JAKSZYK, FRIPP and COLLINS のレビュー

JAKSZYK, FRIPP and COLLINS / A Scarcity of Miracles

2011,UK

ジャッコ・ジャクスジク(G/Vo)、メル・コリンズ(Sax) という21st CENTURY SCHIZOID BANDのメンツとロバート・フィリップ(G)による、JAKSZYK, FRIPP and COLLINS名義での1stアルバム。リズム隊はトニー・レヴィン(B)とPORCUPINE TREEのドラマーでKING CRIMSONのツアーにも参加していたギャヴィン・ハリソン(Dr)。

メル・コリンズとジャッコ・ジャクスジクの個性が活かされた、メランコリックな#1。アコギはジャッコ・ジャクスジクでしょうか。
冒頭のシタール風サウンドがエキゾチックなアクセントに。ギターが支えサックスが彩を加える#2。
とここまでは比較的コマーシャルですが、以降はフリー・フォームのジャムから次第にアンサンブルに移行するというパターンの楽曲が続く。
ルバートしたサウンドスケープをバックに、ジャッコ・ジャクスジクのボーカルとメル・コリンズのサックスが浮遊する#3。前半のシリアスで静謐なムードは、このメンツならではのものと言えるでしょう。
ボーカル・ハーモニーや各楽器のロングトーンが、神秘的なムードを醸成する#4。
ヘヴィ度はそれほどではないものの、各パートの混沌としたエネルギーが適度に抑制されてスリリングなアンサンブルを生み出す屈折系の#5は、仄かに以前の音楽性との関連が伺えます。
又もや漆黒のルバート空間でのインプロ的フレーズから、サウンドスケープをバックにボーカルが入りサックスがオブリガードを加える#6はもはや瞑想の世界。

コンセプトや全体像についてのディレクション面はともかくプレイ面での御大ロバート・フリップの影が薄い中、サウンドのカギは、メル・コリンズのマイルドなプレイとジャッコ・ジャクスジクの”プログレ声”による歌唱。特に全編に渡ってメル・コリンズの出番が多く、彼のサックスが楽曲を特徴付けるメロディアスなプレイを一手に引き受けている印象。
King Crimson Projekctとの記載もある事からKING CRIMSONとの関連を匂わせながらも、そのものでは無いという、まさにプロジェクトとしての位置付けと理解していいのでしょうか。

リスナーやシーンに対する挑戦かのようなギラギラしたメタリックな音楽性を追求した90年代~00年代のヌーヴォ・メタル路線とは別種の、ダークで落ち着いたアダルトなテイストに仕上がっています。

Track List

1. A Svarcity of Miracles
2. The Price We Pay
3. Secrets
4. This House
5. The Other Man
6. The Light of Day

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