KHAN のレビュー

KHAN / Space Shanty

1972,UK

スティーヴ・ヒレッジ(G/Vo)を中心とした企画バンドKHANの1972年唯一作。

ブルーズ・ロック、ジャズ・ロック、サイケ・ポップが渾然一体となったサウンドは一聴すると掴み所無いですが、実はきちんとアレンジされた計算ずくのカッコ良いアート・ロック。
主役は勿論ヒレッジですが、ゲスト参加のURIEL~ARZACHEL時代の盟友デイヴ・スチュワート(Key)がオルガンやエレピで後のHATFIELDやNATIONAL HEALTHの片鱗を伺わせるユーモアがありつつも神経質なくらい細かいフレーズで楽曲を彩る独特のセンスを発揮しています。
随所にギターとオルガンのハモリや同じフレーズを追いかけっこのように奏でる完全にコンポーズされたスリリングなパートが配され、ヒレッジのベタとも言えるロック・ギターの常套句を連発させるアドリブのソロ・プレイとの対比もおもしろいですね。
ボーカル・パートのサビで見せる叙情性や、変拍子を自然に聴かせるセンスにCARAVANみたいな雰囲気も。どの楽曲も一筋縄では行かない内容の濃さ。これで当時20歳かそこらだったというから驚きと共に嫉妬すら感じてしまう脅威の1枚。

Track List

1. Space Shanty
2. Stranded
3. Mixed Up Man of the Mountains
4. Driving to Amsterdam
5. Stargazers
6. Hollow Stone

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