GNIDROLOG のレビュー

GNIDROLOG / In Spite of Harry’s Toe-nail

1972,UK

GNIDROLOGの1972年1stアルバムIn Spite of Harry’s Toe-nail。

エキセントリックなヴォーカルとそれを軸にした、時に不条理的展開を見せる硬質なインスト部隊の演奏。まるでVAN DER GRAAF GENERATORのようだが、VDGGにおけるフリーキーなサックス・ソロのような突き抜けたアバンギャルド性はそれ程でも無く、もっとクールに統制されてます。
#1の後半”Skull”冒頭のフルートの繊細なフレージングを活かした素直な叙情性や#2での弦を交えた端正な暗黒叙情に、周到に計算された理性を感じさせます。
一方計算された混沌で異彩を放つのがアルバム中盤戦。静かに奏でられる不穏なモチーフがやがてバンドとして増幅され、神経を逆撫でするかのようなリフレインに発展し、それにビザールなヴォーカル・ラインが絡みつく#3。
アコギと管弦楽をバックにした田園フォークからハード・ロックに発展し、さらにねじれた不条理パートへと予測不可能な展開をみせる#4。
この辺りには既に孤高の香りすら漂いますね。
奇妙なフォーク・ナンバー小品#5を挟んでの組曲形式のラスト#6では、ブルーズ・ロック由来のインプロビゼーションを繰り広げ、意外とストレートに締めてます。

Track List

1.Long Live Man Dead: Long Live Man Dead/Skull
2.Peter
3.Snails
4.Time And Space
5.Who Spoke
6.In Spite Of Harry's Toenail: Goodbye-Farewell-Adieu/Harry'sToenail

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GNIDROLOG / Lady Lake

1972,UK

GNIDROLOGの1972年2ndアルバムLady Lake。

個性的なヴォーカル・メロディを中心に紡がれる暗鬱シンフォ路線はそのままに、整理されたアレンジを施すことによってドラマ性が大いに向上。インストパートにメリハリが付けられ、歌パートと合わせて楽曲としての完成度をアップさせています。

#1のサビはロックの持つカタルシスを感じさせるほどだし、叙情的な#2ではサックスのバッキングがヴォーカルと絶妙のマッチングを見せています。
美しくも寂寥感漂うフォーク・チューンの#3に続くタイトル曲#4では冒頭から3分が不条理系インストパート。その後のヴォーカルパートも不穏なムードで進み、サックスによるダークでヘヴィなリフレインで幕を下ろします。
#5では再びピアノの端正なバッキングに乗せたメロディアスな楽曲を配し、ラストの#6は一転してお待ちかね屈折路線。サックスがリードする不条理イントロとバッキングに、ヴォーカルやベース、ギター、オーボエが有機的に絡み、執拗に繰り返すリフレインが幻惑感をもたらします。
そして狂気のようなラスト・・・ジャケットのインパクトともども完璧なアルバムです。

Track List

1.I Could Never Be A Soldier
2.Ship
3.Dog With No Collar
4.Lady Lake
5.Same Dreams
6.Social Embarrassment

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