SEAN FILKINS のレビュー

SEAN FILKINS / War and Peace & Other Short Stories

2011,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドBIG BIG TRAINの元ボーカリスト シーン・フィルキンスの1stアルバムWar and Peace & Other Short Stories。

シーン・フィルキンスがお茶を入れている状況を、なんとなく懐かしさを感じさせる英国ムードいっぱいのBGMに乗せて送る短いインストで幕を開ける#1。
のどかな#1から一転、ズ太いアナログ・シンセのスリリングな変拍子リフでいきなりリスナーの耳を釘付けにする#2。ゆったりとした叙情パートと、ギターのリフがリードするハードなパートで起伏を見せつつも、クリーンで真摯な歌声が統一した世界観を表現したドラマティックなナンバー。
続く#3,#4は総尺30分に及ぶ組曲。#3の冒頭、シタールとドローン音をバックに奏でられるフルートのメロディがエスニックなムードを湛えつつ、軽快でキャッチーな歌唱パートを経て後のサビで同じメロディが壮大かつメロディアスにリプライズされるという伏線を張った展開も見事。
少々落ち着いた感じの#4はBIG BIG TRAINを思わせる斬新な歌メロが印象的。
続く#5も5パートからなる20分超の大作。
シーンの娘さんが歌う、賛美歌のような瑞々しく敬虔な感じのオープニングのPT1。
深遠な思索路線のPT2では船員を惑わすセイレーンの歌声を、神秘的な女性スキャットで美しくも妖しく表現。
5拍子のインスト・パートがハードに展開するPT3。
アコギのカッティングと多層パッド系シンセに美くしいボーカル・メロディが乗ったバラードのPT4。
ここまでの雰囲気を引き継ぎ、強力な叙情メロディでより感動的に展開するPT5、と構成も完璧。
マンドリンやフルートの特徴あるトーンを優しく包み込むシンセがまろやかな質感を醸し出すセンチメンタルなバラード#6。

フックを随所に散りばめたニクいアレンジ、ジョン・ミッチェル(IT BITES)、ゲイリー・チャンドラー(JADIS)などによるツボを押さえたプレイ、シタールにアナログ・シンセやハードなギターなど展開に合わせたバラエティに富んだ楽器群などなど、シンフォニック・プログレ・ファンが求める要素が満載の傑作。

Track List

1. Are You Sitting Comfortably
2. The English Eccentric
3. Prisoner Of Conscience: Part 1 - The Soldier
4. Prisoner Of Conscience: Part 2 - The Ordinary Man
5. Epitaph For A Mariner Parts 1 to 5:
Part 1 - Sailor's Hymn
Part 2 - Siren's Song
Part 3 - Maelstrom
Part 4 - Ode To William Pull
Part 5 - Epitaph
6. Learn How To Learn

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