケストラまで加わった感動的な終盤で圧倒する#2。
オルガンと美しいコーラスが印象的な切々としたボーカル・パートを、バンドとオーケストラが一体となっての重厚で大仰なパートでサンドした#3。
叙情的なサビが素晴らしい哀愁ナンバー#4。
シンセのデコレーションがアクセントになった、ハギレ良いエレキ・ギターのカッティングがリードする明朗なロックン・ロール#5。
中間部にメロトロンを中心としたインストゥルメンタル・パートを挿入した、ジェントルな歌声によるひねりの効いた叙情メロディが胸キュンな#6。
穏やかでポジティブなムードに叙情マイナー・フレーズを織り込んだ淡い感動が、意味深な効果音と共に幕を降ろす#7。

バンド中心のコンパクトなポップ・チューン#4,#6での胸キュン・メロディと、それ以外の長尺ナンバーのシンフォニックな感動がバランス良く配置されています。

Track List

1. The World Goes On
2. May Day
3. Ra
4. Rock 'n Roll Star
5. Polk Street Rag
6. Believe In Me
7. Suicide

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GENESIS / A Trick of the Tail

1976,UK

フロントマン ピーター・ゲイブリエル脱退の穴をフィル・コリンズ(Dr/Vo)が見事に埋めた新生GENESISの1976年8thアルバムA Trick of the Tail。

全体的にゲイブリエルのアクが抜けて洗練された雰囲気の好盤に仕上がってます。
ゲイブリエル在籍最後の作品となった前作The Lamb Lies Down On Broadwayにおいて、ゲイブリエル着想による難解なストーリーを音像化してきた実績を経てバンドの演奏はよりタイト且つスケールも大きくなっています。

タイトル通り火山のように熱い7拍子の鬼気迫る展開とシンフォニックなメインリフの対比がクールな#1やドッシリしたリズムが印象的な#3等の新機軸に加え、スティーブ・ハケット(G)の繊細なアルペジオが美しい#2やピアノとメロトロンが醸しだす#4の叙情性等、従来の魅力も継続。
#5の歌パートのアレンジや#6のサビ、#7全体にPOPな要素の萌芽も感じられ、後にメガヒット・バンドへと化ける過程が垣間見れます。

Track List

1. Dance on a Volcano
2. Entangled
3. Squonk
4. Mad Man Moon
5. Robbery, Assault and Battery
6. Ripples...
7. Trick of the Tail
8. Los Endos

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