SHADOWLIGHT のレビュー

SHADOWLIGHT / Twilight Canvas

2012,UK

英国のプログレッシブ・ロック・バンドSHADOWLIGHTの1stアルバムTwilight Canvas。

ヴィンテージ・キーボードの古式ゆかしい響きやテクニカルなアンサンブルをフィーチュアした複雑な楽曲構成など、いわゆる懐古プログレ的な手法を前面に出すのでは無く、全体的にはボーカル・メロディを主軸にしたダーク寄りのオーソドックスでメロウなロック。
鮮烈な7拍子リフの#1、5拍子を自然に聴かせつつ静動の起伏を付けた#5のように、変拍子を目的では無く表現手段のひとつとして消化しているところに好感が持てる。

#4,#6,#7,#9などメロウな楽曲ではアンニュイとも言えるボーカルが、翳りを交えたキャッチーなメロディ・ラインに巧く溶け込み、エレピやオルガンなど派手さは無いが手堅い音色チョイスの鍵盤によるセンス良いプレイが支えてジワジワと叙情を醸し出している。
ところが、抜けの悪い声質に加えてボーカルパートの音量レベルが低く、ヘヴィ・メタルの影響が伺えるヘヴィなバッキング・リフのあるパートではその控え目というか若干弱いボーカルが紡ぐせっかくの良メロディが埋もれがちなのが少々残念。

シンフォニックなシンセ・ストリングスが活躍する#4の素晴らしいピアノ・ソロや#6のインスト・パートなど、陶酔感に浸れる音響表現はPINK FLOYDやPORCUPINE TREEにも通ずる英国らしさで、繰り返して聴きたくさせる力を持っています。

Track List

1. Dreaming Awake
2. Beauty Dies
3. Monochrome Dream
4. Winter
5. Different Light
6. Cutting Room
7. Black Swan
8. Reprise
9. 3am Forever
10. Evenfall

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