ARTI E MESTIERI のレビュー

ARTI E MESTIERI / Tilt

1974,ITALY

イタリアの6人組ジャズ・ロック・バンドARTI E MESTIERIの1974年1stアルバムTilt。

フリオ・キリコ(Dr)の繰り出す手数の多いドラミングを中心に鍵盤とギターがバックを固め、ヴァイオリンとサックスがメインのメロディをクールに奏でるスタイルで統一されています。が、しかし、そのオーガニックな響きゆえに温かみをも同時に醸し出した独特のサウンドになっているのがポイント。そしてそのクールなインストゥルメンタル・パートと対比を成すのが、ボーカルが入った時の静かな叙情。特に#2の囁くようなボーカルとジワジワ染み入るメロトロンによる、もう反則っていうくらいの叙情味は印象に強く残ります。又、普段はバッキングに徹しているギターも、#4では突如スリリングな早弾きソロで前面に出てきます。そんなロック的熱さも魅力。クールなジャズ・ロックと優しい叙情を交差させた13分超の#7のドラマティックさは圧巻。

バンド名通り、芸術家の感性と職人の技術が高次元で融合。全9曲中インストゥルメンタル・ナンバーが7曲という構成でいながら、親しみ易く歌心を感じさせるアルバムです。

Track List

1. Gravità 9,81
2. Strips
3. Corrosione
4. Positivo / Negativo
5. In Cammino
6. Scacco Matto
7. Farenheit
8. Articolazioni
9. Tilt

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ARTI E MESTIERI / Giro di Valzer Per Domani

1975,ITALY

イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドARTI E MESTIERIの2ndアルバムGiro di Valzer Per Domani。

新たに専任シンガーのジャンフランコ・ガーザ(Vo)が加わり出番は少ないもののハリのある歌唱を活かした#3などの歌モノと、よりフュージョンに接近した快活なジャズ・ロックを展開。その分、1stにあった繊細なボーカルとメロトロンが醸し出す叙情性は後退しています。

#5に代表されるようにギターが硬質な単音リフで底辺を支え、ヴァイオリンと管がユニゾン或いはハーモニーでテーマ・メロディを奏でるジャズ・ロックが基本スタイル。#7では管、ギター、ヴァイオリンが追いかけっこのようにフレーズを継承し心地良い流れを生み出したりもする発展形も披露。ここに、時折ヴィブラフォンがアクセントとを加えています。そして勿論フリオ・キリコ(Dr)の超絶ドラムは健在。
あまりに滑らかなロールはもはやフィルインの域を超え、メロディアスと言っても良いほど他のパートと融合しています。

全体的にカッチリとアレンジされた中、ギターとヴァイオリンが転調に対応したモーダルなフレーズの熱いソロ・バトルを繰り広げる#2や、サックスの官能的なソロが聴ける#9など、テクニックと表現力に長けた各人の演奏も堪能できます。

Track List

1. Valzer per Domani
2. MIrafiori
3. Saper Sentire
4. Nove Lune Prima
5. Mescal
6. Mescalero
7. Nove Lune Dopo
8. Dimensione Terra
9. Aria Pesante
10. Consapevolezza parte 1
11. Sagra
12. Consapevolezza parte 2
13. Rinuncia
14. Marilyn
15. Terminal

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