MAGIC PIE のレビュー

MAGIC PIE / King For A Day

2015,NORWAY

ノルウェーのプログレッシブ・ロック・バンド MAGIC PIEの4thアルバムKing For A Day。

緩急や拍子チェンジにドライヴィングなギター・リフが切れ込むキャッチーで爽快な#1。
コーラスとメイン・ボーカルの掛け合いで進行するアリーナ・ロック風パートでスケール感を見せつけ、ヘヴィ・ロックや北欧フォークロア風味を交えたインスト・パートにメロウなパートも織り込んだ中間部を経て再びアリーナ・ロックに回帰する#2。かわいらしいオルゴールで締めるアイディアもありがちだが、琴線に触れる心憎い演出ではある。
フックの効いたQUEEN風パートやメロトロンがやさしく包み込むメロウ・パートを内包した快活なハード・ロック・チューン#3。シンセとギターの高速ユニゾンに始まるカラフルなインスト・パートには、FLOWER KINGSのような桃源郷テイストも。
ロングトーンを活かしたソフトなギターのランドスケープを継承し、メロトロン・フルートとクリーン・ギターのアルペジオによる神秘的なイントロに移行する#4。メロトロン・ストリングスが登場するメロウネスとダークなヘヴィネスを対比させたボーカル・パート、エキゾチックなメロディをまぶしたシンセやギターによるインスト・パートへと巧みに展開。
インスト・パートのシンセとギターによるハーモナイズ・フレーズがテクニカルでカッコ良い、叙情メロディアス・ハード・ロック#5。
27分超のタイトル・トラック#6。快活なロックンロールや抑えた叙情で起伏を付けたボーカル・パートとテクニックに裏打ちされたスリルを盛り込んだインスト・パートが交互に主役を張って進行するエピック・チューン。テーマのモチーフを変形・発展させながら繰り返していく手法はSPOCK’S BEARDTRANSATLANTICの奥義に迫るものがある。エンディングでのクラシカルで構築されたメロディと手癖が良い感じで融合した弾き捲くりのギターが圧巻。

時折出現するヘヴィ・メタルなタッチのシュレッドな早弾きギターに象徴されるエッジの立ったギターがサウンドのスパイスとなってMAGIC PIEとしての独自性を発揮。多層コーラスやひねりの効いた演出にMOON SAFARIっぽい部分もあるが、MAGIC PIEはストロングにも歌えるボーカルの存在感からより硬派な印象を受ける。

Track List

1. Trick of the Trade
2. Introversion
3. According To Plan
4. Tears Gone Dry
5. The Silent Giant
6. King For A Day

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