ヘヴィ・メタル のレビュー

THEATRE OF TRAGEDY / Velvet Darkness They Fear

1996,NORWAY

ノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの1996年2nd。

アレンジ面が向上し醜と美の対比がより鮮明になった。メロディにも独特なフックが多数見られる反面、余り印象に残らない部分が少々感じられるのも事実。又、ドラマ性を伝えきるのに未だ長尺を要している所にさらなる成長の余地を感じる。といいつつも#5や#11では彼らならではの魅力的な個性を十二分に発揮。もう少しだ。

Track List

1. Velvet Darkness They Fear
2. Fair and 'Guiling Copesmate Death
3. Bring Forth Ye Shadow
4. Seraphic Deviltry
5. And When He Falleth
6. Der Tanz der Schatten
7. Black as the Devil Painteth
8. On Whom the Moon Doth Shine
9. The Masquerader and Phoenix

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GATHERING / Nighttime Birds

1997,NETHERLANDS

THE GATHERINGの4thアルバムNighttime Birds。
アネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)が加入しゴシック・メタル路線になってからの2作目。

ヘヴィなリフをバックにアネクがハイトーンで歌い上げる荘厳なゴシック・メタルの#1。シンセ・ストリングスのシンフォニックな装飾とピアノのアルペジオがもたらす寂寥感がアクセントとなっています。
抑えた中音域を中心にアネクの伸びやかな歌唱が堪能できる#2。
レズリーを掛けたハモンド・オルガンとクリーンなギターによるバッキングがリードするクールなパートと、サビの激情パートが織り成すコントラストがコンパクトな中に同居した#3。
凡庸な#4,#5、珍しくアップテンポ気味の#6、と中盤が少々弱いですが、終盤に盛り返します。
ゆるやかな3連リズムに乗ったアネクの瑞々しい歌唱が母性をも感じさせる#7。
イントロのプリミティブなムードのパーカッションに導かれた、アルバム随一の耽美なメロディを持つタイトル・トラック#8。
クールにアルペジオを奏でるピアノのシンプルな伴奏をバックにアネクの多層コーラス・ハーモニーが神秘的なニュアンスでアルバムのラストに余韻を残す#9。

アネクの圧倒的な歌唱力で表現された、時にモーダルな旋律を使用した印象的なボーカル・メロディがヘヴィな装いを纏った寂寥感抜群のサウンドの上をたゆたうという、前作のパターンを踏襲した作り。しかしながらボーカル・ラインはよりメロディアスとなりアネクの表現力を活かし切るとともに、その荘厳なバンド・サウンドと合わせて典型的な女性ボーカル・ゴシック・メタルの王道を極めた感もあります。そしてこの後、GATHERINGの音楽性はアルバム毎に様々な進化を見せていきます。

Track List

1. On Most Surfaces
2. Confusion
3. The May Song
4. The Earth Is My Witness
5. New Moon Different Day
6. Third Chance
7. Kevin's Telescope
8. Nighttime Birds
9. Shrink

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OPETH / Morningrise

1997,SWEDEN

OPETHの1997年2ndアルバムMorningrise。

20分超の#4を含む全5曲が10分以上。全曲がヘヴィなリフのパートと静寂アコギパートを同居させたドラマティックな作りになっている。必ず印象的なフックが用意されており、単に長いだけではないソングライティングの妙は彼らならではものです。 北欧民謡のフレーバーを幽かにちりばめたツインギターによる計算されたハーモニーの絡みに加え、テンション・ノートを効果的に使用したコードワークも徐々に増えて来た。この辺りに少々青臭い部分もあった1stからの進歩が見える。
又、得意のフォークも絶品。 #5では2本のアコギとベースが絶妙のハーモニーを奏でるアンサンブルを披露。 特にオリジナル・メンバーであるヨハン・デファルファーラのメロディアスなベースが美しい。

Track List

1. Advent
2. Night and the Silent Water
3. Nectar
4. Black Rose Immortal
5. To Bid You Farewell
6. Eternal Soul Torture

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DREAM THEATER / Falling Into Infinity

1997,USA

DREAM THEATERの4thアルバムFalling Into Infinity。
ミニ・アルバムA Change of Seasonsより加わったデレク・シェリニアン(Key)が引き続き参加。

無機的なテーマ・リフを様々に変奏・発展させて構成したクールなプログレッシブ・チューン#1。
デズモンド・チャイルドが作曲に関わったキャッチーな#2。
ダークなAORといったテイストの序盤からヘヴィに発展する#3。
ジョン・ペトルーシ(G)の繊細なアコギが味わい深いSTING風なAORチューン#4。
ジョン・ミュング(B)の弾き出すダークなベース・ラインに歪みオルガンのバッキング、シンセ・ソロとデレク・シェリニアンの見せ場が多いアルバム随一のヘヴィ・チューン#5。
豊かなメロディとマイルドなサウンドにより、5拍子や7拍子が入り組んだ複雑さを感じさせないインストゥルメンタル#6。
サビのバッキングがTOTOのGirl Goodbyeみたいな12分超のハード・ロック#7。
ジェイムス・ラブリエ(Vo)の伸びやかな歌唱をフィーチュアしたAORチューン#8。
シンセとギターのテクニカルなソロ・パートを待つDREAM THEATER流ロックン・ロール#9。
ドラマティックで美しいバラード#10。
フュージョン風なコード進行でジョン・ペトルーシが弾き捲くるインスト部を挿入した3部構成の組曲#11。

デレク・シェリニアンがメインで弾くオルガンのトーン、複雑で変態的なハッとする切り返しの少ないアレンジ、#4,#8,#10等大人しい楽曲の多さと随所に漂うAOR風味、といったところから、プログレッシブ・メタルはおろか最早メタル的なカタルシスにも乏しく、随分オーソドックスなハード・ロックになったなぁ、という印象が濃いアルバム。
KISSやBON JOVIとの仕事で有名なヒット・メーカー デズモンド・チャイルドの起用、KING’S Xのダグ・ピニックが#7でゲスト・ボーカルで参加、ヒプノシスのストーム・トーガソンによる意味深でいて実は単にインパクト勝負なだけのジャケット・アート、という様々な違和感も含め、ヒットと話題性を求めるレコード会社からの圧力がかなりあったようです。#10なんかもゴリゴリに変態な楽曲群の中に存在した方が、よりその素晴らしさが映えると思うんですが・・・

Track List

1. New Millennium
2. You Not Me
3. Peruvian Skies
4. Hollow Years
5. Burning My Soul
6. Hell's Kitchen
7. Lines In The Sand
8. Take Away My Pain
9. Just Let Me Breathe
10. Anna Lee
11. Trial Of Tears:
i) It's Raining
ii) Deep In Heaven
iii) The Wasteland

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THEATRE OF TRAGEDY / Aégis

1998,NORWAY

ノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの1998年3rd。

端正な美旋律、醜と美、ドラマ性といった自らの特徴をよりコンパクトに纏め上げることに成功。曲タイトルもギリシア・ローマ神話から引用した単語1語でシンプルにし曲のイメージをはっきりさせている。シンセのアレンジがさらに向上し全体を覆う冷ややかでしっとりとした音像もアルバムの完成度アップに多大に貢献、彼らの最高傑作となった。ゴシック・メタルのファンなら常備すべき1枚。男性ボーカルが無理に歌わず淡々としたセリフ調のテイストで統一しており、その分リヴ・クリスティン(Vo)の歌うメロディとエンジェリック・ヴォイスが引き立てられている。端整で気品すら感じられる#6,#7はこのジャンルでの古今東西最高峰楽曲。

Track List

1. Cassandra
2. Lorelei
3. Angélique
4. Aœde
5. Siren
6. Samantha
7. Venus
8. Poppæa
9. Bacchante
10. Virago

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CATHEDRAL / Caravan Beyond Redemption

1998,UK

英国のドゥーム・メタル・バンドCATHEDRALの1998年5thアルバムCaravan Beyond Redemption。

意表を突いたカーニヴァルのBGM風SEからアルバムはスタート。ギャリー・ジェニングス(G)によるヘヴィで勢いのあるリフが牽引し、中間部にプリミティブで呪術的なパーカッション・パートを含んだオープニング・チューン#1。
#1の勢いを引き継いだ、シンコペーションが効果的なヘドバン・チューン#2。
ピッキング・ノイズがヘヴィネスを増幅するシャッフルのドゥーム・ナンバー#3。
ワウを絡めたジミ・ヘンドリックス風ファンキーなギター・リフがレオ・スミー(B)、ブライアン・ディクソン(Dr)の繰り出すビッグなリズム上で躍動する新機軸なヘヴィ・サイケ・ナンバー#4。
リー・ドリアン(Vo)のヘタウマ・ボーカルがカッコ良いリフに乗る#5では、中間部のメロトロンによる叙情パートと同名のホラー映画から引用したMCがアクセントになっています。
テルミンを使用したスペイシーで破壊的なオープニングからアッと思わせ、邪悪なリフが淡々とのたうちつつ、自然にグルーヴィなパートに変化する#6。
往年のSABBATHのごとくアコギをフィーチュアしたクリーンなインストゥルメンタル#7。
一転してお得意のヘヴィなシャッフル・ナンバー#8で後半戦スタート。
サイケ・ポップ風な#9。
ブ厚いパワーコードからボーカルとのユニゾン単音リフに変化するリフ主体の70年代風ヘヴィ・ロックな#10。
幽玄なフルートが寂寥感を醸し出すゆったりとしたテンポのヘヴィな#11。
曲の進行をリフの展開に託したヘヴィな#12や#13。

ひねりを加えた#1や#5の展開、#1のオープニングや#13ラストに加え曲中でのSEの使用、#7や#9といったアクセントとなる楽曲の配置、などにアレンジやアルバム構成を周到に練りこんだ跡が伺えます。
やりたいことを追求してきた結果、彼らが影響を受けてきた音楽的ルーツがより鮮明に楽曲へ反映されるようになってきました。

Track List

1. Voodoo Fire
2. Unnatural World
3. Satanikus Robotikus
4. Freedom
5. Captain Clegg
6. Earth Messiah
7. Caravan
8. Revolution
9. Kaleidoscope of Desire
10. Heavy Load
11. Omega Man
12. Dust of Paradise

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GATHERING / How to Measure a Planet?

1998,NETHERLANDS

オランダの(元)ゴシック・メタル・バンドGATHERINGの5thは2枚組の大作How to Measure a Planet?。前作のツアーを最後にギタリスト イェルマー・ヴィールスマが脱退し5人編成となりました。

前作Nighttime Birdsで荘厳なゴシック・メタルを極めた彼らの次なるステップは、何とトリップ/アンビエント方面への方向転換。モーダルなボーカル・メロディがクールなアップテンポのハード・ロックDISC1 #5を除き、全編をダークで鬱なサウンドが覆っています。
そこにヘヴィ・メタルな激情はもはや無く、レネ・ルッテン(G)がテルミンを使用したDISC1 #3,DISC2 #2をはじめ、DISC1 #3,#7,#8,#9等に見られるシンセ他エレクトロニカな飛び道具を駆使したスペイシーなトリップ感で各楽曲が満たされています。
ところが、ヘヴィ・メタリックなギターをほぼ排除した冷たく無機質にも感じられるバックのサウンドが、前2作を経て表現力を増してきたアネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)の歌唱の持つ温かみをより引き立たせ、無機的な中にもオーガニックな感触が混在した独特な質感のムードに仕上がっているのが面白いところ。
又、良く聴くとレネ・ルッテン(G)がディジュリドゥなるオーストラリア大陸の先住民族アボリジニの木管楽器を使用したDISC2 #1、超長尺のDISC2 #5など音響に拘ったインストゥルメンタル・ナンバーや、クリーンなギター・サウンドから滲み出た本質的な寂寥感は以前と変わらぬものである事に気づきます。

リリース当時はファンタジーでも荘厳でも無いジャケット・デザインと合わせて、一聴してそのあまりの変貌振りに衝撃を覚えましたが、バンドの歴史を俯瞰した現在の状況から見ると、ゴシック・メタルの荘厳な演出に頼らずにバンドの本質であるダークな美を表現しようとした意欲作である、との認識をあらたにします。

Track List

DISC1
1. Frail (You Might As Well Be Me)
2. Great Ocean Road
3. Rescue Me
4. My Electricity
5. Liberty Bell
6. Red Is A Slow Colour
7. The Big Sleep
8. Marooned
9. Travel

DISC2
1. South American Ghost Ride
2. Illuminating
3. Locked Away
4. Probably Built In The Fifties
5. How To Measure A Planet?

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OPETH / My Arms Your Hearse

1998,SWEDEN

マーティン・メンデス(B)とマーティン・ロペス(Dr)が加入し、OPETH中期の黄金ラインナップが揃った3rdアルバムMy Arms Your Hearse。

メロディック・デス・メタル界の名プロデューサーフレドリック・ノルドストロームをプロデューサーに迎え、サウンド、ソングライティング、ムード全てが大幅にレヴェル・アップ。ヘヴィネスと静謐が複雑に入り組みながらも、全体としての調和がイマイチだった前作までとは打って変わり、清濁・緩急が有機的に結びつき、サウンド面の向上も相まってOPETHのスタイルがここに完璧に完成。威厳あふれるミカエル・オーカーフェルト(G/Vo)のデス・ヴォイスや格調高くも冷え冷えとした妖しいコーラスが、初期の単音からコードワーク中心へと変遷してきたブ厚いプログレッシブ・ヘヴィ・リフと完全に一体化。驚異的な音の壁が轟然と攻め込んでくるかのような迫力が漲っています。
前作までが散発のゲリラ戦法だとしたら、まさに今作は陸海空の三軍共同戦線による怒涛の進軍という感じ。
#6なんて極限まで禍々しいリフの曲なのに、妖しいアコギパートと終盤のメロディアスなフォーク調のパートの存在によって一種の神々しささえ湛えた楽曲にまで高められている。
そして#8の1分過ぎ、クリーンなコーラスからの展開がもうトリ肌。これぞOPETHな恍惚の場面転換。
これがねー、病みつきになるんですよ。#7のようなムーディなフォーク曲も単なるクールダウン以上のクオリティで、ミカエルのクリーン・ヴォイスが堪能できます。

Track List

1. Prologue
2. April Ethereal
3. When
4. Madrigal
5. Amen Corner
6. Demon of the Fall
7. Credence
8. Karma
9. Epilogue

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BLACK SABBATH / Reunion

1998,UK

1997年12月5日地元バーミンガムでのオリジナルメンバーによるBLACK SABBATH再結成ライブ。名曲ばかりなのでベストアルバムとしても使えるな。やっぱりサバスはこのドロドロ感だな。

Track List

Disc 1
1. War Pigs
2. Behind the Wall of Sleep
3. N.I.B.
4. Fairies Wear Boots
5. Electric Funeral
6. Sweet Leaf
7. Spiral Architect
8. Into the Void
9. Snowblind
Disc 2
1. Sabbath Bloody Sabbath
2. Orchid/Lord of This World
3. Dirty Women
4. Black Sabbath
5. Iron Man
6. Children of the Grave
7. Paranoid
8. Psycho Man
9. Selling My Soul

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GATHERING / Superheat A Live Album

1999,NETHERLANDS

1999年の地元オランダでの公演を収録した、オランダの(元)ゴシック・メタル・バンドGATHERINGのライブ・アルバムSuperheat。

アンビエントに進化した最新作How To Measure A Planet ?から6曲(#1,#3,#4,#5,#6,#9)、ゴシック・メタル時代のNighttime Birdsから2曲(#2,#8)、Mandylionから2曲(#7,#10)と、アネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)加入後3作品から選曲された全10曲を収録。

幽玄なシンセを中心に淡々としたバンドの演奏にアネクの艶やかな歌唱が乗る#1。
一転してゴシック・メタルな#2へ。強靭な歌声と繊細な歌声を場面に応じて完璧に使い分けるアネクの驚異の歌唱が見事です。
サビではアネクのパワフルな歌唱と相まってメタルなテイストが濃くなる、サンプルの無機質なビートに乗った#3。
程好く会場が暖まった所で、異色のノリノリ・ナンバー#4、内省的な#5,#6、とHow To Measure A Planet ?からの楽曲が続くも会場の反応は上々。
そして、アネクの威風堂々たる歌唱が堪能できる彼らの歴史を変えたゴシック・メタル・チューン#7。ギタリストが1人となったサウンドの穴を埋めるキーボードの多彩な演出がスタジオ盤以上に前に出ており、この時期のバンドの方向性とも巧くブレンドされています。
続いてゴシック・メタル期の名作#8と代表曲を続けてクライマックスを迎え、#9を挟んで、レネ・ルッテン(G)の操るテルミンをフィーチュアしたりとスタジオ・バージョンよりも大幅にトリップ感を増した#10。終盤に登場するアネクがエモーショナルな歌唱を聴かせます。

新作で大幅な音楽的変化があったにもかかわらず、ライブでは意外にも新旧のテイストが自然に融合しているのが面白いですね。
過渡期のバンドの生の姿を反映した記録的価値の高いライブです。

Track List

1. The Big Sleep
2. On Most Surfaces (Inuit)
3. Probably Built In The Fifties
4. Liberty Bell
5. Marooned
6. Rescue Me
7. Strange Machines
8. Nighttime Birds
9. My Electricity
10. Sand And Mercury

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OPETH / Still Life

1999,SWEDEN

スウェーデンのプログレッシブ・デス・ゴシック・メタルバンドOPETHの1999年4thアルバムStill Life。

バンドのブレイン ミカエル・オーカーフェルト(G/Vo)はもう天才と言っていいでしょう。パワフルかつ無慈悲なデス・ヴォイスと70年代英国ロック風なクリーン・ヴォイスの使い分け、リリカルでいて時に不気味で奇妙な旋律を奏でるアコギ、確かなテクニックに支えられたツボを得たメロディアスなギター・ソロと独自の個性的なディストーション・リフを吐き出すエレキ・ギター。これら清濁/静動の対比が複雑な曲展開と相まって自在に配されており、唯一無二の個性を完成させています。
各曲に必ず必殺の叙情テーマ・メロディが用意されており、時には歌唱、時にはギターでと表現手段を変えながら長尺曲の随所に完璧に配置され緊張感を持続させると共に、楽曲のアイデンティティを明確にする効果ももたらしています。基本はデス・メタルかもしれませんが、アコギ主体のフォーク #3での神秘的な叙情性をはじめ、楽曲の構築性など全体に流れるムードは70年代っぽいんです。素敵なジャケは勿論トラヴィス・スミスによるもの。

Track List

1. Moor
2. Godhead's Lament
3. Benighted
4. Moonlapse Vertigo
5. Face of Melinda
6. Serenity Painted Death
7. White Cluster

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DEF LEPPARD / Euphoria

1999,UK

DEF LEPPARDの1999年作。グランジ・ブームのあおりを受けて道を見失ったバンドが初心に帰って作ったアルバム。だが、あまりのマンネリに自らのパロディをやっているように感じられる部分も。それにしてもギターが2人ともゲイリー・ムーア先生の弟子になってしまうとわ(フィル・コリンと”アイルランドの神童”ヴィヴィアン・キャンベル)。デビュー当時想像もできんかったことだな。

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DREAM THEATER / Metropolis PT2 : Scenes from a Memory

1999,USA

プログレ・メタルの先駆者DREAM THEATERの5thアルバムScenes From A Memory。

2ndアルバム収録曲で初来日公演のオープニングを飾ったプログレ・メタルの名曲Metropolis PART1に続くPART2を銘打った、悲劇と輪廻転生を描いたストーリー・アルバム。

イントロ的な#1からMetropolisの一節を挿入してフェードインしてくる#2のリフで既にワクワク感はMAX状態。大きな展開とテクニカルな素早いパッセージをバランス良く配した曲構成も見事なオープニング。
後にリプライズするピアノのアルペジオが印象的な#4から、新加入ジョーダン・ルーデス(Key)の超絶ソロが登場するダークな#5に移行するあたりから徐々に物語の深部へ。
メタリックな激しさとミステリアスな静寂が交互に押し寄せ、やがてメロディアスに昇華するドラマティックな#6。中間部のインスト・パートは、リフをバックにしたジョン・ペトルーシ(G)のソロ、目まぐるしく展開するシンセ・ソロ、ジョン・ペトルーシの鬼のような早弾きと息つくヒマも無いが、これだけ弾き倒されるとむしろ爽快。
ソウルフルな女性スキャットがアルバムの中間地点で良いアクセントとなった#7。ここはジェイムス・ラブリエ(Vo)の表現力豊かな歌唱も聴き所です。
熱にうなされるかのように息苦しくヘヴィな#8で物語はACT IIへ。ヘヴィネスからメロディアスに転換する意外性あるアレンジが秀逸。
ジョン・ミュング(B)によるフランジング効果の掛かった重いリフからプログレ・メタルらしい奇妙なリフに変化するインストゥルメンタルの#9。ホンキートンク・ピアノのソロがなかなか洒落ていて、ジョーダン・ルーデスの引き出しの多さを垣間見れます。
流れるように美しいピアノに導かれたバラード風の冒頭から、爽やかとも言えるくらいメロディアスなサビへ移行する#10。
#11はゴスペル風コーラスとジョン・ペトルーシの情感たっぷりなギター・ソロをフィーチュアした、普遍性を持ったメロディアスな名曲。
そして起伏あるドラマを締めくくるのが、アルバム全てを凝縮したかのようなドラマティックな12分超の感動大作#12。

随所にMetropolisの一部を登場させるニクい演出もさることながら、とにかく全曲の質が異常に高い。
場面転換してストーリーを紡ぎながらも各曲のキャラがちゃんと立っているのがもはや奇跡。
従来のテクニカルなプログレッシブ・メタルに、より一般受けするメロディアスな要素を加えつつ、それをさらにストーリー性を持たせてアルバム1枚を構築してしまうという偉業を成し遂げたロック史に残る名盤。
このアルバムでDREAM THEATERは往年の名バンド達と肩を並べたと言っても良いのではないでしょうか。
ストーリーのラストは音だけでは不可解なので、タネ明かしされるライブDVDの鑑賞もお勧めします。

Track List

1. Regression
2. Overture 1928
3. Strange Deja Vu
4. Through My Words
5. Fatal Tragedy
6. Beyond This Life
7. Through Her Eyes
8. Home
9. The Dance of Eternity
10. One Last Time
11. The Spirit Carries On
12. Finally Free

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THEATRE OF TRAGEDY / Musique

2000,NORWAY

THEATRE OF TRAGEDYの2000年作。

前作で美を極めた反動からか、突如エレクトロニックなサウンドに転換。曲タイトルも現代風というか何というか無機質なイメージだ。ベースとなるサウンドが全然違う方向に来てしまっっておりゴシック・メタルではもはや無く、ヘヴィなヨーロピアン・エロクトロニック・ポップという趣。一体この2年間に何があったんでしょうか?しかしながらリヴ・クリスティン(Vo)は今まで以上に普通に歌っており、#4の「アン、アアン、ア、アンアン、アアン」なんて部分では新味の萌えを発散している。歌唱スタイルはむしろ後のLEAVE’S EYESにより近くなっているくらいなので、彼女のファンとしてはこれはこれでありだ。

Track List

1. Machine
2. City Of Light
3. Fragment
4. Musique
5. Commute
6. Radio
7. Image
8. Crash/Concrete
9. Retrospect
10. Reverie
11. Space Age

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SPIRITUAL BEGGARS / Ad Astra

2000,SWEDEN

マイケル・アモット(G)率いる70年代ロックのグルーヴとフレイヴァーを持ったスウェーデンのバンドSPIRITUAL BEGGARSの2000年4th。

本作よりペル・ヴィバリ(Key)がメンバーとして正式にクレジットされており、オールド・スクールなオルガン・サウンドを中心にフェンダー・ローズ、メロトロンなども駆使し、リフ、バッキング、ソロと全編で活躍しております。ギターとオルガンによるグルーヴィなリフで早くも独特の音世界に引きずり込む#1。現代的ブルーズ・ロックをベースに、ギター・ソロではマイケルの官能的なフレーズを聴かせる#2。性急なリフから一転し、ユニークなコードを使ったバッキングが新鮮な#3。轟音リフとメロウなアルペジオ&コーラス・パートのコントラストにハッとする#4。ヘヴィなリフとクラシックHRのテイストが融合した#5。空間を活かしたリフからのメロディアスな展開が秀逸な#6。グルーヴィなシャッフルをベースにTHIN LIZZY風なギターのオブリガードがニヤリとさせる#7。ディレイを使用したSEによるトリップ感と広がりのあるサビでスケールの大きさを感じさせるミディアム・テンポの#8。BLACK SABBATH風なうねるリフを持ちながらも、カラフルかつキャッチーに展開する#9。ルディック・ヴィット(Dr)の叩き出す様々なビートがリードする#10。サビのハンド・クラップも良い感じです。バンドが一体となって音塊をぶつけ、ハード・ロックの醍醐味を体現した#11。トレモロを効かせたローズでメロウに進行しオルガンやメロトロンで陰影を加えた前半から、ブ厚いリフの登場と共にギター・ソロとオルガン・ソロをフィーチャーしドラマティックな盛り上がりを見せる#12。ギターのエッジが立った現代的なサウンドで、クラシック・ロックのテイストを巧く消化した独自のハード・ロックが楽しめます。

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GATHERING / If Then Else

2000,NETHERLANDS

オランダのゴシック・メタル・バンドTHE GATHERINGの6thアルバムIf Then Else。

スペイシーなシンセのSEに導かれるオープニング・チューン#1。往年の威厳を感じさせるミディアム・スローテンポのどっしりしたリズムとヘヴィなギターがリードする展開に、フレンチ・ホルンのまろやかなトーンがアクセントとなっています。
打って変わってアップテンポでグイグイ来るハード・ロックな#2。クレジットによると、サウンドの味付けにROLANDのグルーヴ・ボックスMC-505のループも使用しているようです。
MC-505のドラム・ループと音数の少ないキーボードのリフによる冷たい感触に、アネク・ヴァン・ガースバーゲン(Vo)の瑞々しい歌唱のダークながらも温かみある情感が対比した#3。生のヴァイオリンと霧のようなシンセ・ストリングスの白玉も良い感じです。
レネ・ルッテン(G)得意のクリーン・ギターのリフがリードする前半から、バンドインとともに盛り上がり、アネクの美しいハイトーンが映える後半に展開する優しいムードの#4。
引き摺るようなヘヴィなギター・リフにアネクの女帝ボーカルが乗るゴシック・メタル・タイプの#5。ではありますが、中間部でのギター・ソロ後の荘厳なパートもシンセのエレクトロニックな装飾により、依然とはまた違った新鮮な感触に仕上がっています。
バンドの演奏に、オーボエ、ホルン、トロンボーンが加わり、ヘヴィながらもウォームに仕上がったインストゥルメンタル#6。
フェンダー・ローズの少々ダーティなトーンによるリフと、アネクの表情豊かな歌唱でミステリアスかつクールに進行する#7。#5同様、中間部の荘厳なヘヴィ・リフとエレクトロニックのコラボが新鮮でカッコ良いです。
クリーンなギターをバックに、アネクがゆったりと伸びやかな歌唱を聴かせる#8。
MC-505のドラム・ループ、ヴァイオリンとチェロ、バンドのヘヴィな演奏が融合した#9。ピアノの叙情や耽美なメロディなど、GATHERING独自のゴシック・ロックに到達した感がありますね。
生の弦にハモンドやウーリッツァーなどヴィンテージ・キーボードを絡め、仄かな叙情を描いた#10。
キーボード、ヴィブラフォン、チェロ、ホルン、トロンボーンによる、スペイシーなトリップ感を漂わせるインストゥルメンタル#11。

アンビエントな装いの前作は衝撃でしたが、本作は若干ハードなテイストも復活。ところが、#5,#7に代表されるように、質感はありがちなゴシック・メタルとは別物。奇妙でインパクトあるSEを吐き出すシンセやドラム・ループの効果的な活用と、それに相反するかのような生の管や弦の導入が見事に溶け合って、GATHERINGが本来持っているヨーロッパ的な寂寥感の演出に多大な貢献を果たしています。勿論、モーダルなメロディを中心に艶やかな美声を聴かせるアネクは健在。他とは一線を画す高みに到達した、Mandylionに続くバンド2度目のピークと断言しちゃいます。サウンドの進化を追求する姿勢は、もはやプログレ。狭隘なゴシック・メタル・ファンではなく、プログレッシブ・ロック・ファンにこそ、聴いて欲しい傑作です。

Track List

1. Rollercoaster
2. Shot To Pieces
3. Amity
4. Bad Movie Scene
5. Colorado Incident
6. Beautiful War
7. Analog Park
8. Herbal Movement
9. Saturnine
10. Morphia's Waltz
11. Pathfinder

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THEATRE OF TRAGEDY / Closure

2001,NORWAY

ノルウェーのゴシック・メタル・バンドTHEATRE OF TRAGEDYの2001年作ライブ。

初期のゴシックな雰囲気にエレクトロニック風味が共存していておもしろい、過渡期にあるバンドの姿をさらけ出したライブ。#5は原曲をアレンジしデジタル・ポップになっちゃったりして。でも不思議とそれなりに聴けてしまう。名曲#4もスタジオ・バージョンとは違う雰囲気のイントロでコレもなかなか良い。リヴ・クリスティン(Vo)の歌唱はウィスパーなスタジオ・バージョンよりも”歌っている”感じ。ハイライトは#7だ。エンジェリック・ヴォイスで煽るリヴたん。。

Track List

1. Intro/And When He Falleth
2. Der Spiegel
3. Cassandra
4. Venus
5. Black as the Devil Painteth
6. Siren
7. Poppæa
8. Bacchante
9. A Distance There Is
10. Der Tanz Der Schatten

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CATHEDRAL / Endtyme

2001,UK

英国のドゥーム・メタル・バンドCATHEDRALの2001年6thアルバムEndtyme。

王道ヘヴィ・メタルに70年代ロックのヴァイブを持ち込んだここ数作のテイストから一転、原点回帰ともいえる超スロウ&ヘヴィ路線に絞り込んだ本作。沈み込み、苦しげにのたうち回るヘヴィこの上ない暗黒リフで構成された楽曲群の中にも、70年代風ロックのムードを漂わせた#4やメロディアスでメロウなパートを挿入した#5,#9に70年代英国ロック好きなリー・ドリアン(Vo)の趣味が感じられます。
#4のエンディングでの耳障りなノイズや#9でのスペイシーとすら言える不条理ノイズSEには、スタジオ・ワークならではのギミックで新たなものを創造しようとする意図も垣間見れますが、手法としては過去にBLACK SABBATHなんかもやっていた事なので、結局マネっこかよ!と突っ込みたくもなる微笑ましい所がCATHEDRALの魅力だったりしますので困ったものです。
日本盤のジャケット・アートはお馴染みのデイヴ・パチェットによるものですが、海外盤は何だか味気無いイラストになってます。

Track List

1. Cathedral Flames
2. Melancholy Emperor
3. Requiem for the Sun
4. Whores to Oblivion
5. Alchemist of Sorrows
6. Ultra Earth
7. Astral Queen
8. Sea Serpent
9. Templars Arise! (The Return)

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カテゴリー: CATHEDRAL

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OPETH / Black Water Park

2001,SWEDEN

OPETHの2001年5thアルバムBlack Water Park。

前作Still Lifeを非常に気に入ったという英国のプログレ・マニア PORCUPINE TREEのスティーブン・ウィルソンがプロデュースしてます。
不条理変態リフと叙情アコギ、そして#2のコーラス部に代表される英国的な雰囲気すら漂わせる歌メロ。全てが計算されつくされつつ複雑に構築されているので何回聴いても飽きないし、その都度新たな発見があります。
メロディの扇情度は歴代OPETH作品の中で一番かも。
2008年の初単独来日公演ではアンコールでプレイされた名曲#4のイントロは美しさとトリップ感を併せ持つ新感覚メロディだし。
12分の叙事詩的大作であるタイトル曲#8も長尺を感じさせない巧みな構成がカッコ良くて最高。
禍々しいリフ、清廉なアコギ等OPETHの魅力がバランス良く満載された名盤です。

Track List

1. Leper Affinity
2. Bleak
3. Harvest
4. Drapery Falls
5. Dirge for November
6. Funeral Portrait
7. Patterns in the Ivy
8. Blackwater Park

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SPIRITUAL BEGGARS / On Fire

2002,SWEDEN

マイケル・アモット(G)率いるスウェーデンのハード・ロック・バンドSPIRITUAL BEGGARSの2002年5th。

脱退したスパイス(Vo/B)の後任にGRAND MAGUSのJB(Vo)とTHE QUILLのロジャー・ニルソン(B)が加入。又、本作よりペル・ヴィバリ(Key)がメンバーとして正式にクレジットされており、オールド・スクールなオルガン・サウンドを中心にフェンダー・ローズ、メロトロンなども駆使し、リフ、バッキング、ソロと全編で活躍しております。不穏なサイレンのSEからダーティなオルガンが唸りを上げる爆裂ハード・ロックン・ロールに突入する#1。早くもJBのパワフルな歌唱がバンド・サウンドに完璧にフィットしております。超ヘヴィ・リフによるドゥームなイントロから、ザクザクした刻みのギターとオルガンがバックを固めるブルーズ・ベースのヘヴィ・ロックに展開する#2。ギターとオルガンによるキャッチーなリフを持つオールド・スクールなメロディアス・ハード・ロック#3。サウンドのスキ間を活かしたルディック・ヴィット(Dr)のドラミングが印象的です。ミディアム・テンポの中に様々なリズム・パターンを織り交ぜ、サビではメランコリックな表情を見せる#4。JBのディープでセクシーな歌唱がデイヴィッド・カヴァデールを彷彿させます。冒頭にモーグのスペイシーなソロを配したエピック・チューン#5。スケールの大きなリフは、ライブではオーディエンスによる「Oh~Ohhh~」で再現されるパターンですね、これは。間髪置かずに始まるBLACK SABBATH風のソリッドでコンパクトなリフがカッコ良い#6。SEとメロトロン、クリーンなギターが織り成すムーディなインストゥルメンタル小品#7。シンコペーションの単音リフがRAINBOWっぽい#8。ビッグな縦ノリのリフに思わずヘッド・バンギングしたくなる#9。ギターとオルガンの熱いバトルも聴き所です。アコギとパーカッションをバックにマイルドなシンセが浮遊するイントロの70年代っぽさと、ヘヴィなリフに雪崩れ込んでからのクールな展開が痺れる#10。マイケルのタメにタメたブルージーなフレージング、絶妙なトーン・コントロールによる感情表現が見事なソロ。そしてそれに続くペルのオルガン・ソロがまた良い感じのフィーリング。JBの歌唱を活かした哀愁のサビを持つハード・ロック#11。ワウを絡めて泣きまくるマイケルのソロがナイスです。随所でニヤリとさせる70年代クラシック・ロックのテイストを、現代的ヘヴィネスとの融合でアップデートしたハード・ロックの名盤です。

Track List

1. Street Fighting Saviours
2. Young Man, Old Soul
3. Killing Time
4. Fools Gold
5. Black Feathers
6. Beneath the Skin
7. Fejee Mermaid
8. Dance of the Dragon King
9. Tall Tales
10. The Lunatic Fringe
11. Look Back

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