DAWN のレビュー

DAWN / Darker

2014,SWITZERLAND

メロトロンやヴィンテージ・シンセが唸る!スイスのヴィンテージ・シンフォ・プログDAWNの2ndアルバムDarkerのレビュー。

メロトロンにエレピ、オルガン、モーグ風シンセなど、派手さは無いが的を得たプレイのキーボードが70年代英国の薫りを運んでくる。そんなDAWNの素晴らしいサウンドを支えているギターがまた良い。
折角のヴィンテージ・サウンドをメタル・エッジなギターが台無しにするバンドもいる中、当アルバムDarkerで聴けるギター・サウンドは適度に歪んだオーソドックスなもので、オルガンと巧みに絡み合うアレンジの#2のリフ、ユニゾンで迫る#3など、キーボードと共に立体的なアンサンブルを構築している。

ドラマティックな#5や#8においてすら泣きや明暗の表現では決してレンジを突き抜けるようなことは無く、ほどほどに止まっている様はまるで70年代英国のB級バンド。先人達の場合、それが手探りの中新しいものを生み出そうともがいた結果の限界であったのに対し、DAWNの場合は先人達の養分を吸い取ったうえで余力を残した絶妙なさじ加減である点が異なっている。アバウトなインプロビゼーションとしか聴こえない#5中間部のノイジーなパートですら周到さが伺えるのだ。
大仰なギミックや目まぐるしい曲展開に頼らずに淡々と、場面ごとの精緻なアレンジにより緩急を描ききるセンスが秀逸ということなのだろう。

まるでSPRINGのようなメロトロン・フルート、グリッサンドがイカすロック・オルガン、ミニマルで構築的な#4、幽玄なムードを醸成する#3でのアコギのカビ臭い空気感など、ヴィンテージ系バンドの中でも一歩抜きん出た本物感がDAWNにはある。

Track List

1. Yesterday's Sorrow
2. Cold
3. Darker
4. Lullabies for Guterflies
5. 8945
6. Out of Control
7. Lost Anger
8. Endless

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